レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(1)『ジグザグに考えよう』を手に取る
レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。
それを考えてみようと思ったきっかけが上記の本である。これは、創造性についての本であり、実践的なエクササイズを通じて、創造性を身につけることをうたっている本だ。
ちなみにレゴシリアスプレイメソッドの開発者(マスター・トレーナー)であるロバート・ラスムセン氏もそのニュース・レターで、この本を紹介したこともある。
このときの紹介文を読み返してみて、この本を読むことで、もう少し創造性について考えることができるのではないかと考えたわけだ。
改めて、この本では副題に「創造性を高める8つのステップ」とあるように、創造性に関わる8つの行為を提示している。
質問する
学ぶ
見る
遊ぶ
考える
融合する
選択する
形にする
である。これらの8つは番号順にまっすぐ進んでいくイメージで捉えられがちであるが、決してそうとは限らないという。
ここでタイトルにもあるジグザグという動きのメタファーが重要となる。
ジグザグとは、先が見えない(真っ直ぐではないので)なかで、少しずつ刻んで洞察を得ながら進むということだ。
小さな積み重ねは小さな火花の蓄積であるという。なかなか大きくならず小さな火花の価値はわからないが、あるときそれはスパークし、大きな「ひらめき」になるということだ。
もし、著者が指摘するように、創造性の本質がジグザグであるならば、レゴシリアスプレイメソッドを使ったワークショップにおける創造性はどう見え方が変わってくるだろうか。
一つは、創造性のワークは、レゴでいきなり何かを作らせればできるというものではないということだ。どちらかというと、少しずつ小さなワークを積み上げるなかで、アハが起こる可能性を高めていくということである。
もう一つは、創造性のワークは、その場で結果が約束されるものではなく、本質的には小さな火花の蓄積をしているため、大きなひらめきがその場で生まれなくても仕方がないということである。
ただし、ワークショップを主催する側は、その場で刺激的で派手で皆が興奮するようなアイデアがどんどん生まれることを期待する。私も創造性のワークショップを仕掛けるときはそれを期待してしまう。この点について、もっと冷静に創造性の本質に迫るべきでありつつも、どこまでそのようなイメージに迫れるのかについても、この本をさらに読み進めていくことで考えていきたい。
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