レゴ®︎シリアスプレイ®︎で「考える力」を高めるワークを構想する①グレーゾーン・ワーク
以前のNoteで、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドが私たちの「考える力」を育てる側面があるということを指摘した。
上記の記事では「メタ認知」と「問題の設定」が「考える力」の本質にあるとして説明を書いた。
自分自身の思考を把握するということはまさに「考える力」の中心にあるわけだが「メタ認知」よりも、もう少し取り組みやすく、小学生ぐらいでもチャレンジできる「考える力」を伸ばすワークを構想していきたい。なお、このシリーズで紹介するものは、構想段階で実際には試していないことにも注意されたい。
今回、構想したワークは「グレーゾーン・ワーク」と名づけた。
このワークは、ある概念を理解する力を高めることを狙いとする。ワークのパターンは2つある。
パターン1 グレーゾーンDuck
このワークではレゴのダック(アヒル)のセットを利用する。
参加者はグループを組む。最低5人で1グループとする。4人でも可能だがその場合には①を2つずつ作ってもらう。
①参加者に「アヒルのようでアヒルでないかもしれないモデル」を作ってもらう。
②参加者が作った全部のモデルを「もっともアヒルに近い」モデルから「もっともアヒルでなさそうな」モデルまで、意見交換をしながら並びをつくる。
③並びを考える過程で見えてきた「アヒルである条件」や「アヒルらしさ」について皆が納得する基準やその基準が妥当である理由について話し合う。
④各グループに発表してもらう。
パターン2 〇〇のグレーゾーン
このワークではレゴ®︎シリアスプレイ®︎のブロックセットを利用する。スターターセット以上が望ましい。
参加者はグループを組む。4人〜6人を推奨する。
①問い「〇〇について、あなたが本当に〇〇なのか悩んでしまうケースを考えて表現してみてください」として、参加者にモデルを作ってもらう。〇〇に入るものは抽象的な概念が良い。たとえば自由・責任・芸術・正義・公正など。
②作ったもらったものについて参加者に説明してもらう。
③「あなた方は、これを〇〇かどうかについて判定しなければならなくなりました。みなで相談して理由を明らかにしながら判定してください。」と説明し、話し合ってもらう。
④判定の基準についてホワイトボードなどに書き出し、発表してもらう。他のグループの発表を聞き、気づいたことについて意見交換する。
⑤(追加オプション1)現実の世界で同じような場面に直面したときに、私たちはどう振る舞うべきかについて話し合う。(追加オプション2)今回「〇〇には当てはまらない」と判定されたことが、実際の世界で判定されてしまったらどのような影響があるかについて話し合う。
このワークによって「概念」が何らかの決定や判断に結びついていると実感できると共に(だからこそそれをしっかりと理解しておくことが重要である)、ある「概念」の理解を深めるためには、似ているが当てはまらないことを考えることが一つの有効な手段であることを学ぶことになる。
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