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エネルギーシステム研究室の紹介

1. エネルギーシステム研究室の紹介

みなさん,こんにちは!!
私は君島研(エネルギーシステム研究室)所属の修士2年黒田です.
 
今回は君島研(エネルギーシステム研究室)の研究テーマ・雰囲気を紹介します!
様々な研究室があるので,今後の進路等の参考にしていただければ幸いです.
 
まず,君島研とは?
エネルギーシステム研究室では,各種のエネルギー変換の過程に生ずる複雑多様な現象の理解と工学的応用に取り組んでいます.熱流動を中心とし,電気化学反応や光を含む広範囲のエネルギー変換を研究対象としています.さらに,生物の働きにより有用なエネルギーを取り出すバイオエネルギー変換のような機械工学と異種分野との融合にも挑戦しています.

2. 研究紹介

2.1 石炭ガス化燃料電池複合発電システム (Integrated gasification fuel cell combined cycle : IGFC)

修士2年 本夛芳行 

 石炭ガス化燃料電池複合発電(Integrated gasification fuel cell combined cycle : IGFC)とは, ガス化炉で石炭から抽出した可燃性ガスを燃料とし, 燃料電池・ガスタービン・蒸気タービンの3つの原動機を利用して発電を行うシステムです.
この発電方法は従来の蒸気タービンのみの発電方式が40%程度であるのに対して55%以上と高効率化が見込まれています.本研究では, そのIGFCシステムで使用されるエネルギーを数値解析により求めることで石炭のもつエネルギーをより高い効率で取り出すことができるようなシステムの構成を明らかにすることを目標に研究に取り組んでいます.

2.2 直接エタノール形電池 (Direct ethanol fuel cell: DEFC) 

修士2年 黒田拓実

 エタノールを直接燃料とした燃料電池について研究を行っています. これまでDEFCには貴金属触媒が多く利用されてきましたが,燃料のエタノールを完全に分解できる触媒は未だ存在せず,出力が低いという課題があります.そこで,本研究では人が飲酒後にアルコールを体内で分解する「生体の代謝プロセス」に着目し,生体触媒を用いた酵素電極を作製することで,エタノールを水と二酸化炭素まで完全に分解し,出力向上を目指しています.

2.3 熱磁気エンジン (Thermomagnetic Engine)

修士1年 藤田裕悟

 お湯から動力を取り出す技術を研究しています.工場や発電所で発生する低温の排熱を利用し,エネルギー効率を向上させることが目的です.動力の創出には感温磁性材という合金を使います.感温磁性材は高温になると磁性を失い,低温になると再び磁性を得るという特性を持っています.温度によって磁性を制御し,永久磁石との間に引力を発生させることで動力が生まれます.本研究では,動力の解析と出力の向上を目指しています.

2.4   形状記憶合金エンジン (Shape Memory Alloy: SMA)

学部4年 黒木悠飛

 低温排熱の有効利用として形状記憶合金(Shape Memory Alloy: SMA)を用いた熱エンジンの研究を行っています.SMAとは,任意の形状を記憶することができる合金であり,加熱することによって記憶形状に回復するという特性を持っています.本研究では,SMA熱エンジンの性能評価を行い,実用化への課題点の発見,解決を目的としています.現時点では出力が微弱であるため実用化には程遠いですが,実用化されている未来を想像しながら日々研究に励んでいます.

2.5   熱音響エンジン (Thermoacoustic Engine)  

修士2年 中原祐希

 未利用の産業排熱を有効利用するため,低温度差で音波を発生させるシステムについて研究をしています.音波の発生原理は,図のような片側を密閉した共鳴管内にスタックと呼ばれるハニカム構造を持った円柱を挿入し,その両端を加熱・冷却することで内部気体が不安定化し,ある温度差でスタックが自励振動して音波が発生する現象であるとされております.本研究では,この現象を利用した熱音響エンジン実用化のために,音波発生原理の定量的な解明と熱効率の向上を目的に研究しております.

3. 研究室の特徴

君島研では,学生それぞれが熱い思いを持ち,自主的に研究へ取り組むことを大切にしています.
わからないことがある時や新たに実験装置をセットする時には,お互いに協力し,知恵を出し合います.また,研究の息抜きには運動(色々)をするなど,良い雰囲気の中でメリハリのある充実した研究生活を送ることができています!

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