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母が上京してきちゃった話

こんにちは。

本日は、10年程前のお話を書きたいと思います。
前にもちらっと書いたかもしれないのですが、私が大学を卒業するころ、母は地元から上京してきました。
理由は、その頃私の体調がとても悪く、日常生活に困っていたからです。
本来であれば私が実家に帰れば良かったのですが、なにせ田舎なので、大学を卒業して地元に戻って来たのに働いていないということを近所の人に知られるのがとても嫌だったのです。

毎日私が生きているか、生活できているか心配になった母は、地元でのパートを辞め、実家を空き家にして東京に上京してきました(父は単身赴任です)。
私は2LDKのアパートに大学生の弟と住んでいたので、その家に母が加わり、
3人での生活が始まりました。
その頃、私は体調が悪かったのと、薬の副作用などでかなり不安定な状態でしたので、食生活や身の回りの家事をしてくれる人がいたのはとても助かりました。
しかし、この母の上京が後の私を苦しめます…
この上京を機に母は自分が、私にとって必要不可欠な存在だと認識してしまいます。私が復調してからもその考えは変わりませんでした。

母が上京してきて2年程経った時、私の体調はだいぶ良くなり、就職も決まり、働き始めました。
母が帰るべき第一タイミングはこの時だったと思います。
しかし、母には地元に帰るという選択肢はありませんでした。母は元々関東出身なので、学生時代の友人がこちらにいたり、実家があったり、東京の生活をとても楽しんでいたのです。東京でもパートを始め、私と弟と一緒に住めていて、わざわざ一人暮らしになってしまう地元に帰る理由がなかったのです。
この時は、帰ってほしいと強くは思ってはいませんでした。
しかし、母がめんどくさいと思うようになったきっかけは、母の休みの日に合わせて私の休み希望のシフトを出してほしいと言われた時でした。一緒に出掛けられるように、「この曜日を休みにしてよ」とか、母の趣味に付き合わされていろいろなところに連れていかれました(主に母が追いかけているアイドル?のライブやイベントで、私は興味が全くありませんでした…)。私も休みの日には自分のやりたいことがたくさんありましたので、休みが母と重なることが苦痛になってきました…。
家でもリビングにはいつも母がいて、寝起きもしていて、私は自分の部屋があったはずなのですが、そこに籠る事は暗黙の了解でできませんでした。母は昔から子どもが部屋に籠ってしまうことは好かなかったのです。こっちに来て一緒にテレビ観ようよとかなんとか言って、私をリビングに留めるよう仕向けてきました。
家に帰ることが嫌で、わざと遅く帰ったりすることもありましたし、職場の人と食事や飲み会に行って、遅くまで帰らないようにしたこともありました。20代半ばなのに、少しでも帰りが遅くなると連絡してくるし、過保護、過干渉を発揮していました。
この辺りから、母との衝突が多くなってきました。「私はもう元気だから、地元に戻っても大丈夫」と母に伝えると、「ひどい、私はもう必要ないってこと?」とヒステリックに怒り出しました。そして、「被害者です」という表情で、泣いて私に訴えてきたのです。このような喧嘩を繰り返すことにも疲れて、うんざりの毎日でした。

就職して数年後に、私はまた体調を少し壊してしまいました…。
母は私を心配しながらも、自分の価値を確かめられて満足そうに見えました。自分が必要とされている、自分が東京に残って良かったと言わんばかりの張り切りようだったと思います。私にはそう見えていました。
かと思えば、仕事はしないのかとか、そろそろ仕事探してみたらとか、プレッシャーを与えるようなことばかり言ってきて、私の心が休まる時はありませんでした。昼間母がパートに行っている時間が私の自由な時間で、帰ってきてからの時間と母の休みの日は嫌で仕方ありませんでした。
このころには弟も家を出て、一人暮らしを始めていましたので、母の注意はますます私に向いていました。
私もこの家から出たい、母と別で暮らしたいと思っていましたが、働けていなったので、叶いませんでした。たとえ働けていたとしても、一人暮らしをしたいという希望は受け入れられなったと思いますが…

どのようにしたら母から離れられるのか、毎日考えていました。

母は空き家として残してきた地元の家のメンテナンスのために1~2カ月に1回程度、地元に帰っていました。
もちろん、私も一緒に連れていかれました。体調が悪い私を一人にしておけないという理由でした。
なぜ、強く母に行きたくないと言えなかったんでしょうか…。
喧嘩が面倒だったのかもしれません。電車のチケットも勝手に購入してきてしまいますし、「行かない」と言っても、「いいの、行くんだよ」と軽く流されるか、怒り出すかどちらかだったので、私は逆らうのをあきらめていたんだと思います。生きる気力も薄いような体調だったので、人と言い合う体力がなかったんだと思います。

