会社とは、私に辛うじての社会性を身に付けさせてくれたところ。

 会社員で良かった。
 頑張って再び正社員で働けるようになって良かった。

 この歳になって、最近しみじみと感じている事です。
ただし。「正社員に限る」。ですが。
 
 会社員でのメリットは色々とありますが、やはり社会的な信用度は全然違うと思います。カードやローンの審査でも、一度ブラックリストに載るような事でもしでかさない限りはまず落とされないでしょうし。更に正社員なら、中長期での予定や人生設計も立てやすいと思います。次の派遣契約の更新はどうなるか、を気にしながらローンでマンション買うというのはなかなか出来ないと思いますし(やれる人はやれるのだとは思いますが)。
 
 あと、見落とされがちですが、会社は正社員の教育には基本的には手間暇お金も掛けてくれます。フリーランスや個人事業主となると、それも自分でやっていかなければならない事でしょう。そこも醍醐味なのかも知れませんが。ある程度の人生経験や業界経験を積んだ人なら自分に最適な事を最適なタイミングでマネジメントして出来るのかも知れませんが、人生経験も業界経験も少ない若手だとキツイところはあると思います。或いは効率が悪かったり。「手間暇お金も掛けてくれる」とは言え、会社も慈善団体ではないので、その点必要最低限の事を必要最低期間でやらせるので、社員サイドから見ると効率は良いんですよね。業務に直結した資格取得だと、業務がもう既に実践になっていたり。会社からの命令なのでやりたくない事もやらされる訳ですが、それもまた、社会人として(少なくともその会社が望む)バランスが取れた人材になるように考えられてもいると思います。

 声優の話になりますが。
 昨今インボイス制度を巡って延期や廃止を求めて運動を起こしている方々が居ます。その主義主張自体はさておき。その中に「税金の勉強じゃなくて、演技を磨く事に専念したいんです!!」というニュアンスで仰られた方が居ました。
 いや。今は本当に良い時代だと思いますよ。自分の専門分野外の事や苦手な事を必要に迫られて学ばなければいけなくなっても、それを手助けしてくれるような動画なんぞを上げて下さるその道のプロな方もいらっしゃる。玉石混淆なので、こちらもそれを見抜く力は要求されますが。それこそ隙間時間でも出来ますよ。仕事しながら東大法学部に行って卒業までした、現役の声優さんもいらっしゃるし。そして、納税に関しては、そこまでのレベルは別に要求されてもいませんし。

 フリーランスや個人事業主となると、全てが自分に返ってくる自己責任ですが、そういう選択もまあ出来なくはないんでしょう。結果的に「専門〇鹿」的な人もチラホラと出てきてしまう。苦手なジャンル・嫌いでやりたくない事も会社命令で半強制的にでもやらされていれば、多少は身に着いて頭の片隅位には残る。私は少し性格的にも好き嫌いが激しく頑固なところもあるので、半強制的にやらされるという環境で良かったのだとも思っています。でないと、今以上に社会性の乏しい社会人になっていたと思いますし。

 がんじがらめにされるところもあるけど、守ってくれる側面も育ててくれる側面もある。
 
 会社員を経験するというのは、必要不可欠ではなくても、経験して悪い事では無かったなと思っています。

 #会社員でよかったこと


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