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千里の行も足下に始まるー産業保健の立ち上げ的な1年目を振り返ってみたー

皆さん!こんにちは!産業保健師の🦒きりん🦒です。
2022年もあと僅か…。
皆さんはどんな1年でしたか?

私は、色々スタートの1年でした。
今回は、そんな本格的に始動した”産業保健体制の立ち上げ(概ね)元年”の記録や今年の自分の活動をつらつらと書き綴ろうと思います。

n=1ですが、何かのヒント(もしかしたら自分の数年後にも…。)になれば幸いです。

もし、何もない所から産業保健体制をスタートするとしたら。
アナタはどんな風に?何から始めますか…?

さて、では今日も始まり始まり🦒…✨

1.今年1年を季節で振り返るー(総論)ー

手順書/マニュアル等一切なく、年間計画(安全/健康)という大枠がある状態から始まった今年。
ミッションも、着地点も全然分からない。
ただ、日々の業務はどんどん押し寄せてくる中で、静かに粛々をやったこと📝

①2022年2-3月 自分を知る。相手を知る。

まず、私がやったことは、
*自分の立ち位置を知る*でした。
自分の会社での立ち位置でどんな活動が出来るのか、テリトリーをある程度明確にすることで、
ミッションは何なのかが見えてくるのではないか?と思ったからです🦒
同じ資格を持っていても、働く会社や部署によって活動が異なる場合があります。
(私も前職では業務委託契約だった為、企業の専任との違いを強く感じていましたし…。)

会社での組織図を見て、協働する部署との連携を具体的に考えてみる事をしました。

→(その後)基本的に自部署だけで全てを進めていける立場にない為、事を進める中で、お互いの状況を共有し/都度話し合いをし、会社側と息を合わせながら、マニュアルを作成(改訂)して行きました。(別途各論にて記載)

上記図参考に、自部署の立ち位置はどのパターンなのかを確認、自社の組織表とにらめっこ。
上がどこにあたるのか、直属の上司以上の誰かを巻き込む時(あ、勿論事前に全て説明し了解を取るor同席して貰っています)に、誰を巻き込むことで組織のどこにアプローチ出来るのか、最終決定権はどこにあるのかを知ることで、進めて行きたい事項や急な課題が出来てた時にいち早く動けることに繋がっていると、自分自身で今年1年を通じて痛感しました。

また、私の中でどうしても”臨床モード”が抜けきらないというか、”産業保健機能って何だっけ?”と立ち返るシーンが今年1年の中でも度々あったのですが、以下の言葉が心に刻まれてから自分の立ち位置の基礎基盤に立ち戻れるようになりました。

ー産業保健組織の位置づけと構成ー
●産業保健は、組織の主目的達成のための業務を行うライン部門をサポートするスタッフ部門に位置付けれます

産業看護職のための産業保健入門 保健文化社 森晃爾 (産業医科大学)より

「病院での医療従事者はライン部門に所属」
「企業における産業保健機能はスタッフ部門」ここが医療機関との大きな違い。
ここについて。
自分の中で完全に腹落ちしたのは、恥ずかしながら今年に入ってからな気がします。

ここまでをまとめると
*自分は何者で、どんな人たちが周囲にいて、どんな仕事をお互いに進めていて、どこを協働してやって行くのか?
*自分の活動のを評価するのは誰で、最終的な決定権があるは誰なのか?
*シーンに応じて巻き込む人やキーパーソンは誰なのか?

を知る!という事かなと思います。



同時に、”産業保健師は何する人?”というのを上司や、さらにその上の人たちにお話をしました。
↑パワポ40枚に、産業保健活動の基本事項(目的)や産業保健が会社に貢献できること、産業保健職の立ち位置と会社との関係etc….
そして、”産業保健師(看護職)”立場や役割についてガツガツ書き綴り送付した上で、重要ポイントだけ搔い摘んでお伝えしました。
(今思えば面相臭い奴だな、鬼アツだなって思う所もありますが、燃え上がる気持ちを淡々と受け止めて下さった上の方々には感謝しています!いや、本当にちゃんとキャッチしてくれてありがとうございました。若気の至りなのです多分…苦笑)

”医療職”という言葉がどうしても一人歩きしてしまい、
”産業保健職”という言葉がかき消されてしまいがちな場合は、お互いに認識がズレたまま物事が走って行ってしまう事があるかもしれません。

*会社によっては、医療職=医療の提供をする人達という認識の所もあるかと思います…。
(偉そうに書いていますが、超すれ違った経験から書いているんですYO!)
ですので、そこの認識を会社側や周囲の連携する部署の皆さんと合わせて行くのがまずはじめの一歩なのだと感じた1年でした。
(詳しくは書けないのですが.…)

