見出し画像

smashing! きみのひきだしむげんだい

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。そこで週1勤務をしている、大学付属動物病院の理学療法士・伊達雅宗。彼は佐久間の病院の経理担当である税理士・雲母春己の恋人だ。


最近、雲母ハルちゃんが凝っているのは餃子やら焼売。薄皮になんかタネ包むってのにすごい興味持っちゃってて、佐久間ん家で皆でご飯食べた時よく出てくるのね餃子とか焼売が。それ見て作ってみたくなったんだって。

餃子系は俺も得意だからね、一緒に作る時に側で見せてあげられるんで全然いいんだけど、自分が納得いくまで突き詰めるんよハルちは。そらもうキッチンの作業台とかテーブルの上に大量に並ぶの。きっちりと。残ったやつは冷凍して、ってやってたら、すぐ冷凍庫がいっぱいになっちゃったんよ。

俺はハルちゃんの餃子毎日でもいけるから問題ないの。設楽も大好物だしね。でもせっかくだから、ウチに遊びがてら寄った佐久間とちぃたんにも持ってってもらったり、帰りがけに白河先生捕まえて食べてってもらったり。皆ハルちゃんの手作りって言うと目が輝くよね。気持ちわかるわ俺のハルちゃんなんだけどもね。

形はきっちり一定、具材すっげえ細かくて味にムラもない。ちょっとあっさり系で、なんか新婚さんの作ったやつみたい、とか結城のすぐるんが言ってたっけ。そうなのよ、丁寧なのが仇になって、いや、仇じゃなくっていわば長所なのよ、そこもハルちゃんの魅力なの。

その美しい双眸が見つめるもの、興味を抱くもの、好奇心旺盛で知りたいと思ったことはどんどん突き詰めてく。俺はハルちゃんの全部を知ったつもりになってたけど、あの子は日々進化してて、俺の考えの到底及ばないところまで進んでいってたりする。想定外にも程があるよね。

知りたいと思う人の引き出しがそれこそ無限大だなんて。俺のこれからはもう好奇心しか勝たないってね、ハルちゃん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?