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レゴ®︎シリアスプレイ®︎についてあれこれ

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レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドに関して「理解する」「応用する」以外で考えたことあれこれ詰め合わせ的に。
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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(10)『ジグザグに考えよう』:ジグザグにステップを踏む

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(10)『ジグザグに考えよう』:ジグザグにステップを踏む

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 これまで上書で紹介されている8つのステップを見てNoteで考えたことを書き下ろしてきた。

 最後のまとめでは、8つのステップの組み合わせ方についての言及がされている。
 著者にれば、8つのステップの組み合わせはいろいろあり、完全に決まってはいないという。最初の入り口は「質問する」とあるが、ひとたびジグザグの旅が始まればどこが最初で

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(9)『ジグザグに考えよう』:作る

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(9)『ジグザグに考えよう』:作る

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 本書で紹介される最後のステップは「形にする」である。
 特に世界的な製品デザイン会社であるideoのデザイン思考の考え方を紹介して、形にすることでより思考が刺激され、改良や追加のアイデアの礎となることが強調されている。

 また「thinkering」というコンセプトも紹介されている。これは、自分の手でものをいじりながら(tinke

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(8)『ジグザグに考えよう』:選択する

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(8)『ジグザグに考えよう』:選択する

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 ステップの7つめは「選択する」である。ここまでのステップは、いかにアイデアの数を増やすかということに焦点を当てたステップであったと言って良い。この7つめは多くのアイデアから良いものを選んでいくことが狙いとなる。

 ここで示される演習は4つある。

(1)自分が探しているものを知る
(2)アイデア・コンテストを開催する
(3)良い面

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(7)『ジグザグに考えよう』:融合する

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(7)『ジグザグに考えよう』:融合する

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 ステップの6つめは「融合する」である。ステップの5つめで扱った「考える」でたくさん引き出されてきた小さなアイデアをつなげていくやり方でした。そのために本書で示された演習は以下の3つである。

(1)強引に融合する
(2)類比(アナロジー)を利用する
(3)人々とマッシュアップする

強引に融合する

 かけはなれていて関連性があまり

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(6)『ジグザグに考えよう』:考える

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(6)『ジグザグに考えよう』:考える

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 上記の本にある創造性を高めるステップのうち、今回は「考える」のステップである。
 ここでの「考える」が示している内容は、アイデアを数多く出すことである。アイデアを数多く出すことが創造的なアイデアに出会う確率を上げるのである。したがって、この章で紹介されている以下の項目もすべて基本的にはアイデアを多く出すためのものである。

(1)概

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(5)『ジグザグに考えよう』:遊ぶ

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(5)『ジグザグに考えよう』:遊ぶ

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 上記の本にある創造性を高めるステップのうち、今回は「遊ぶ」のステップである。シリアスプレイの「プレイ」と重なる点でも重要だ。

 著書では、ステップ1の「質問する」でよい質問を生み出し「学ぶ」と「見る」でさまざまな情報を集めた後に、この「遊ぶ」がくるパターンがあるという。
 「遊ぶ」は、それらの情報をつなげたり、一つにまとめていくた

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(4)『ジグザグに考えよう』:見る

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(4)『ジグザグに考えよう』:見る

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 上記の本にある創造性を高めるステップのうち、今回は「見る」のステップである。

 この著書では「見る」は、意識や注意と非常に密接に関わっており、目から飛び込んでくる光の情報がどのようなものであるか、以上に、それらの意識の持ち方を訓練することに重点を置いている。創造性を高めるために、以下の3つのポイントが紹介されている。

(1)新鮮

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(3)『ジグザグに考えよう』:学ぶ

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(3)『ジグザグに考えよう』:学ぶ

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 上記の本にある創造性を高めるステップのうち、今回は「学ぶ」のステップである。

 ここでいう「学ぶ」は理解を深めておくことだ。理解を深めるとは、より多くの知識とそれらの間のつながりをつくっておくことである。それにより、より幅広い状況に対応することができるようになる。

 未知の状況に手持ちの経験と知識で対応することができれば、それは

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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(1)『ジグザグに考えよう』を手に取る

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(1)『ジグザグに考えよう』を手に取る

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 それを考えてみようと思ったきっかけが上記の本である。これは、創造性についての本であり、実践的なエクササイズを通じて、創造性を身につけることをうたっている本だ。

 ちなみにレゴシリアスプレイメソッドの開発者(マスター・トレーナー)であるロバート・ラスムセン氏もそのニュース・レターで、この本を紹介したこともある。

 このときの紹介文

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レゴシリアスプレイメソッドにおけるモデルの「状態」「動き」「変化」について

レゴシリアスプレイメソッドにおけるモデルの「状態」「動き」「変化」について

 レゴシリアスプレイメソッドでは、示された問いに対してモデルを作ってもらう。

 レゴブロックで作るモデルは、基本的に形を持った物体として「そこにある」ものとして目の前に表現される。

 それは「存在」もしくは「状態」としての表現である。

 この表現は、情報として頭の中に散らばっているものをあつめ、まとめるというときに非常に有益である。

 例えば、「この1ヶ月があなたにとってどのような1ヶ月で

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採用難から生じる問題へのレゴシリアスプレイメソッドのアプローチ

採用難から生じる問題へのレゴシリアスプレイメソッドのアプローチ

 ハーバード・ビジネス・レビュー日本語版の2024年9月号の特集は「人材戦略 採用難時代を勝ち残る」であった。

 特集では、いくつかの論文が掲載されているがどれも非常に興味深いものであった。

 日本ではすでに少子高齢化で人材不足が慢性的になりつつあるが、世界全体を見ても企業は基本的に採用難に直面しているという。

 企業のビジネスが大きく変化する中で、特にデジタル人材を中心に専門性の高いスキル

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組織進化論とレゴシリアスプレイメソッドとの接点(4)進化のプロセスについて

組織進化論とレゴシリアスプレイメソッドとの接点(4)進化のプロセスについて

 ハワード・オルドリッチの『組織進化論』を少しずつ読みながら、考えたことを書き下ろしていく。

 いよいよ進化論アプローチによる組織理論の中核に入っていく。

 進化論アプローチから説明される組織の進化プロセスには大きく4つの局面がある。

(1)変異(variation):組織に新しい試みや考えが持ち込まれること
(2)選択(selection):特定の試みや考えを区分し除去すること
(3)保持

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組織進化論とレゴシリアスプレイメソッドとの接点(2)組織のメンバーシップ感覚をめぐって

組織進化論とレゴシリアスプレイメソッドとの接点(2)組織のメンバーシップ感覚をめぐって

 ハワード・オルドリッチの『組織進化論』を少しずつ読みながら、考えたことを書き下ろしていく。今回の話もまだ第1章の序論部分についてである。

 前回は組織を特徴づける「目的志向性」について考えた。

 今回は序論で触れられている、組織のもう一つの側面について考えたい。

それは、組織のメンバーシップである。

 ここでいうメンバーシップというのは、組織に属する人が誰であり、誰がそうでないかを区別す

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レゴシリアスプレイメソッドを使って、メタファーを通じて組織をより深く考えることについて

レゴシリアスプレイメソッドを使って、メタファーを通じて組織をより深く考えることについて

 Gareth Morganによる組織論の古典的名著としてImagaes of Organizationという本がある。

 タイトルの通り、組織にはいろいろなイメージがつきまとう。そのイメージをもって組織の一部にスポットライトを強く当てる。そのような機能をもつイメージの使い方はメタファー(隠喩)と呼ばれる。

 この本で紹介されている主なメタファーとしては、以下のようなものがある。「組織とは〇〇

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