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仕事を退職してみた

長い間、勤めてきた会社をこの間退職した。

思い返すと新卒採用とか周りがみんな同じタイミングで入社して
同じような洋服を着て同じような表情をして
朝を迎える、そんな日々になんだか違和感を覚えた。

私は好き嫌いが激しいタイプで好きなものは
とことん沼にハマるほど好きになり、
嫌いなものは断固拒否で自分から離れていくタイプの人間である。

だから仕事も自分の興味あるものや好きなものしかしてこなかった。
だから長年勤めてきたけど「今日仕事行きたくないな」と思ったことは
多分…………ない。

…………え?
自分で文章をうってきて気持ち悪いなって思った。
多分自分は俗にいうワーカホリックである。
仕事大好き人間だったと思う。
いわゆる休みの日も常にふとした時に仕事のことで脳みそが動いていた。

退職した今、数ヶ月が経っているが全くといっていいほど仕事をする気が
起きない。なんならアラームをかけなくていい日々が最高だと思える。
好きな時に映画を観て、好きな時にご飯を食べて、好きな時に寝る。
これまでめまぐるしい日々を送ってきた自分にとっては
ありえないことである。いわゆる真逆の生活を送っているのである。
こんな生活、退職するまでは想像もしなかっただろう。

仕事をしていた時は思い返すと自分の軸の真ん中が仕事だった気がする。
家に帰っても仕事をしていたし、
人よりも速く業務を終える自分がどこか誇らしいとも思っていた。
当時、家に帰ると家にある1つ1つの物に目を向けなかった気がする。
例えば冷蔵庫に何があるのかわからず、部屋には定位置にない物だらけ。
家にいろんな物が多すぎて自分自身把握できていなかった。
そんな物に目も向けず、慌ただしい日々を過ごし、
あっという間に時間が去っていく日々を送っていた。

今現在、仕事に興味がなく、転職活動ですらほとんどしていないが
その代わり今まで気づかなかったことに気づけたことがたくさんある。

例えば様々なスペース。
携帯の中にはたくさんの中途半端に開けたウェブサイトの数。
たくさんの写真の数。いい言葉や気になる商品をスクショしてはそのまま。
家にはたくさんの物ばかりで床は足の踏み場もなかった。
スキンケア商品も常にいろんな物が気になり、洗面所にたくさんある。
ためらいもせずに次から次へと何かしら買っていた。

そして中身と外見。
これまでは常に外見を気にしてばかりいる自分がいた。
いい洋服を着て歩いても中身は空っぽだった気がする。
周りを着飾り、堂々としていてもどこか納得していない。
見て見ぬふりをしていたような気分。

物が増え続ける一方で、それでもどこか満たされない自分がいた。
お金を捨てるように使う。たかが紙切れだ。でも空虚感があった。

あの時、退職していなかったらこんなこと振り返っていなかったと思う。
立ち止まって考える余裕がなかった。
あったとしても時間が作れたかもしれないけど、
優先順位は確実に低かったはず。

今では、家の中のスペースを大切にしながら過ごしている。
冷蔵庫の中に何があるのか把握し、床ではちゃんとストレッチが
できるように物を置かずにスペースを空けることを保っている。

買い物をする際でもちゃんと今いるのかどうか考えてから買うように
している。心の中でちゃんと使い切ってから買おうと言い聞かせている。
すると、小さなことでも心が満たされるようになった。
ま、これがなかなか難しい話で、時にできてまた時にできない状態で
一歩進んで一歩下がり、まあプラマイゼロ的な感じではあるが、
しないよりはマシだ。それに客観視すると少しの成長が見られる。

よく後悔してしまいがちで、今でもたまにそうなるけど
この選択は後悔ではないはず。
自分自身にそう言い聞かせたい。

#あの選択をしたから

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