どんなシーンでも、前提のズレがあると、お互いに痛い!辛い!
そして、お互いが譲らないのではなくて、求められている事/応えられる事
の良い着地点を都度見極めて、話し合って着地していくことが大切だと思います。
なお、今もズレることは多々あります。
走り出す前に、何度も話し合いをしてもズレます。
これは今後ずっと向き合い続ける課題だと認識しています。
でも、ズレるという前提があることを知っておくと、その為の対策が打てるので、ヨシッ!と思って今も生きています。

ちょっとここで一息🦒🦒🦒☕…。
****上記含め私の産業保健の一歩を支えて下さっている1冊****
少し前の本なのですが、私のとっておきの1冊です!🦒!
(であり、ずっと持っていたい、何度も読みたい1冊です)


➁2022年4-7月 マニュアル作りに奔走

さて、日々の業務がどんどんやって行く中で、誰かにお願いする時にマニュアルがないって辛すぎですよね。
1人職場だったとしても、2-3か月ましてや1年に1回しか行わない作業なんて忘却の彼方!
新しい仲間を迎えるにあたり、マニュアルを作りました。
(なお、マニュアルと手順書の違いを知ったのが超最近なのですが、違うんですよ!詳しくはGoogle先生に聞いて下さい🦒)

日々の業務に忙殺されていたので、本当に必要最低限でしたが。
*一般健康診断
*長時間労働者に関する対応(主に産業医面談)
*ストレスチェック
*休復職の流れ

について、自社の動き、関連部署/産業医/保健師の連携の仕方や流れについて、書きました。
書いている中で、法律や判例に触れたり、そもそもそれって何だっけ?なんて超基本が分かってなかった事が沢山判明し、ひたすら調べながら作る日々でした。
(各論でマニュアル整備の時の流れを細かく、参考文献も交えて書きますね)

マニュアルを整備する中で、自分が”分かったつもり”になっていることがあまりにも多い事に悲しい気持ちと伸びしろがある事に気が付いた初夏でした。

③2022年8月-11月 健康診断事後措置その①とストレスチェックに奮闘

マニュアルが段々出来上がったなー。
と一息つく暇もなく、春の健康診断その①分の就業判定や二次健診受診勧奨とその結果の回収をしながら、事後措置の保健師面談…。
+急に舞い込んできた仕事の山に囲まれながら、気が付けば、ストレスチェック!

ストレスチェックの結果や産業医面談の準備をする中で、集団分析の諸々をまとめる日々。
自部署だけでなく、大きく会社を巻き込めるチャンス!!
というのもあり、どんな風に巻き込んで興味を持って一緒に職場改善が出来るのかを考えてみました。

また、ストレスチェックを含む色んな企画各々で保健師面談の機会(お誘い)を都度入れて行ったのも、良かったなと思います。
*会社情報になるので詳細は書けませんが、何かを発信する際にはほぼ必ず「保健師と話してみませんか?」的なお誘いをしました。
今年1年で沢山の希望をいただき、面談をしました。
そこで、見えて来た組織としての課題も沢山ありました。

個人、面談を通じて下の図”一番身近なサポーター”としての「保健師の役割」ってまさにコレかも!
とテンションの上がる機会も多々ありました。

「これからの産業保健における保健師/大神 あゆみ」労働の科学 71巻11号

規模が大きいが故に、従業員さん1人1人とじっくり話すことは難しく、氷山の一角しか見えてない部分もあると思うのですが…。
組織図と従業員さん達を照らし合わせながらストレスチェックの結果や面談の記録を見比べたりすることで見えてくることが沢山あったなと。
ここ(自部署)にある、貴重なデータはいつの日か、組織をもっと健康にするために使える宝の山だなと最近思う機会に満たされています。

仮説や課題を持って、このデータを扱えるようになりたい!!!
という野望が沸き上がった冬の始まりでした。

④2022年12月今年度の活動の振り返り/次年度の計画と日々の業務に奮闘


いやー。今年、本当に毎日奮闘してて、何してたんだっけ?
え?来年度の計画の為に今年度を振り返って欲しい?
12月に入り、振り返りをまとめて会議で発表していく機会が増えました。
毎日の業務に忙殺されていて、全然評価が出来ていなかった事に気が付き、
達成度の評価に手を付け始めた昨今。
まとめている中で、
「あ、私、今年頑張ったかも…。」と思い本気で泣きました((笑))
季節ごとに書いたもの以外にも、年代別健康教育やライン研修/長の集まる会での発信や安全衛生委員会での発信などなど…。

本当に何もなくなった中でも積み重ねたことをきちんと自分なりに(会社としてではなく保健師個人として)まとめたい!
と思い、会社への報告と並行してこのnoteを書いています。
(主に帰りの電車の中でね)

この後の各論では、それぞれの企画でぶち当たった壁をどんな風にすり抜けたのか、飛び越えたのか、簡単ですが綴ります。
立ち上げ含め、皆様の日々の産業保健活動の何かのヒントになる事、落ち込んだ時の自分の支えになる事を期待して🦒✨

前置き長くなりましたが、各論では実務の実際や参考文献等(🦒の図書館という名前にしました)紹介していきますよー!!🦒!

