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smashing! ウーでバーなかいきんびに

去年うっかり忘れていたこの日、そう。ボジョレーヌーボー解禁日。スケジュールにもちゃんと組み込んで、ちゃんとお店でも通販予約。限定のハモン・イベリコも用意。完璧です。

それなのに何故僕は絶賛データ入力が終わらないんでしょう絶賛。

そう、ちょっと油断して後回しにしていた件が急ぎのアレにトランスフォームして卍解しちゃったんですよアレレ何言ってんのかわかんなくなってますね、今日は流石にコワーキングスペースじゃ収まらないので(インナーボイスが)防音設備の整ったホテルでお仕事。ついスイートを取ってしまったのはいいけど全然楽しめませんねこれでは。

チェックインしてからずっと設楽くんがハンズフリーでお話に付き合ってくれてます。伊達さんはもう少し遅くなるそうです、そう言って夕飯、ボジョレーを楽しむためのレシピを用意しながら、設楽くんは僕の作業経過という名の愚痴を聞いてくれて。

雲母さんはケッパー平気ですか?大好物です大丈夫。そんなやりとりを続けて3時間くらい経った時。ようやく終わりを迎えた僕の「大」仕事。こんな切羽詰まったのは初めてかもしれない。設楽くんがずっと話をしててくれたのが大きいです。

これからそっちにケータリングがお邪魔しますよ、設楽くんが悪戯っぽく笑って、それじゃ。電話が切れてすぐに部屋のドアからノックの音。あ絶対伊達さんこれ。驚きが止まりません。あーワクワクします。そっとドアを開けると、笑ってるのか泣いてるのかわかんない顔した僕の主君が小首を傾げて立ってらしてアアアア可愛い伊達さんんんん。

ウーでバーなやつですう、お疲れねハルち。手には保冷バッグ。軽いハグで歓迎して中にお通しして。うわここ広いねえ、嬉しそうに部屋を見渡す伊達さんは、オーバルテーブルの上にバッグを置き、いそいそと取り出した保存容器。大きなお弁当箱。そして僕が注文していた中の1本のボジョレー、大好きなキュヴェ。ちゃんとハモン・イベリコもあるよ、あと設楽がカポナータ作ってたから持ってきたん。ナスやセロリがトマトで煮込まれた美味しいの。だから設楽くんがケッパーのお話されてたんですね。

ワインも全く味に角が立ってませんし、お料理も温かなまま。僕はね伊達さん、こんなに今日仕事が大変でよかった、って思ったことはないです。だって。

まるでサプライズピクニックみたい。だけど、この上ない素晴らしいご馳走、伊達さんのケータリングが待ってたんですから。


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