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smashing! 3ぷんかんのこうぼうせん

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。

今週は流石に色々反省した。いくら設楽が懐かし面白レトロゲーム貸してくれたからって、徹夜はいかんだろう。ただ喜多村も佐久間も、徹夜する気なんぞ毛頭なかった。時間経過という読みを誤っていたのである。昔、親兄弟や親戚なんかにやらせてもらった幼少の記憶は、十数年経っても色褪せてないからだ。あれよあれ、運動会とか出ちゃったお父さんが、いきなり全力疾走してベキボキるやつ。

喜多村と佐久間は今日一日、早朝から起き出し、お手本のように働き、病院の片付けも早々に終えた。夕食はしばらくの間簡単なものにして一気に風呂にも入って然るべき装備を携えテレビの前。

借りたやつクリアしよう。でも無理なく本気で。

一度コツを掴めば暗礁に乗り上げることもない。あえて正統派RPGが見当たらないところに、設楽の優しさ(?)を感じたりして。平気で50時間くらいすぐ食うからねあれ。今日はヤマ場を超えたのでちょこっと晩酌もできていい感じである。

「だいぶ制覇できたな鬼丸」
「ていうか千弦ゲーマーなんだなあ…俺がオタオタしてるうちに隠しダンジョンまで…」
「苦労したやつだと覚えてるもんだな」

小腹が空いた、そう言って喜多村は非常食用のカップラーメンを出してきた。これならゲームに集中できるからな。楽しそうにお湯を差しローテーブルの上に乗せた。

「3分な!その間さ鬼丸…」
「んん?」

ね、チューして?

そういえばここんとこ全然そんなのもしてなかったっけ。佐久間は少し笑って目を閉じる。喜多村の唇が目元に、頬に、そして唇に辿り着いて。じゃれあって、触れて。そして徐々に探るように。ソファーに重なり合って深く縺れ合って。

「…あ、やべ」

息継ぎの合間に気づいた喜多村。忘れてた、のびのびなっちゃった。二人でそっとフタを剥がす。期待通りののびのび麺になってしまっていた。

「俺けっこうこういうの好き。千弦は?」
「俺も大好きだ。カサ増しなってお得な気がしないか?」

あるある、増やして食べたいもんな。イチャイチャは一旦休止、軽く腹ごしらえしてもっかいゲームしよう。なにせ真剣にやるんだって決めちゃったからね。二人は居住まい正して攻略モードに。


あとゲーム終わったら、3分の続きもちゃんとしような。



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