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成長を求めるリーダーをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援する

 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの日本版の2023年9月号の特集は「リーダーのための成長論」であった。
 その中で紹介されている論文の一つが「自己成長を求めるリーダーは遥かなる旅路を歩み続ける」である。筆者はロンドン・ビジネススクール教授のハーミニア・イバーラ氏ほか2名である。

 本論文は、リーダーが成長する旅路を「出発」ー「航海」ー「帰還」のメタファーで示している。これらの中心にあるのは対人スキルである。

 「出発」では、そのきっかけとして望む状況と現状との乖離に気づくことからはじめる。その中で、その乖離の原因が他ならぬ自分自身にあることに気づくことが必須である。そしてそれが容易ではなく、時間と努力を要するものであるということだという。

 「航海」では、3つの重要なことを行う必要があるとされる。第一に、学習の新たなコンテクストを創造するということである。第二に、助力者を得るということである。第三に、小さな成功から学ぶことである。
 「学習の新たなコンテクストの創造」としては大きく二つのやり方があるという。それぞれ「アウトサイド・イン・ラーニング」「インサイド・アウト・ラーニング」と名付けている。「アウトサイド・イン・ラーニング」は、自分自身が直接采配を振るわない状況にあえて自身を置く方法である。コラボレーションの割合を増やすことで新たなスタイルを確立していく。もう一つの「インサイド・アウト・ラーニング」は、ある状況で培った対人スキルを別のところに持ち込む方法である。例えば、家庭や地域活動等でのコミュニケーションスタイルを職場に持ち込むなどである。
 「助力者を得る」ということは、自分の取り組みにフィードバックをしてくれる人を傍に置くというものである。コーチやメンターなどがこれに当たる。変わるというストレスと不安によって客観的に自分を評価することは難しくなる。
 「小さな成功から学ぶ」というのは、自分を変えるという試みは不安だし、簡単には変わらないということで、小さな変化や可能性をしっかりと評価するということである。

 「帰還」はタイミングが難しい。ひとつは自信を得たときである。二つ目は「他の人に経験を共有したい」と感じたときであるとされる。 

 この旅全般に際して助けになるヒントとして、論文の著者は「自身の置かれた状況を知る」「学習課題を決める」「学びの時間を確保する」「独善的にならない」ということを示している。

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドをどう活用するか

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使って、この旅をどうサポートできるのか。

 まず、出発に際して「望む状況と現状との乖離」を把握することに効果的である。特に心の底から望んでいることは何か、ぼんやりとしたイメージを言語化できるところまでつなぐためにレゴ🄬シリアスプレイ🄬のワークは有効である。
 特に、自分自身が判断や行動で大切にしていることを表現し、現状の課題感と突き合わせて、自分自身が問題の原因ではないかと探究する「U理論ワーク」は「学習課題を明確にする」ことにも役立ちそうだ。

 航海の中の「アウトサイド・イン・ラーニング」については、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使って自分以外の人々がどのような才能を持っているかをイメージ化し、どう組み合わせることで自発的に動いていくかを考えるチーム・システムを構築するワークができそうだ。
 「インサイド・アウト・ラーニング」は、越境学習ともいえる。以下のNoteで越境学習とレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの関係について簡単ではあるが考察している。

 「帰還」のタイミングではないかもしれないが、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使って、うまく整理されていない学びを話し合うことができる。学びを効率的に言語化して、確認することができる。レゴ🄬ブロックのモデルの力も借りて、同じテーブルを囲んだ参加者は、より良いフィードバックを与えてくれる存在になるだろう。

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