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smashing! かれとあなたとぼくたちの

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。この病院の税理士・雲母春己は二人の先輩である理学療法士・伊達雅宗と恋人同士、そして伊達の彼氏になった設楽泰司も一緒に、三人で暮らしている。


モッツァレラやプロシュート、ベルーガ、そしてベーコンブロックを炙ったもの、そこに今日は僕の推しデイリーワインを合わせて。意外にスーパーなんかにあったりするんです、お値打ちなのになかなかの味わいのワインが。担当の方の取り扱いが素晴らしいのだと思います。

今日は伊達さんと設楽くん、久しぶりに三人揃ってのお酒。ただ設楽くんは先日、足首を捻挫してしまっているのでお酒ではなくノンアルで。飲んでる消炎剤と相性が悪いといけないから、設楽くんはちょっとだけ残念そう。その分いつもよりも沢山食べられますし、って。久しぶりに伊達さんが作ってくれたのは塩焼きそばと唐揚げ。大学時代に伝説なったやつですね、設楽くんは嬉しそうに口中に詰め込んでしまって、何を言っているのかちょっと分からなくなってます。唐揚げにプロシュート巻いて食べちゃってるのは伊達さん。邪道大好き、ワインも炭酸水で割って飲むのがお気に入り。

僕のペントハウスのテラス窓の側、ローテーブルとカウチを並べて真ん中に伊達さん。夜景に浮かび上がる屋上庭園が目の前に広がって、とても贅沢ですね。そこでローテーブルに設置したタブレットで映画を見る、これもまた贅沢。映画のはずが途中から新喜劇になってるとこはご愛嬌。あでもこれ困るんです僕息継ぎ分かんなくなるんで笑いすぎで。

お酒が入って気持ち良くなると、伊達さんのボディタッチが始まってしまうため、僕と設楽くんは交代で触られています。僕は全身がお顔ですのでどの角度からご覧になっていただいても構わないのですが、ボディタッチはたまに擽ったいとこにピンポイントなので悶絶したり。散々笑ってキスして。そして伊達さんの前で僕と設楽くんも軽くキスを交わします。

おはよう、いってきます、おかえり、おやすみ。日に四度のキスは全員の嗜み。僕と設楽くんとの組み合わせでも然り。元々は伊達さんの希望、お強請りだったので最初は頬やエスキモーだったんですが、そのうち自然と今みたいな、家族にするキスに。伊達さんはいつも嬉しそうに、キスを交わす僕たちを側で見ているんです。

嬉しそうですね、そう言う設楽くんに、だって嬉しいからねえ、垂れた目元が更に下がって上機嫌。ひとつのカタマリみたいで。ああコミュニティのようなものですね?僕の手を優しく握って、ハルちゃんのそゆとこがイイんよね。ワインのおかわりを差し出す設楽くんに片目を瞑って見せる。同じ空気の中で同じ波動で、気持ちいいが溢れてると思うんよ。

成る程、そういう空気感というのは頷けますね。全然お酒入っていないのに、設楽くんの目がとろんと優しげで。思うに、どんなお酒もどんな誘惑も、伊達さんを取り巻く空気とは比べようがない。それってすごい発見だと僕は思うんですよ。




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