2.各論① 法令遵守ってなんなんだ?

私の上司の更に上司からの年間を通じてのミッションが
「産業保健活動に関わる法令遵守をしっかりして欲しい」
でした。

え?法律を守るって当たり前じゃん!

って思う人もいるかもしれませんが、とってもとってもとっても難しいと私は感じています。

さて、じゃあ、私の会社は(主に自部署ですが…)法律を守れているのか?
どうやって調べるのぉぉ??
という所から今年はスタートしました。

基礎の基礎の基礎だからこそ、
厳しく「法令遵守」が出来ている/出来ていないを見極めて、
出来ていないなら何がそれを邪魔するのか?
どんな仕組みがあれば守れるのか。
その仕組み作りは、組織上誰がやるのが妥当なのか?関連部署はどこか?
誰に頼めば、話が進んで行くのか?
どうやって仕組みを従業員に周知するのか?

上記について、思いを巡らし、可能な限り出来ていない所やもう一歩!な所を修正していきました。
(勿論、1年でどうにかなる話ではないですし、自部署だけでは物事を進めて行けない事が殆どなので、来年への宿題は沢山あります)

(1)法律について知る

手始めに、産業保健に関わる法律ってどんなものがあるのか?
それを調べるのに、「産業保健マニュアル/ 森晃爾 ほか
を活用しました。
机のどこかに置いて置いて、法律や守るためのポイントについて調べたい!という時にサッと確認するにはお勧めの1冊です。

また、全体像が良く分からない!という時に私が頼りにしたのが
健康経営アドバイザー/エキスパートアドバイザーを取得した時に使用したこちらのテキスト!
(東京商工会議所/健康経営エキスパートアドバイザー研修より)

一般向けの本の為、産業保健に関する主な法律について簡単にまとめられているページがあり、全体像を把握するのに役に立ちました。

その他、個人的に読みやすく、持ち運びやすい!通勤電車で読むのに適している!
「改訂版 わかりやすい労働衛生管理/角森 洋子 (著)」
各法律について難しい言葉抜きで分かりやすくまとまっており、かつ関係する根拠条文や通達番号(大元)まで記載があるので、根拠迷子にならなくて済む!というのが好きです。

また、労働衛生安全衛生法に関しては、以下の本も好きです。
「改訂8版 図解よくわかる労働安全衛生法/木村嘉勝 (著)」
図解!との記載があるように、図式化されているので、
法律という小難しいものが視覚を通じて学べます。
(私は視覚優位で文字が苦手なので、大判ですが結構持ち歩いています!)

****おまけ****
法律って自分で勉強するのが、難しい…。
というそこのアナタ!ここの私!
そういう時はーーーーー
我らの「さんぽセンター🦒✨」!!!
👇私も、東京のさんぽセンターで講座を受けました!(資料の表紙です…)

是非、ご自身の管轄のさんぽセンターの研修や講座を利用してみて下さい!
無料の講座で、収穫が沢山!お土産沢山!です!!!!
*全国のさんぽセンター(労働者健康安全機構HPより)
もちろん、法律だけでなく様々な研修があるので!要チェック!

(2)自分の職場のチェック

まずは、上記の本達で自部署での活動に関わりのありそうな法律をピックアップして、Excelの表で大項目/中項目/小項目に落とし込み、
「義務」「努力義務」管轄の部署をまとめました。
そして、今出来ている事を〇、もう一歩を△、課題(出来ているのかグレー)を×、法律以上の事が出来ているを◎で評価してみました。

Excel作りは結構気合のいる作業なので、会社でそのようなリストを誰かが作っている場合は貰っちゃうもヨシッ!

あとは、インターネットでも簡単なモノであればGETできます。

*労働基準法・労働安全衛生法順守チェックリスト
http://officeokabe.jp/doc/checklist1.pdf

*法令遵守状況確認実施要領
http://ohtc.med.uoeh-u.ac.jp/test3/OSHMS_Manuals/Manual_321.pdf

*労働安全衛生法に基づく 健康診断の法令遵守チェックリスト
https://jsite.mhlw.go.jp/shiga-roudoukyoku/var/rev0/0124/7568/2016627175614.pdf

上記を参考に、ご自身で付け加えたり、必要な所を取ってくるのもありかなと思います。
(ネット上で拾えるもっと良いモノがあれば、是非教えて下さい~🦒!)

