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お節は縁起食。お節のスタイルは多様化しても、日本人はやっぱり「縁起」好き。

クリスマスよりお正月。

ライフスタイル多様化から、日本の伝統行事としてのお正月祝いは関心が薄れているのではないかと想像しがちです。
しかし、紀文がおこなった2019年のお正月全国調査(2019年1月7日~2019年1月11日)によると、「親族でお正月のお祝い実施率」は、調査をはじめた2011年から微増を続け、2019年では3.6%増。
しかも、2013年から「クリスマスのお祝い実施率」と「親族でお正月のお祝い実施率」が逆転しているのです。
クリスマスのイベント盛り上がり感が薄れてきていることは多くの方が実感していることと思いますが、一方で、お正月への意識は高まっているようです。
とくに、20代~30代では、全体の95%以上が大切な伝統行事として認識しています。

お正月の伝統料理である「おせち」については、全体の3/4以上の方が食べているという結果で、全体の8割を超える方が、おせち料理の伝承意識を持っています。
若い世帯では特に、結婚や出産をキッカケにお節を用意していて、理由は「縁起物だから」が最多です。
令和に入っても、日本の文化といえる「おせち」に対する意識は高いことが伺えます。

お節をどのように用意するかという点では、高齢世代ほど手作り率が高くなりますが、購入するおせちは、時代に合わせて幅広いコンセプトの商品が提供されています。
有名レストランのプロデュース、和様折衷、高級感あふれる希少品などに加えて、特に近年は、夫婦2人世帯など少人数向けの小サイズのおせちもよく売れているようです。
それぞれの世帯人数やライフスタイル、嗜好に合わせ、自分で作ったものと購入したものを組み合わせて、重箱に詰めることも一般的です。

例えば、小サイズ販売で注目するのは、ローソンストア100の『100円おせち』。
定番の蒲鉾や伊達巻をはじめ、数の子や合鴨スライスなどの高級食材まで、少量パックを100円(税抜)で販売。
2012年度に発売を開始し、2018年度では対前年比130%となる約115万個で過去最高を達成し、累計では約550万個を超えるほどの売り上げを記録しています。
2019年12月には種類がさらに増え、全32種類となっています。
好きな物だけ選んだり、買い足し用にと、よりお手軽なお節が楽しめることで今年も人気を集めそうです。


お節は縁起食。

お節商品も多様化した、今だからこそ、あらためてフィーチャーしてみたいのが、おせちを構成する各々の料理の意味・由来。
おせちには、それぞれの食材に祝いや祈願の意味を込めた由来があり、皆なんとなく意味は知っているものもある、、という程度なのでしょうが、現代人の暮らしにも十分対応できる「祈願」のテーマがあります。

健康長寿
・黒豆
 邪気を払い、勤勉に働くことや健康で丈夫に過ごせることを願う。
・海老
 海老は腰が曲がるまで丈夫という長寿の願い。赤色が魔よけの色とも。
・金平ごぼう
 怪力無双の豪傑の坂田金平にちなんで強さや丈夫さを願う。
・干し柿
 干し柿の皺を老人の肌に見立て、柿の木は長寿であることから。

子授祈願
・数の子
 ニシンの卵である数の子は数が多いことから。
・里芋
 里芋は子芋がたくさん付くことから。

学業成就 
・伊達巻
 巻物の形は書物に似た形であることから。

豊穣祈願
・田作り
 片口イワシを撒いて豊作となった田畑があったことから。

財運祈願
・栗きんとん
 黄金色をしていることから財宝にたとえられ、金運を呼ぶ。

出世祈願
・鰤の焼き物
 出世魚である事から出世を祈願したもの。
・くわい
 大きな芽が出ることから「めでたい」、芽が出る=出世を祈願。

開運招福
・蓮根
 孔が空いていることから遠くが見えるように先見性のある一年を祈願。
・煮しめ
 土の中で根を張る根菜が中心で、末永い幸せを願う。
・紅白なます
 お祝の水引きをかたどったもの。平安、平和を願う。

新しい門出を応援
・紅白かまぼこ
 半円形は日の出に似ていることから。赤は慶び、白は神聖の意味。


縁起好きの日本人らしく、楽しみながら。

言い伝えやジンクス、ゲン担ぎなどは、私達の現代生活にしっかりと馴染んでいます。それに、日本人はけっこう形式好きです。
しかし、「お正月に食べるものだから」という理由は尊重するものの、実は味付けはあまり好みではない人もいるのがおせち料理。
見た目や食べたいものを中心に選ぶことが普通になったとはいえ、せっかくの日本文化、日本らしさがなくなってしまっては寂しい。
近年は、日本文化の世界への発信が意識されることも多く、これからは日本人自身が日本の文化を再確認する機会も増えていきそうです。

受験シーズンにはダジャレ縁起菓子が多く発売されるように、縁起好きの日本人。
おせち料理の言い伝えや由来をもっと前面に出した展開があってもいいのではないかと思います。
何と言っても、一年の初めの願掛けは象徴的。
お重に詰まったお節を用意しなくても、一つずつのおせち料理を、その年の自分の願い事に対応した願掛け食としてセレクトする。
より手軽でパーソナルなおせちの楽しみ方があるほうが、より一層お正月のスタイルの幅を広げるのではないでしょうか。

【プロモーション展開例】

●祈願POP(おせち食材に貼付するなど)
●祈願別ミニおせち

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