見出し画像

返事

おいお前

国道沿いを
深夜に徘徊
外耳からは
届かない
腹に響くような声
誰も居ないが
確かに聞こえた
余韻も
薄まりきれずに
そこかしこ
当から周りは暗いけど
とある家裏
わけのわからない廃材を
ひときわ暗くした一角に
確かにそこから
聞こえた声に
返事をすべきか迷っている

アスファルトが
タイヤを擦り取る
そんな音は
リズム良く
続いていて
ここに居るのは
私だけではないはずなのに
助けを求めるのは
絶望的で
返事をすべきか迷っている

被食者の勘ってやつか
これはすごく危険な奴だ
瓶の蓋はあれは何処に
それでも
好奇心が行っとこうかと
暗闇へと背中を押した
まずは返事をしてからと
私は足を踏ん張って
返事をすべきか考える

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?