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smashing! ごほうびはあなたたちの

佐久間イヌネコ病院。週一でここに勤務している理学療法士・伊達雅宗は佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士の先輩。この病院の税理士・雲母春己と付き合っている。


僕がお仕事の拠点として使っているコワーキングスペース、少々タイトなスケジュールの合間、休憩所でコーヒーを頂きます。ここの自販機は凝った仕様で、豆から挽いてくれるという素晴らしさ。こういうのは心の緊張がすっと解けてくれる気がします。

ああ、伊達さんの顔が見たい。

少しでも心が緩むと、途端にあの方に会いたくなる。僕の携帯にもタブレットにも無数の画像や動画があるので、お顔を拝見するのには事欠かないのですがこの場合「生身の」という条件がつくのです。流石にその都度呼び出したりは無理なので、今は画像の範囲で癒されようと思います。

僕の撮る伊達さんはほぼこちらに視線を向けてないのです。こっそり撮るのが好きなので。あ別に盗撮じゃないんですよ問題ありません。可愛い、かっこいい、素敵、あの方を形容する言葉が見つからないほど、僕の中では大きな存在。手にしたコーヒーの湯気がまるであの方の優しい吐息のように、僕の頬を撫で消えていきます。

あともう少し、データ入力してまとめて自動計算してサーバーアップして、その流れの先に伊達さんとの待ち合わせが待っている。伊達さんという目標を設定してしまえば、巻き起こるお仕事さえも超楽しいクエストでしかないんです。先に欲しいご褒美を決めてしまえば、あとはそこに到達するためのクエストを無心でクリアすればいい。何も問題ありませんだって、僕には素敵なご褒美が確定しているのですから。

僕にとってのご褒美は伊達さん。そして設楽くんのエスコート。と、ちょっと欲張りすぎな気もしますが、最上級の贅沢こそが自分に与えるべきもの。

あのお二人にもそうやって、僕のことも「ご褒美」として受け取ってもらえてたら、それこそ最上級の幸せだと僕は思うのです。


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