障害者手帳で観覧車に乗る。〜改めまして、双極性障害になりました(5)〜
理由あって一人で観覧車に乗る。
観覧車の構造が好きで。
一般券を買ってしまった後で障害者割引があるのを知り、どうしようかなと一瞬躊躇。
けど思い切って事務所へ行って事情を話したら快く払い戻ししてくれて割引してもらった。
半額以下であった。有り難い。
こういう作業を簡単にできるようになったな、と思う。
観覧車なんて子どもの頃は怖い乗り物ではなかったけど今乗ってみたら結構怖い。
足がすくむ。
何でこんなに高い乗り物怖くなかったんだろう。
何で今はこんなに怖くなったんだろう。
落ちたら痛いどころか死ぬってことがわかったから、というのとはちょっと違う気がした。
「壊れることもある」ということを知ってしまったからだ。
子どもの頃は観覧車にも、ジェットコースターにも、自分が乗る乗り物に絶対な安心感を持っていて「壊れる」なんて夢にも思わない。
頂点へ上れば上るほどゴンドラは強風に煽られて揺れた。
揺れるたびにもし壊れたらどうしよう、と考えている私がいた。
頂点に達する前に、私の前に乗っている小学校高学年ぐらいの女の子二人組がちらりと見える。
立ち上がってはしゃいでいる。
寸分違わぬお揃いのコーデ。
同じミニスカートから覗く若くて美しい4本の脚。
乗る前にも撮っていたけど乗ってからもたくさん自撮りしている。
頂点に達した時、ふと私も立ち上がってみた。
おや、大丈夫だ。全然怖くない。
絶景かな絶景かな。
降りていく過程は不思議と全く怖くなかった。
帰り道にスタバに寄った。
暑さからの避難のため、そしてかなり年下の友人Yからもらったギフトカードを使うため。
私の誕生日は4月だけどギフトカードは6月にもらった。
4月は閉鎖的な空気真っ只中だったので、緊急事態宣言が解除され、お店が再開した頃合いをわざわざ見計らって贈ってくれたのだ。
若いのになんて気遣い!!
見習わなくては。
いつもの自分では絶対買わないようなフラペチーノにホイップを乗せたのにしてみた。めちゃくちゃ美味しい。コンクリートに灼かれて火照った体に沁み入る。
若い友人Yの優しさの味。有り難い。
クソ暑い帰り道を帰るエネルギーを存分にもらった。
幼いということ。
若いということ。
大人になるということ。
そして一周するということ。
今日一日で私ってまだまだだなあ、と思う。
それはまだまだ足りない、というのと、
まだまだ先がある、というのと。
障害者手帳は今月末で期限切れで、更新の申請中だ。
でも承認されて届くまでに3ヶ月はかかるらしい。
だから3ヶ月前から更新できるのね。
手帳が届くまでのほんの少しの間私は「一般」に戻る。
少し、嬉しい。
出費が増えるだけの筈なのに。
障害者であることを受け入れた筈なのに。
戻れることなんてないのを知っているのに。
悟った振りをしてもまだまだ、肩書きに拘っている。
観覧車は一周する。
また同じ景色をぐるぐるぐるぐる。
とりあえず、割引が利く間にたくさん観たい展覧会を観ようっと。
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