もちろん、法律についても知識が必要なのですが、
それと並行して”自社の規則/規程”もメッチャ大切です。
就業規則という言葉は皆さんご存知かと思いますが、それいがいにも会社には沢山のルールがあります。
自部署の活動と関係のある規則や規定は活動の都度読み込んでおくとヨシッ!
ない場合もあったり、更新されてない場合もあるので、その場合は関係部署にその必要性を伝えつつ、暫定的に許可を貰うなど(ちゃんと書面に残してね!)の対応を細かくやっておく必要があるとも痛感しました。

産業保健で大事な事!
『書面で証拠を残す!』はここでも生きてきますね…。

規則や規程は会社が作るものですが、参考のネタの提供は出来ることもあると思います!
特に私が今年しっかり整えたいと思ったのが『個人情報保護に関する件』
他にも気になる部分はありますが、毎日扱っているデータをどのように守っていくのか会社としてどんなルールがあるのかはとっても大切だと思います。
臨床では、毎日にように医療者間で生データが飛び交っていましたが、ここは会社。
究極の個人情報をどのように自分は守っていくのか、都度悩みまくる日々でした。
そんな時は、👇👇👇


事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き
上記のサイトで、そもそも個人情報を取り扱う場合の注意点って何だっけ?も調べてみたりもしました。
是非、自社の規程をジュックドックしてみらてれてはいかがでしょうか?

3.各論➁一般健康診断との格闘

もはや、私の仕事の9割(は言い過ぎか?)が”健康診断”と言っても過言ではない!
というくらい、今年は遵法チェック!に気合を入れて来た🦒
皆さんもそうかもしれませんが、健康診断がかなりのウエイトをしめるのではないでしょうか?
今年、公開可能な範囲でやったことを順番に書いていきますよー!

(1)健康診断なんで受けなきゃいけないの?

そもそも健康診断って何?流れは?という人もいるのではないでしょうか?
私も一番最初は、”会社の健康診断”の意味、法律で決まり事があるなんて産業保健師になるまで知りませんでした。
(あ、国家試験でやったかもしれませんが忘れていました…)
保健師の私がこのレベルなので、従業員さんも知らない人がいるかもしれない!
その人が健康診断を受ければならないって知らなかったら?
始まりもしないぞ!
という所から、安全衛生委員会や社内イントラでその意味を発信しました。

発信をした際に、参考にしたのがこのドクタートラストさんの資料!
健康診断事後措置について【衛生委員会資料】を結構使いました。
*簡潔でとっても分かりやすいな…と個人的には思っています。

コチラは事後措置の流れですが、
そもそも健康診断何故受ける?『安全配慮義務/自己保健義務』って何?
細かい事は覚えなくてもヨシだけど、法律で決まった項目を受けないといけないんだ!
働く為の体調管理は、仕事の一環!
というのを必要最低限の文字数とスライドで発信しまくりました!
どこかに呼ばれて喋る時は、何かと健康診断について合言葉のように呪文のように喋りまくりました。

1度ではなく、これからもずっと継続して発信することで、徐々に従業員さんの頭の片隅に、🦒が何か言ってたわ!
と残るよう刷り込み刷り込み…。
(あ、最近は中途入社の方へも入社時教育で発信しています!)

健康診断を受ける理由(安全配慮義務/自己保健義務)、がいつか浸透して従業員さんのヘルスリテラシー向上の1つになるように来年も種を蒔き続けるぞ!

*健康診断とラインへの応用の1歩*
また、上長教育でも部下の皆さんの体調管理(安全配慮義務)についてお話させて頂く機会を頂いたり、更にその上の皆さんに対してもラインで健康管理することとポイントについてお話する時間を頂きました!
自部署だけでは到底やりきれない部分をラインの皆さんと協働していくことについて、踏み出せた1歩でした。
※発信の後、色んなご指摘や質問を頂き、回答を産業医の先生と共に作成したのも勉強になりました。(発信の時は緊張して「人」という文字をにみこみまくり(笑))
「場の空気を信じて」という言葉もTwitterで頂き、乗り越えた初めての大舞台でした。

(2)健診事後措置ってどうするの?

大きな流れは、上記でOK!っと…。

ん?異常所見?受診勧奨?ほへん?
異常所見ってライン引きをどこでするの?
どこから面談する?受診勧奨する?
受診勧奨した結果って回収の義務がある?
回収した所で、どう着地するんだ?

