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smashing! かんぺきなあじのあなたと

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。そこで週1勤務をしている、大学付属動物病院の理学療法士・伊達雅宗と経理担当である税理士・雲母春己は付き合っている。そして伊達は後輩の設楽泰司とも恋人同士。


それにしても毎日残暑が厳しくありませんか?お仕事モードの僕は高い確率でスーツなわけなのですが、いかんせんこれはジャケットを脱いでしまったら魅力が九割減といったですね、そっちマニアの中では絶対に上脱がないからねみたいな掟もあるくらいの(略)

流石の僕も走馬灯が見えそうなので、とりあえず大通り沿いの老舗パーラーへ。今日はなんだかすいててラッキー、お気に入りの奥の席に落ち着きます。ジャケットを脱いでハンガーに掛けて。ああ生き返る。もうこの季節にリネンは外れてると思っても、暑いから仕方ないんよね、と独り言。

グレープフルーツジュース、完熟メロンのゼリー、と思ったらケーキがあるじゃないですか限定の。あまりに新鮮で柔らかくて崩れてしまうためお持ち帰りできないやつ。これは是非いただかなければ。そして定番のフルーツサンド。

僕と伊達さんはフルーツ大好き。一緒に暮らしているうちにとうとう設楽くんもフルーツ贔屓に。冷蔵庫の中身の半分は季節のフルーツで埋まっていて、いつ何時も楽しめる仕様。そういえば僕、朝ごはんの時にメロンをいっぱい食べたんですが、これはあれ、別腹ですね承り。

搾りたてのグレープフルーツジュース、さっぱりして酸味が爽やかで最高です。そして恭しく運ばれてきた完熟メロンの生クリームケーキ。は、プルップルしてますねこれ。ちょっとでも傾けたらそのまま倒れますねいけません先に僕が食して差し上げないと。口の中で一瞬で溶けるこの芳醇なメロンの…と思ったら全ての言葉が脳から消えましたともこのケーキやばい。

ケーキは体感一瞬でなくなってしまいましたが、フルーツサンドはそんな僕を気長に待っていてくれて、いつ何時食していただいても問題ありません、そう言ってくれているようで。このスタンス、僕の愛する主君である伊達さんを彷彿とさせます。

薄いしっとりしたパンに挟まれて、ひんやりしてて完璧な味のバランスを保っているその姿、いつも僕を楽しませてくれるその鮮度、季節によって変化するフルーツ、似ているんですそうまるで、今頃家のリビングでソファーから落ちかけながら爆睡し…話が逸れましたが、あの伊達さんに。

今度はここに三人で来て、このフルーツサンドを一緒に食べたい、そう思います。設楽くんには一瞬で伝わるであろうこの魅力。伊達さんは分かっていてもきっとはぐらかして、ハルちゃんは面白い事言うよねえ、あの垂れ目の可愛さでもって僕に笑い掛ける。

さてあと残るは挨拶回り。終わったら秒で帰るとしましょう勿論タクシーで。暑いともう無理頭沸きますからね、その分早く家に戻って。きっと眠りこけてる伊達さんを揺り起こし、急ぎバスルームに連行してしまいましょう。今日の僕のお楽しみに決定です。

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