こんな毎日を過ごしており、どうしたら良いかわからないまま、また数年を過ごしました。
そのうちに私は今の夫と、結婚前に同棲しようという話になりました。
これを母に話した時には大反対されましたが、私は押し切りました。もうこのタイミングしかないと思ったのです。この頃はコロナ禍で、在宅勤務の仕事も増えてきており、私は在宅で働けるくらいまでは元気になっていましたし、夫も私の体調を理解して一緒に住むことを決めてくれたので、このタイミングを逃さないようにと思いました。

このタイミングが母が地元に帰るべき第二のタイミングでした。
しかし、母は帰りませんでした。帰るどころか、私たちの家の近くにアパートを借りました。私と夫が住んでいた家は今まで私が住んでいた家だったので、母が出ていく形になったので、この地域に住み慣れていたというのもありますが、「私を近くでサポートするため」と母は言っていました。
自転車で5分ほどの距離で、最初の頃はほぼ毎日、家に来ていました。まだ母の家に洗濯機やいろいろな家具が揃っていないというのを理由に選択や食事をしに来ていました。夫もいきなり一人暮らしは寂しいのだろうと理解してくれましたが、頻度が多すぎた上に、生活に対しても口出ししてくる始末で、次第に夫の機嫌も悪くなっていくのがわかりました(当たり前ですが…)。
私は徐々に距離を取り、連絡もしないようにしたり、家に来たとしても早く帰るように促しました。
母はいろんな口実を作って、家に来ました。「この前欲しいって言ってたやつ買ったから持っていくね」とか、小さい用事を作って家に来ていました。合鍵も持っていたので、自分の家かのように空けて入ってきていました。(これは注意して、今勝手に入ってくることはありません)。
私が「用事は一度で済ませてほしい」とお願いすると、母は「そうすると、あんたの家に行く理由がなくなっちゃうから…」と言いました。小さな理由を貯めて、小出しにしていたのだなと思いました。
一人暮らしで寂しいのはわかるのですが、子どもの生活を脅かしてまで自分の都合を押し付けてくる親という存在が受け入れられませんでした…。

私が、「私たちの生活だから、自分の都合で押しかけてこないように」、「もし寂しいとか、何かあれば父に相談するべき」と話しました。本来夫婦は助け合って生きていくものだと思いますので、子どもに頼る前に、まずは自分の夫に頼るべきなのではと何度も伝えました。父にも母を気に掛けるように伝えました。母は恐らく毒親というもので、私はとても困っているということも伝えました。父からは「わかりました」と返信がありましたが、後日直接会った際には、「お前、感謝しないとダメだよ」と言われました。親のお世話になっていることを感謝しろということでした…。

誰に相談したら良いかもわからなくなり、苦しい毎日を過ごしました。母親が嫌い、邪魔、母のことで悩んでいるという悩みは、親戚には理解してもらえないだろし…、カウンセリングに行こうかと思いましたが、私だけが受けても変わらないだろうし、母を連れていくことは難しい。解決策がわかりませんでした…。

現在も地元には帰らず一人暮らしを続けています。
私が声を掛けないと家には来なくなりましたが、最近は私の妊娠をきっかけに週2回は自分の出番だと思い始めています。
孫の面倒、産後の私の面倒をみるために、1か月育休を取る(育休と言ってもシフトを入れないだけですが…)と言って張り切っています。また自分がいないとダメだという認識が生まれてしまいました…。
父が定年したら両親はまた一緒に住むことになると思いますが、それも何年先のことか…。そして拠点はどこになるのかもわからず…。長年離れて暮らしていた両親が二人で上手くやっていけるとも思わないし、また私の負担が増えないかと不安です。

とにかく、今回伝えたかったのは、子どもの自立の機会に、子どもから自立せずにしがみついてくる親、自分の寂しいという都合、「ママが可哀そうだと思わないのか」と嘆いてくる母親の存在の鬱陶しさです。

同じように現在も母の存在に脅かされている方はたくさんいらっしゃるかと思います。そのような内容の本もいくつか読みました。みなさん、縁を切られたり、距離を置いたりしていらっしゃいます。私ものちのち、引越しを考えており、さすがにそこまではついてこないと思いますので、物理的距離を取りたいと考えています!!


ちなみに、この母が上京してきてしまった話を友人やいろいろな場面で人に話すことがあるのですが(実家の話や親の話などになる際に、地元に帰っているかや、親に会っているかなど聞かれることも多いので)、みんなぽかんとして、理解されません。母が上京してくるということはかなり不思議な状況なのだなぁと思っています。

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