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改めまして、双極性障害になりました(2)〜生活リズムを整えるために【日光浴編】〜

転院してうつ病から双極性障害と診断され、長かったうつ期が嘘のように軽くなっていく。そんな私と反比例してまさか世界がこんなに重くなってしまうとは。

夏までを目安に復職の計画を立てていた私はしばらくの間は絶望してしまった。
「ただでさえブランク三年以上あって障害者になってめちゃくちゃ仕事できひんのに、普通の人かて仕事失ってしまう時代になったらもう終わりや! この世の中競争社会やで!! わいがありつけるおまんまなんて残らへんわ!!」
眠っていた私の似非関西人(ひどい)が目覚めるほどには途方に暮れていた。

しかし星野の源氏(尊敬しすぎて普通にさん付けで呼ぶのが恥ずかしい)が「#うちで踊ろう」と壮大な遊びを始め、自宅にいる人々のためにyoutubeのオフィシャルチャンネルでは毎日無料でライブ映像が公開される。その選曲が『family song』に引き続き『friend ship』だった時、そのメッセージの眩しさに私の絶望が根絶した。

「ただ幸せが一日でも多くそばにありますように
 遠い場所も繋がっているよ」
(『family song』より)

「いつの日か会えるかな
 雲の先を気にしながら」
(『friend ship』より)

え、なに、すごくね?
全歌詞今の状況に合わせて作られたみたいになってね?
と感動して泣きました。そして踊りました。

星野氏は音楽家として自分に何ができるか熟考して、苦しい状況を逆手に取った遊びを生み出し、私のような下々の者にも光を当ててくださる。

「考えるのをやめないで工夫すればいろんな形でどこにだって行けるし誰にだって会えるし何にだってなれるよ」と教えてくれているのだなあ、と勝手に思いました。
確かにこれを機に従来の通勤スタイルは見直されるだろうし、そもそも通勤電車が苦手な私にとっては在宅勤務がより一般化されることは絶望することでもないのかもしれない。
だからと言って希望、と言えるほど無神経にはなれないけど。犠牲になった命がはかり知れなさ過ぎる。
ただ、私の立場の適切な悲観でこの事態に臨むこと。

双極性障害家で無職の私ができることとはなんぞと日々考えている。
まずは大前提で、これ以上感染を拡げないための注意。

みんなが外出できない、人と会えないストレスに悲鳴をあげている中、そこに関しては私はノーダメージ。
だいたいほぼ引きこもり、一日誰とも会話しないの当たり前。外出は徒歩か自転車圏内で最低限の買い物か通院。公共交通機関はできる限り乗りたくないからよっぽど見たい展覧会でもない限り乗らない。今は美術館も開いてないので行くとこないから当然都会にも出ない。雨の日は大概具合が悪いので布団からも出ない……
つまり冷静に考えると私の日常はさして変わりがないのである。
健康でちゃんと社会人をやられている方々は以前の状況を100とすると今の状況が0もしくはマイナスかもしれない。
でも私は今も昔もだいたい0。
接触人数を8割減らすと言っても元々0なのでもう減らしようがない。
気の毒なので自分をカウントして一日の濃厚接触者1名としておこう。
私の側にいてくれてありがとう私……

そうなってくると大好きな双極性作家の坂口恭平さんが、熊本震災で周りがパニックになっている時のことを語った話を思い出す。

逆に僕はこういう天変地異や危機的状態のときは落ち着くのである。
統合失調症や躁鬱病の遺伝子が太古からずっと生き残っているのは、周囲の人間たちがマラリアなどの伝染病にかかったときに、彼らだけは平熱で、看病をしたからだと何かの本で読んだことはある。そんな昔のことの真偽はよくわからないが、それでも僕はその気持ちがよくわかってしまう

坂口恭平の新政府総理談話(2)人間の世界は『鈍感な人』をベースにつくられすぎじゃないか」より

おかげで落ち着いて考えることができた。私ができるのは私の身の丈に合ったことだけ。
もし私が「コロナから世界を救う!!」と息巻いていたらそれは明らかに躁の症状「万能感」「根拠の無い自信」なのでどなたか止めて頂きたい。

なので結局私ができるのは私をコントロールできるようになるため真面目にコツコツ引き続き双極性障害について勉強することしかないのです。せめてそこで学んだことをこの場でポロポロと少しずつでも零していけたら良いな、と。

今私が治療のために一番気をつけて取り組んでいるのは生活リズムの改善。
就寝時間、起床時間、食事時間をなるべく一定に保つこと。すごく簡単な響きだけどこれ「完璧に出来ています」という人は人類では片岡鶴太郎氏ぐらいではないか。

そんな中、最近病院で習った睡眠についての知識の中から、外に出られず生活リズムが乱れ昼夜逆転してしまっている人へオススメの豆知識をひとつ。

とりあえず朝起きたら日光を浴びること。
すげー普通と思われるかもしれませんが、ほんの少し前までこれが私には全然出来なかった。

オススメする理由を簡単に。
日中の光はセロトニンを生成してくれます。
それは夜、暗くなってくるとメラトニンという睡眠を誘発するホルモンに変化します。
ただそのためには2500lx以上の明るさが必要。
普通の住宅の室内灯ではせいぜい数百lxぐらい。
しかし晴れた日の日光は10万lxぐらいある。何その数字。悟空とヤムチャのサイヤパワーの差?
曇りでも2500lx以上は優に超えるらしいです。
(具体的な数値は時間帯や地域など諸々条件にもよるけど、大事なのは曇りでも日光の方が室内より圧倒的に強いということ)
そしてセロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファン(タンパク質に含まれる)を餌に生成されます。

なので朝起きたら自然光を浴びる。
外に出られなくてもベランダや、カーテンを開けて窓際で浴びる。
そして肉、魚、豆などのタンパク質の摂取を心がける。

光は目から取り入れることで視床下部に作用する。
皮膚からは無理して取り入れなくて良い。私はこれ以上シミが増えるの怖いので朝顔洗ったら日焼け止め塗りまくってベランダで白湯飲んでる。
ちなみに細野晴臣さんが「日光を見るのは体に良いけど直視しちゃいけないから白目で見てる」ってラジオで言ってて日本が世界に誇る音楽の神様が白目剥いて日の光浴びてるの良すぎて真似してる。
だから正確にはベランダで白目剥きながら白湯飲んでる。

そんな感じでまた書きます。

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