そんな疑問を持った、あなた!私!
具体的な線引きなんてどこにもないじゃないか!
と思いますよね…。
そこで、まずは

①各項目のパニック値の基準を決める
※下記参考URLの3つ目使用
➁受診勧奨の基準を決める
人間ドック学会基準(リンク先:2022年度判定区分 ドック学会)とか参考になります。去年は、人間ドック学会で線引きを。
今年から、全社統一基準に則り事後措置をしています。
③産業医面談/保健師面談の基準を決める
という大枠を考え、それぞれについて基準となるラインや個別の通知の方法、調査アンケートを作りました。

その際参考にした者たち!
*健診事後措置、就業上の措置に関する医師の意見、就業判定について
*医師のための就業判定支援NAVI
*健康診断の有所見者に対して、健康管理を行う事を目的とした、 産業医による就業上の意見に関する実態調査、およびコンセンサス調査
*健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針
↑これは、事後措置って何だっけ?と大元に振り返った時に読みました。

あとは、皆さんご存知、ガチ産業医さん🐯のnoteも、何度も読み返し、ピットフォールになるべく入り込まないようにしていました。

****🦒の図書館 健康診断編****

先程のガチ産業医さんの落とし穴 書籍もあるYO🐯
ガチ産業医presents 産業医のピットフォール(五十嵐 侑 著)

産業医研修会の公開~健康診断の事後措置(就業判定を中心に)
YouTubeもあるよ!

その他、健康診断関連で手元に置いて置きたい本!
①イラストでまるわかり!健康診断・保健指導パーフェクトBOOK: 検査所見一覧&そのまま使える面談用シートつき (産業保健と看護2019年春季増刊)
健康診断の進め方や関連法規、細かいデータの見方や事後措置の保健師面談にまつわるヒントが書かれています。
これ一冊で、おおむね産業保健に関わる健康診断の基礎が見えてきます!

➁事例で学ぶ一般健診・特殊健診マニュアル 改訂第3版
少し前の本なので、法改正されている物もあると思いますが、事例がリアル(当たり前か!)
医師向けかと思う部分が多いのですが、面談時に確認しておきたい事項、受診の際の受診科や関連法規、私の超苦手な特殊健康診断に関しても細かく記載があるので、今後活躍間違いなし!


(3)やらなきゃいかん!で枠組みは作ったけれDO…🦒 

さて、目の前の事に捕らわれがちな私。
何とか枠組みを決めてフローを作って運用を開始したのですが、着地点が決まっていなかった為、上手く今年の結果をまとめられなかったのです。
(ガーン…。まとめの段階で、情報が点在してしまい、上手く仕上がりませんでした)

基本の”き”である。
PDCAの”C”が十分練り切らないまま進めてしまったって事だな…と猛反省。


例えば、受診勧奨後の報告をどのようにまとめていくか?
そもそも、受診勧奨して受診してもらった結果その先に何をするのか、どこで追いかけ(フォロー)を終了して着地させるのか?
会社側の求める所の明確化が出来ていなかった&まとめる仕組みが出来ていなかったな…。
と反省…。
(あ、二次健受診率もどうやったら算出出来るのかの仕組みも(泣))

来年以降は、そこの受け皿やどこで着地するのかを明確にしていく事。
結果の回収が出来ない場合の対処についても要検討。
その他、自社事情で書けない反省点が山ほど出てきましたが、
枠組みや線引きを作れたので今年はヨシッ!とする!
また、特殊健康診断にまつわるエトセトラにはほんの少ししか手を付けられず、一緒に働き始めてくれた先輩に放り投げた🦒。
来年は、自分でもしっかり整備に携われるように頑張るのだ。

***☕🦒健診のおまけ🦒☕***

今の会社は健診結果を電子データで保管運用しています。
(ま、要するにシステム使っています)
その前の業務委託の際は、紙データ&健診機関バラバラという事も結構ありました。
その際の事後措置、受診勧奨では

①まず対象者をExcel(行)に入れる。
➁法廷項目を(列)に入れる。
③人間ドック学会でD2以上に有所見フラグを立てる(「1」とか)
*基準は産業医と相談して決めています。また、産業医が結果を確認して、受診が必要と認めた場合は、付箋を貼ってフラグを立てる作業もしています。
④それぞれの項目での有所見者一覧(フィルター掛ける)を出して、
ワードに作っておいた受診勧奨文章に名前と所見(受診科)を差し込み印刷する。
⑤封筒に入れて人事/総務的な部署から配って貰う。
⑥Excelに人数を足し算して貰って、労基署(電子)へ提出する。

という流れでやっていた所もありました。
今はシステムの恩恵を受けていますが、人力で出来ることもそこそこあると知っておくと、何かのいつかの役に立つかも。
(って思って忘れないうちに書いています📝)

4.各論③そもそも長時間労働者面談って何だっけ?

