佐久間イヌネコ病院 luv.62 オンアンドオフ

久しぶりに雲母ハルちゃん復活。ここんとこ風邪ぽかったんであんまり外に出したくなかったんだけど、退屈で仕方ないみたい。せっかくだから今日は俺と一緒に小さな菜園の世話をしてもらうことにした。実家の用事で出てる設楽が夕方戻ってきたら、採った野菜揚げてもらう。

お待たせしました！そう言って奥の部屋から出てきたハルちゃんはいつものあの、設楽の高校ジャージ。動きやすくて最高なんですよ。嬉しそうにしてるから何も言えないけど、あれよ、設楽が言うには「田舎ジャージ」なんよ。あいつん家には兄弟のもストックしてあって、掃除だの作業だのの時にすげえ重宝してるんだって。軽くて丈夫。だけど、ちょっとだけカッコよくないんよね。

まあ敷地内だし問題ないやね。ハルちゃんと一緒に畑を耕して、畝を整えて、蒔ける種は蒔いて。あっという間に大きくなるから楽しみですね。ハルちゃんは野菜が育つのを観察するのが大好きで、タブレットに観察日誌みたいなのを記録してて、時々俺らにpdfファイルにしたやつをくれる。この分析力とプレゼン力あったらいろんな世界が救えるよね。そう言ったら設楽が、オレらを救って癒してくれてるんですよ。そうそう！そうなんよね設楽わかってるう！

雑草抜いて、そろそろ終わりの白菜と旬の新玉葱が採れた。そのときハルちゃんの携帯が微かに鳴って、俺にすまなさそうに向き直る。すみません急にお仕事が入って。ここんとこゆっくりしてたからねえ。そう言ってハルちゃんの肩をぽんと叩いて、取り急ぎ家入って台所に野菜を置きに行く。

ハルちゃんが出る前にコーヒーでも。ドリッパーに仕掛けたコーヒー豆がふわりと香り立つ。この、香りの広がる感じは本当にハルちゃんに似てるな、俺は少し上から湯を注ぎながらぼんやりと考える。甘くてそれでいて芯がしっかりとしてて、揺るがないその眼差しでしっかりと地に足をつけて。186もあるから大きいけど、全然ギャップなんか感じない。

いい匂い。コーヒー淹れてくださったんですね。気付いたらハルちゃんが台所に来てた。それはもうさっきのジャージのイメージが秒で消え去るような。珍しくコーヒーブラウンのイタリアンスーツで身を固めて。整えられた髪、一分の隙もない着こなし。うーわーハルち綺麗だあ。思わず口から出ちゃった賛辞。ハルちゃんは少し照れ臭そうに、俺の差し出したマグカップを大事そうに両手で包み込む。

オフのハルちゃんが可愛すぎて、そしてオンのハルちゃんがとんでもなく格好良くて。俺はこういう時いつも思うんだよね。目が足りないってね。

／伊達雅宗
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佐久間イヌネコ病院

ハルちゃんと俺はよく
合わせコーデで買い物行ったりしてたな
背丈がほぼ一緒だし見た目も被ってて
そんで皆が言うんだ

エロマダムとエロ男爵だって

…マダム？

（魔神先生）