佐久間イヌネコ病院 luv.40 かっこかわいいあいらしい

今日は珍しく外で、雲母ハルちゃんと会うことになっている。俺は鬼丸に頼まれた限定焼酎を買うのもあってちょっと都会まで出たんだけど、その催事場の近くでハルちゃんが仕事があるっていうんで、一緒にご飯食べようかって話になった。

病院のほうは雅宗先輩が出てくれる日で全然問題ないから、俺はいろいろ頼まれたものとか自分の用事とか本とパンツとブルーレイ見たりとか、ハルちゃんと待ち合わせ時間までけっこう忙しいんだよ。これでも。そして大きな繁華街を抜けたとこにある古めかしいホテルのカフェ？レストラン？こういうとこって一瞬怯むよね、でもちゃんとスーツ着てきたから大丈夫。

あっさり入れたあげくカジュアルてか高そうだけどジャージのおっちゃんもいたり。よかった砕けてんなけっこう。吹き抜けになってるロビーのソファーに、明らかに知ってる子がすました顔で座っている。頭身おかしいな。まだ俺に気づいてないのか、それか見えないのかな。ハルちゃん珍しくメガネしてない。

なんの気無しにロビーを見渡したらまあ、見られてる見られてる。本人気づいてないのかも。俺にも視線が注がれてる気がするけど、なんかいかつい男子とよく目が合うんだよな。俺は茶色癖毛の鈍い乙女男子が好みなんだ。残念だけど。

人の群れをすり抜け、丁度ハルちゃんの正面に立った。そしたらふわっと笑って手を振った。ああこれ雅宗先輩がゆってたやつ。ハルちゃんは花が綻ぶみたいに笑うんだって。あれでも、よくわかったね俺まだ声かけてないのに。

「ハルちゃん、メガネないのによく俺のことわかったね？」
「今日はコンタクトをつけてみたんです。設楽くんのお兄さんにお願いして…」
「ああ、目医者だって言ってたっけな！」

ああ、至近距離じゃないと微妙でわからないやつ。これはおそらくオッドアイ。なんかあっこの軍団、日々全員が同化してく傾向にあるな。もちろんいい意味で。

「ハルちゃん、今日は雅宗先輩コス？」
「ンフ♡千弦くんなら気づいてくれると思ってましたよ」

じゃ、ご飯行こっか！合わせてないのにスーツもなんとなくお揃い。こういう偶然ってあるんですね。上機嫌のハルちゃんにエスコートされて、これからおすすめのうんまいご飯。ナイフとフォーク久しぶりだな、緊張するなって思ってたら。

「ここ、炭火で炙った親子丼が美味しい居酒屋があるんですよ♡」

さすがのハルちゃん！俺がリラックスできる好みの店もしっかり把握してくれてた！あとで雅宗先輩にゆってやろ！あのオッドアイのやつも！

／喜多村千弦

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佐久間イヌネコ病院
今日は俺が出勤してるから
やっぱりお客さん（？）少ないね！
そんでも差し入れはね
なかなかの量なんよ
（伊達先生）