過重労働とか長時間勤務とか色んな呼び方がありますね。
最近は”働き方改革”で随分過重労働が減っている企業もあるようです。
それでも、産業保健として(主に産業医の面談が法律上位置付けられている)やって行かねばならぬ事もあるので、ここも今年は力を入れて仕組み作りをしました。

(1)連携部署との認識合わせヨシッ!

まず、そもそも根拠法令は何で、何故その法律が出来て、主体はどこで、産業医面談の目的は何で、?
という所から整理/見える化をしました。
その際使った資料👇
『過重労働による 健康障害を防ぐために 過重労働による 健康障害を防ぐために』

事業者と産業保健スタッフの立ち位置、やり取りの仕方、主体はどこの部署なのかを関連部署と一緒に整理しました。
(お互いに仕事を投げ合うのではなく、認識を合わせるために、担当者だけでなく、自部署/関連部署の長も呼んで頂き、話し合いを重ねてマニュアル化まで着地!)
その中で、お互いの業務量を加味して、一部の事務処理は私たちの部署で担うなど、お互いに気持ちよく働けるような仕組みを作っていく所まで出来たのでヨシ!

(2)次年度への展望”上流へのアプローチ”

また、産業医面談の仕組み作りや、保健師の面談を取り入れる等、+αの仕組みを根付かせて行く一歩を踏み出せた気がします。
(これも、ライン研修に取り入れ、上司の皆様もガッツリ巻き込むための種蒔きを仕込みました。)

今後は、流れの下流での対応に注力していくのではなく、
”上流でいかに流れる人をキャッチ出来るか?”
”そもそも、過重労働にならない為にどうたら良いのか?”
上記について、大きな課題になりそうです。
産業保健、数年にしてもならず🦒…
恐らく、来年1年ではそんなに大きく変化を起こすことは出来ないと思っています。
(勿論、やれることはやります!)

他部署との連携やトップのメッセージ/動きがないと、
この問題は簡単に解決できないな…。と身をもって感じています。
ただ、一筋縄ではいかない所、色んな部署と連携して巻き込みあいながら物事を進めて行くところ、
”楽しみでしかない!!!!🦒”
というのが今の私の気持ちです。

***🦒の図書館 過重労働健診編***

私は臨床からやって来たので、基礎が全くない。
何で80H以上なん?というか、三六協定ってなんぞや?
という所から1年目は調べてきました。(2-3年前の私)
そこで役に立ったのがコチラ👇
『[働き方改革対応]過重労働/長時間労働対策・面接指導のQ&A (How to 産業保健9) 』
そもそも過重労働って何?という所から、関連する法律や健康被害、対策までがギュッとQ&A方式で詰まっています!
基本を忘れてしまった時に、パラり🦒と立ち戻るにもヨシッな一冊です!

5.各論④休復職者への対応って…?

ここも、今年は本当に悩みに悩みに悩んだ所!
COEDOHの質問箱にも初めて質問しちゃうくらい悩みました。
(ハードルが高かったけど、暖かいお返事に感無量でした!学び多き、質問箱、デビュー!🦒!)

(1)そもそも復職支援って型がないのか!?

休職/復職支援は会社によって大きく異なるのか!!!
という事を実感したのは実は昨年の事。
前職では、休職中も定期的に産業医面談を行い、都度主治医の先生と連携を図っていた。
それが当たり前だと思っていたし、復職が近いなーというタイミングが掴みやすい事や、主治医の先生へ会社としての復職基準を共有しやすいというメリットがあった。

ただ、それがスタンダードではなく、会社によっては休職中は休職者と接触しないという方針の企業もある。(ってお外に出て気が付いちゃった)
また、常勤の産業医がいる企業と嘱託(月に1回程度)の産業医の企業では、保健師や人事担当者の立ち回りが異なる事も分かった。

その上で、自社ではどうしていくのが良いのか?
関係する部署と再度見直しを検討。
お互いの立ち位置や、連携の方法を話あった。

やるべきことは沢山あって、とりあえず流れだけ(枠組と人事関連の部署との連携方法)決めてマニュアルに落とし込んだんだけど、まだまだ…。
今後は上司の方々との効果的な連携に向けたライン研修への展開かな…と個人的に!
巻き込む、どんどん巻き込む!

さて、話がそれちゃったので、、、、元に戻していくと…。
自分でも、自分の立ち位置が訳分からなくなっちゃって大混乱してしまう時期もあり、めっちゃ悩んだ。
本も読み漁ったし、他企業の保健師さんに話を聴きに行ったり、色々やったこの1年でした。

****🦒の図書館メンタルヘルス編***

復職支援を考えるにあたって読んだ本達
①メンタルヘルスと職場復帰支援ガイドブック
基本的な職場復帰支援の考え方や事例(事業場規模別!)があり、初めて枠組みを作りにあたっての基礎的な知識を身につけるにはお勧め!

