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傍の春夏秋冬を愛でる。発想の転換から生まれた新しい花器のカタチ

vol.03 |「hanauke」シリーズ誕生秘話

草花を飾ることで、季節のうつろいを暮らしの中で感じていたい。しかし自然のものにはどうしても旬というものが存在します。芽吹きからつぼみが実り、満開に花を咲かせ、そして葉や花びらを落としていく。その自然の姿に美しさを感じ、ひとつの風情として切り取ることができるようなフラワーベースがあったなら…そんな想いからhanaukeは誕生しました。

落ちた葉や花びらを魅せる

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ー 趣として切り取り、美しく飾るというポジティブな発想

リビング、玄関、自室など、普段の暮らしの中で草花を飾るシーンはさまざま。人が集うダイニングもその1つですが、例えば料理が並ぶ食卓に花びらがそのまま落ちてしまったとき、みなさんはどうしますか?また、生花はその旬を出来るだけ保つためにも水替えなど手がかかります。それに加えて、落ちた葉や花びらをその都度集めて掃除をするのはなかなかに一苦労。
そこで私たちは、落ちて“しまった”ではなく、落ちたものも趣として美しく飾ってしまおう、というポジティブな発想に転換し、陶器のベースにひのきの受け皿を組み合わせた新しいフラワーベースのカタチが生まれたのです。

角度とカタチに秘められた想い

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ー KIKIMEが提案する、暮らしの中で草花を愉しむ仕掛け
もっと手軽に季節のうつろいや自然の美しさを日々の暮らしの中で感じることができたら…そう私たちは考え、KIKIMEとして粋な暮らしの愉しみ方を提案する方法を模索しました。

世の中に今あるフラワーベースは、一輪挿し用の小ぶりなものから、ボリュームのあるブーケを魅せるためのものや、丈のある枝ものをバランス良く飾れるものまで、素材もカタチもさまざま。いずれも飾る草花の種類によってフラワーベースを選ぶことが多いように思います。

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日頃、花を飾る習慣がある人にとって、草花に合わせてフラワーベースを選ぶことも、そして飾り方も決してハードルの高いものではないかもしれませんが、慌ただしい日々の中でも、もっと気軽に花を飾って愉しむ仕掛けとして、ベースの形状とサイズ感に着目しました。試行錯誤を繰り返しながらたどり着いたのは、主役である花の個性や表情を際立たせるシンプルな佇まいで、あらゆるシーンにそっと馴染むサイズ感でした。

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ベース本体の細くしぼった口と胴体部分の角度は、ひと枝挿すだけでも全体のバランスがまとまるよう設計しました。実際に原型をつくる職人の元へ出向き、現場で打ち合わせをしながら削る角度を細かく調整。また現在では手掛ける窯元が少ない「がば鋳込み」という成形方法で、薄く焼き上げ軽量化を目指しました。
またhanaukeのフォルムに合う釉薬を合わせることも簡単ではありませんでした。花の表情を活かしながら、受け皿との組み合わせも考え、検討を重ねました。

小田原の木工職人との出会い

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ー こだわりと巧みの技術から生まれるモノづくり
素材を掛け合わせたモノづくりがそもそもあまり多くないのは、それぞれの素材に特性の良い部分を組み合わせた時に、相乗効果を生み出すことが簡単ではないことも1つの理由。陶器についても同様で、その時の土や気温、環境によって焼き上げた際の収縮率が変わるため、異素材と組み合わさった商品は世の中に少ないのです。

しかしボーダーレスなモノづくりに想いを持っているKIKIMEとしてプロジェクトを進める中で、デザインの段階から陶器と木を組み合わせたときのモダンで温かみのある雰囲気に魅力を感じ、木素材の加工開発を協業できる工場を検討しました。いくつかの工場には困難と断られ、どうしようか…と困っていたところで「なんでもチャレンジしてみましょう!」と快く引き受けてくれたのが、神奈川県小田原市で寄木細工などの伝統の木工芸技術で知られる木工場の職人でした。

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どうしたら私たちがイメージするhanaukeになるか、お互い意見やアイデアを出し合い、開発を進めることができ、沢山の試作を経て受け皿の仕様が決まりました。またその寸法と形状には秘密が。一見、平らなプレートのように見える受け皿ですが、陶器のベース本体に乗せたときにぐらつきづらいよう、プレートの裏側を斜めに加工をしており、陶器の上部をホールドできる寸法になっています。

陶器と木が掛け合わさり生まれた新しいカタチのフラワーベース。春夏秋冬、自然がうつろう風情をまるごと愉しんで。

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