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料理する旅の持ちもの(オマーン旅行その0)

余談だけれど、私は旅のパッキング術とかスーツケースの中身紹介とかを見るのが大好きで、InstagramやYoutubeで関連の動画を見つけると、ついつい長い時間見入ってしまう。そのひとの旅のスタイルや旅に求めるものが垣間見えて、実におもしろいのだ。

今回の旅行は、アパートメントタイプの宿を予約したので、地元の食材を現地で調達して、少し料理もしたいと目論んでいた。

そのために、簡単に調味料や調理器具を旅行鞄に忍ばせて。

基本的には、現地調達が楽しいし、ちょっとくらいいつもの料理器具が足りなくても、それも楽しむくらいの気持ちで出かけるのだけれど。今回は海辺の街で、ぜひ新鮮な魚を食べたかったので、よく研いだ包丁を持参した。もちろん、市場やスーパーマーケットでも、フィレに魚を捌いてもらえるのだけれど、私は鱗取りだけお願いして(キッチンが汚れずに済むので)、あとはできるだけ自分でやりたい。そうすれば、鮮度もよく分かるし、衛生的にも(若干)安心だし。なので、小さいサイズの出刃包丁を持ってきた。これは鯵くらいの大きさのお魚を捌くのに便利で、私達ふたり家族にはちょうどよい。鶏のもも肉の骨を外すのにも使える。今回は飛行機旅なので、小さくて持ち運びやすいのもいい。荷物が許すなら、これにもう一本よく研いだペティナイフと、キッチンバサミがあっても良かったな、欲を出せばきりがないけれど(そしてもちろん預け入れ荷物に入れる)。

調味料は、塩と油と醤油を。どれも現地で購入できるものだけれど、大瓶や大袋を買いたくなかったので、持参してみた。塩は、アゼルバイジャンのナヒチェバン塩鉱の美味しい塩を。実際、オマーンのおしゃれなスーパーマーケットには、小瓶のゲランドの塩やヒマラヤのピンクソルトなども売られていたので、必要性はそんなに高くなかったが。使いきれなかった分を、お土産として持って帰って、自宅で使いながら旅の気分を続けて味わうのも楽しいはず。

醤油は、小瓶に詰め替えて持参したものの、キッコーマンやハインツなどのブランドや中国のメーカーのものまで、多種多様に売られていたので、結果的には簡単に現地調達は可能だったものの、いちおうの保険の意味も込めて。油は、アゼルバイジャンの気に入りのオリーブオイルを。オリーブの産地にゆくのであれば、これも現地調達が楽しいと思う。揚げ物用に、ひまわり油を現地で追加購入した。

他には、茅乃舎のだし(贈答用の個別包装のいただきものがあった)を二袋。これは出汁をとってもいいし、袋を破いて、鰹節代わりにおひたしに和えたり、醤油と混ぜるとめんつゆみたいに使える。小瓶には、顆粒のチキンコンソメを。普段は、インスタントのコンソメは使わないのだけれど、いつもならちょこっとアンチョビ等の旨味を加える代用にしたり、時短でも旨味を出したいときなど、旅先のキッチンではけっこう重宝する。これにはあらかじめ好みのドライハーブを混ぜておくと、味に深みが出て素敵。今回はオレガノとバジル。茹でた野菜やじゃがいもふりかけたり、サラダドレッシングやトマトソースなどにこくを加えたり、肉や魚を焼いた後のフライパンに、溶いたコンソメとバターをちょっと加えて、さっと煮詰めてグレイビーにしたり。

スパイスは、ホールの黒胡椒と、ピンクペッパーを。これは、軽く叩くなどして粗く潰して風味付けに使うほか、粒のまま魚の煮付けの煮汁に入れたり、炒め物に加えたりもできる。かりっと噛んだときの香りが爽やかで、ただ挽いた粉胡椒よりさまざまに使えてとても便利だ。それに、今回は和食も作りたかったので、ゆかりミックスも作った。これは、ゆかりふりかけと干し海老、青のりを混ぜただけなのだけれど、ごはんのふりかけにも、豆腐にのせたり、チャーハンの味付けにも使えて、なかなかに便利。それぞれ小さな容器に詰めて。この他に、山椒や花椒、七味やカレー粉など、好みに合わせて持ってゆくのもいいけれど、私は最小限にして、あとは現地のスパイスやソースなどを試してみるのも、旅の醍醐味。使いかけが残ったら、自宅に持ち帰るのもまた楽しいし。

それに、ティータオルを一枚(包丁を包む)と、プレイスマット代わりに使う布のナプキン(華やかな柄のもの)を2枚。これは、本当に便利で、畳むと小さくなるし、マットよりじゃぶじゃぶ洗えて、アイロンも楽ちん。無くても良いものではあるけれど、備え付けのテーブルウェア(たいていごくシンプル)でもぐっとテーブルが華やいで楽しいから、私はキャンプでも持って歩く。それに、お箸2膳。これをスタッシャーのシリコンバッグに入れて。運搬用だけでなく、現地で冷凍や冷蔵の保存袋にもなるし、オーブンやレンジでの調理にも使えるので、これまたとても便利。

これで一週間の、料理する旅の準備、おしまい。

あなたがもし、この創作物に対して「なにか対価を支払うべき」価値を見つけてくださるなら、こんなにうれしいことはありません。