➁増補改訂版 メンタルヘルス どう進める? 職場復帰支援の実務 (How to 産業保健3)
私の大好きな「How to 産業保健シリーズ」!
①は少し前の本なので、最新の動向が書かれているという事が、この本の中でも魅力的!勿論、基本的な考えや「職場再適応チェックリスト」等もあり、実践に向けてとても参考になる1冊

③治療と仕事の「両立支援」 メンタルヘルス不調編 復職可判断のアセスメント・ツールと活用事例20
事例が豊富!というのに加えて「事例からの学び」という振り返り部分がついているのがポイント!私も自分が担当したケースを必ず振り返るんだけど、振り返りの際のヒントが詰まっているので、とっても学びになります!

④健康管理は社員自身にやらせなさい―労務管理によるメンタルヘルス対策の極意
言わずもがな🦒超重鎮のこの1冊。
高尾メソッドです。なかなかキッパリここを企業内で押していくというのは難しいかもしれませんが、産業保健の基本的な考え方について、学び多き1冊です。

⑤ケーススタディ 面接シナリオによるメンタルヘルス対応の実務
高尾メソッドの台本!
もし、産業医/保健師が常駐しない企業の人事担当者さんには良いのかな…とか、具体的なシーンをイメージできるので、高尾メソッドを実践してみよう!という人には良いかもしれない1冊!

⑥ケースでわかる 実践型 職場のメンタルヘルス対応マニュアル
休復職に対する対応は勿論、それ以外にも様々なメンタル対応について、事例等と用いて書かれている1冊。
どの本も何度も読んでますが、読み返すごとに深まる系BOOK(🦒調べ)BEST3にはいるのではないでしょうか?
まだまだメンタルヘルスを十分時間をかけられていないので、今後も様々なシーン(メンタルヘルス施策)でお世話になりそう!🦒✨

⑦職場のメンタルヘルス 予防・対応・支援のすべて: 産業保健スタッフ必携 (産業保健と看護2021年春季増刊)
ここまで紹介した本は割と医師向けな色合いが強めなきがしましたが、産業看護職としての目線で書かれている本として、私はこの1冊も好きです。

その他にも、休復職メインではないですが、下記の本を参考に色々自分の中で考えを巡らせた本達です👇👇(リンク貼ってますので飛んでみてね)
⑧職場のメンタルヘルス不調:困難事例への対応力がぐんぐん上がるSOAP記録術 東京大学職場のメンタルヘルス研究会 著
⑨ここが知りたい職場のメンタルヘルスケア: 精神医学の知識&精神医療との連携法 日本産業精神保健学会 (編集)
⑩要説産業精神保健 職場におけるメンタルヘルス対策の手引き 現場で実践的に活用できる/ 廣尚典 著

(2)とりあえず、着地した自分の役割

最終的に今年自分がやったのは、「繋ぎ役」と「枠組み作り」だったかなと…思う。
「繋ぎ役」では、復職の面談をする産業医がどんな情報があったら面談の際に善き判断材料になるか?
を必死に考えたり、産業医の先生それぞれに聞いてみたり、情報を集めて繋いでいく。
上司とも連携をとって、現場の声も拾ってくる。
その他、色んな情報を集めて、面談をセット。
必要書類やフローをマニュアルに落とし込み、誰がやっても粗方面談がスムーズに進むための仕組みを作りました。
今後また運用していく中で都度修正を加えて行こうと思います🦒

🦒の図書館の本で一番冊数が多かったのもこのメンタル関連。
悩みまくったし、今も一番悩みが多いのがココかもしれません。
経験を重ねることで、自分の立ち回りや役割が見えてくる。
面談のスキルも上がってくる。

圧倒的場数不足を痛感しました。
でも、それもそれで大切なんだと思います。
産業保健、数年にしてもならず🦒!
細かくは書けませんが、今年は本当に初めての経験を沢山して、圧倒的に経験が不足していて涙がチョチョ切れる瞬間も山ほどあったなと思いました。

(3)基本の”き”へ立ち戻るという事

さて少しこの章もまとめへ…。
例え今決まった形で運用がなされていても、何か違和感や疑問を持った時、
基本となる動きへ立ち戻る。
というのはこれからもずっと大切にしておきたいなと思うのです。

どの活動にも言える事なんですけどね。

私が一番忘れてしまっていたというか、分かったツモリになっていたのが、意外と休復職者対だったのかもと思いました。
そうそう、だからこそ?🦒の図書館に行く前に、以下のサイトで休職/復職支援の基本的な考え方にどっぷり向き合い基本的な考えのベースを作ったのはやはり「厚生労働省関連のサイト」でした。
今後の自分の振り返り用にも💛
👇👇👇
『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』(厚生労働省)
→もはや復職支援の初めの一歩と言っても過言ではない。全てが集約されたもの!
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(こころの耳)』(厚生労働省)
→他社事例があるので、自分と似通った企業のモデルを参考にしてみるもヨシ!
『職場復帰支援にかかるモデルプログラム』(労働者健康安全機構HPより)
→休業のしおり等の例があるので、人事系の方には参考になりそう!もちろん私達にも!

