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読書感想文〜読む体力がいる小説〜

実は、3歳から習っていたピアノが趣味です。環です。

今回紹介する本は、ピアノコンクールが舞台。
読んでいるこちらが疲れるほどに臨場感のある演奏描写が圧巻の、あの作品です。

ここまでで、もう紹介する本がわかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

『蜜蜂と遠雷』/ 恩田陸 著

私の解釈による、ざっくりあらすじです。

それぞれの想いを持ってコンクールを迎える3名、番狂せなピアノ少年の4名を中心に、"音楽"を描いた物語。
誰がいつ落選してもおかしくないコンクールで、第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか。
直木賞・本屋大賞W受賞。


ピアノの知識が全くなくても面白い作品だと思います。
私もピアノは習っていましたが、作中に出てくる曲は知らないものばかりでした。
それでも、まるで目の前で聞いているような
或いは自分が弾いているような錯覚に陥るほど臨場感あふれる描写の数々は、読んでいる私が疲れてしまうほど。
個々の演奏が終わると、思わず拍手したくなります。
息の詰まるような緊迫感や、"音の粒"や風景が頭の中で駆け抜ける、あの感じ。
体感してほしいです。

誰が落選しても、優勝してもおかしくないほどに
天才揃いのピアノコンクール。
"コンクール"という性質上、順位が決まりますが
678ページ(文庫)ある本作において、表彰式や順位を発表する場面に割くページが、たった数ページしかありません。
それほど、本作において順位は意味を持たず
必要な要素ではないといえるのではないでしょうか。

※順位があまり意味をなさないとはいえ、コンクールが舞台であるため、否が応でも順位がつきます。
最後の1ページは絶対に先読みしないでください。

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