6.今年のまとめ(総括)

今年、頑張ったな。
諸事情あって、職場に保健師独りぼっち(ほぼ一人職場)になってしまう瞬間もあったけど、ここまで踏ん張れたのは、社内外の沢山の皆さんのお陰でした。
本当に人に恵まれて生かされた日々🦒


ここに書いた事以外にもストレスチェック/衛生委員会/職場巡視など、色んな活動に従事してきましたが、今回はここでおしまい!
今途中になっている新しい施策や動きは芽が出てくるのは来年以降だと思っています。

そうそう、思い起こせば「救急車を呼ぶ🦒」なんて言われた事も(苦笑)
緊急対応についても、考えさせられる1年でした。
(まぁ要するに”引きが強い”んです。私。)
でも、緊急連絡のフローや、救急車が来るまでの対応の反省点や物品の整理。
その後の報告ルートや復職した際の対応など経験する事で分かった事も沢山…。
医療機関でない場所で出来る最低限の事
(出来る限り諸々を繋ぐ/羞恥心への配慮や可能な限り安楽な状態を保つとか)について体験すると共に、自分なりの課題が沢山出てきました。
そんなにある事ではないけれど…備えあればナンチャラ。
例え、自分がいなくても回る仕組みを作りたい等、そういった課題もあったな。

ただ、どんな時も自分なりに大切にしていたのは、
*人との繋がり
*自分の活動の振り返る
*根拠と目的を持て!

だったと思います。

*職場でも職場外でも人との繋がりが広がって、
”●●の🦒さん”と何かとお声を掛けて頂くシーンが増えたり…。
*自分の活動を客観的に振り返り、悔しい気持ちもあったけど、頑張った自分を前よりも肯定的に受け入れることが出来るようになったり。
(自分にも、人にも寛容になれた気がします。ちょっと丸くなったのさ)
*そして、何か行動を起こすとき、自分で判断する時、何を軸に自分は今の行動(発言)をしたのか?考えて行動するようになってから、自信を持って動きが取れるようになってきました。
また、違和感にも気が付きやすくなったかな。
勿論、持ち帰る事も沢山!立ち止まる大切さを痛感する経験も沢山積みました。
今後、この3つはずっと自分を支える大切なモノになりそうです。


あ。あと、どうしても、📝しておきたい一言

『働けない理由が”疾病”にあるなら、私たちの出番!』
これは、夏から一緒に働いているレジェンドから頂いた一言です。
この一言、本当に感動したので。
今年の🦒産業保健の一言アワード大賞にしたいと思います。

7.最後に

ここまで真面目に読んじゃった人はいるのでしょうか?((笑))
いつも長くて…すみません…。
取り留めもなく、あふれ出て来る🦒の気持ちへお付き合い頂き、ありがとうございました🙌
(想定以上に長くなったので、そのうち●●編毎に切り離そうかな)

ここに書いたことは、どこかの3年目産業保健師のほんの1例です。
*今年に入ってから、職場環境が大きく変化し、職場での立場や個人として求められる事、それに合わせて裁量の幅を大きく広げて頂けたというラッキーもありました。

ですので、身を置いている環境によって出来る事、難しい事沢山あると思います。
でも、布石を打っておくこと、学びを止めない事でいつか身を結ぶ可能性もある!
という気持ちを振り返る中で再度強く感じました。
ですので、ゆっくりでも、立ち止まっても、歩み続けてはいかがでしょうか。
(自分にも言い聞かせてる)

今年は、プライベートでも子🦒①小学生になるという環境の変化があり、正直全然勉強する時間も心の余裕もありませんでした。

どんどん学びを進めている友人達の姿を見て、焦ったし自分の置かれた環境が辛いな…羨ましいな…というネガティブな気持ちが沸き上がる日々だったとも思います。

でも、実際にどんな事をやったかな…?
と振り返った時に、出来なかった事も沢山あったけど。
”出来たこと”も沢山あった🦒と思いました。
皆さんも、きっとこの1年、自分で頑張ったことがあったと思います。

自分をヨシッ!と出来るのは自分!
自分を盛大にヨシッヨシッ!として頂けますと幸いです。

では、また来年もよろしくお願いします🦒!

今度こそ、もう少しnote更新頑張るぞ✊✨
良い2023年をお迎えくださいませ。
(年内に完成してホッとした🦒でした。ふふふ)





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