きかち

自由に詩を書こうかと思います。GRAVITYに書いてたんですけどこっちにまとめたいです。

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    短いやつです。(๑•̀ㅁ•́ฅ✨

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    素敵な猫様に捧げますฅ^•ω•^ฅ

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トンカツストーカー

最近トンカツにストーカーされている 肉料理を注文するとトンカツが出される 洋風な店ではカツレツだ 堂々と提供されると そのまま食べないと悪いような気がして そのまま平らげていた 連れがいる時に聞いても トンカツなりカツレツなりを 私が注文していたと言う ある日またしても この日はカツレツだったが そんな状況で食べようとすると お誕生日おめでとうございます とカツレツが言ってくる ありがとう と誕生日からは程遠いけれど 返事をしておいてみた お祝いにピノ・ノワールを 注文してあ

    • のらねこ

          のらねこ        辿り着いた見知らぬ街は、明るさのある昼間こそは、私を浮つかせたが、夜になり地下街への階段がシャッターで封鎖される時のポーンポーンという音を聞くと、これからの不安に押しつぶされそうになった。所持金は外食二、三回ほど。めぼしい宿の当てもなく、どのように夜を明かそうか、それでも一番怖い事は考えずに通りすがりの小さな公園のブランコに乗ってみた。近所の子供がたまたまここに居るだけだと思われますように。少し不自然なのか、終電帰りのスーツを着た大人によく見ら

      • 彼女の手

         彼女の手は何かを掴むためのものではなかった。ただ美しく曲げ伸ばしをし、私を魅了した。何かを持つ時には大層難儀な様子を見せ、細い手首は悲鳴を上げているように見えた。  彼女とはよく視線を絡ませている。こちらが先に見つめてしまうのだけれど、それに気づいた彼女はいかにも「ん?」と言う風な屈託のなさそうな目付きで見返してくる。  彼女は一人でいる事が多い。しかし誰かから声が掛かれば何の気なしに様々なグループに混ざり込んでいた。その内に私の属する主婦グループの明るい性格の朗らかさん

        •  私は影に近い。輪郭は光で薄まり闇ではぼやける。そんな風でも人として登録をしてしまったものだから、しっかりと税金は取られている。潔く最初から影であれば、好きな場所に行き勝手に食べたり飲んだり出来たはずだ。  たまにこちらを認識し、落ち着かなげに気にする人が居る。私も珍しいその人を気にしてしまう。その人の前ではなんだか居心地が悪い。目端で観察するとずっとこちらを見てくるのだが、近づいては来ない。  幽霊と人が出会う怪談話はこんな風に始まるのかしらと思ったりする。私は幽霊なん

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        記事

          データはレンゲ畑の夢を見る

           ミンミンゼミとツクツクボウシが鳴く庭に立つ。そこに雪を降らせてみた。ひらひらと舞い降りる雪を手で受け止める。ひんやりとした感触が感じられる。夏の気温の中の雪は不思議なものだ。真冬の気温にしてみた。黒い上着を羽織り、袖で雪を受け止め、その雪に目を凝らす。ああ、ちゃんと結晶が見えた。これは当たりのデータだ。私は満足して元の夏の庭に戻した。     コンタクトの申請がある。見れば夫の二号さんだ。承認しますかとウィンドウが出てきて、赤いボタンの方のいいえを選択する。選択する前に一度

          データはレンゲ畑の夢を見る

          日常

          たてのながさはこのくらい よこのながさはこのくらい そんなのどうでもいいことで ねむくなってきちゃったな

          不幸売り

               フコウ〜  フコウ〜  不幸は要らんかぇ〜  音割れのするアナウンス。夕暮れ時の綺麗な茜色、そんな時に不幸売りは現れる。こんな綺麗な夕日の中で不幸なんて売れるのかしら。ベランダから川の土手を見る。ママ風な雰囲気の女性がママチャリを止めて、不幸売りと言葉を交わしている。  不幸売りがやって来ると、ベランダに出て眺めてしまうのだけれど、ああやって立ち話している人は割といる。買っているのかなぁそれとも、不幸でも買い取って貰ってるんだろうか。  不幸売りは空の

          不幸売り

          居てもいい

          居てもいいのか悪いのか まず君は考える それを憐れにも思い好きとも思う 僕は君に居て欲しくて こんな話をする 峰の右を見てご覧 てっぺんをA点とするだろう? C点からG点の間くらいさ リーベとリリィが居るだろう? 悲恋の火に焼かれたのさ 悲恋の日々に未練と散り 悲恋の利子も貰わずじまいさ 悲恋の利子? そんなのものがあるとはね あるんだよ その利子で次の恋が少し得意になるんだよ ふうん 得意になるなら幸せになれるのね そういうことじゃないん

          居てもいい

          水をこぼす

          水をこぼす         昨日も今日もコップを倒し 水をこぼした これは何かの前兆か その後起こる災難を 薄く引き伸ばしているに違いない 溺れなくてすんでよかった ここでこぼしておかないと 海底洞窟の探検から 戻って来られなくなるのかもしれない 未来の津波は私のおかげで 10cmとなり 沿岸の民を救った スーパーで買ったアサリの一つ それは未来からのタイムトラベラー 私に言伝があるという 「あと500回こぼしてください そうしたら

          水をこぼす

          夕日

          背後へと落ちゆく君よまた明日 優にぬるい冬に落ち 光に映し色彩の 掬い上げた海の色

          時間よ止まれ

          どうせ戻せないのなら せめてこのまま止まっておくれ 取っておきたいものは無いけれど 悪くなるのが嫌なんだ 時の刻みは私から 時が経つのは私から 私は世界の中心で 色んな事が出来ように 持ってたはずの中心は 突発性のつむじとなって 渦を巻こうとするけれど やろうとすれば向かい風 向かい風とぶつかって 無となれれば御の字だ 無となれれば静寂の 水平線と空の間に 水彩絵の具を持ち込んで 狭間をぼかす職に就く いい加減な仕上がりが 評判となって配置換え 任されたのは 飛行機雲の後始末

          時間よ止まれ

          絡まり

          絡まったものを転がして 自然とほぐれないかと期待する 一つ輪っかを引っ張って そこから全ての絡まりが さざなみとなり和らぎとなり そこに入って暮らすのだ 朝が来て期待が高まりたわわに実り 糾いに逆らい 火渡り刃渡りたたら吹き 風上に 刀は輝き 絡まる輩の塊を 半に割ってほっとする そうだった それで輪っかは消え去って ボーダーレスのホームレス 欄干もたれ 狭間に縄買いの夢を見る 固結びの結び目に 付け入ろうと試みる 幾人もの人々が 試した後のてかりが光る どうせなら前人未踏

          ある日のフレンチコース

           海沿いのビーチに建つホテルに泊まった。午後三時頃から六時頃までビーチで過ごす。そこは夕日や朝日が見える景勝地ではないが、移りゆく空模様、海面の反射するきらめきの変化があり、初秋の太陽の優しさも加わって、美しく過ごしやすかった。  あまり遅くまで開いていないというホテルのレストランで、早めのフレンチコースの夕飯となった。伊勢海老を使ったコースだと聞いていた。「おひとりさま二つ使ったコースとなります」と、給仕が言った。  ソフトドリンクがサービスで一つ付くと言う。ウーロン茶や

          ある日のフレンチコース

          たまに死にたがり、書き散らす

          一般的にはそれほど悲惨でもない境遇の私はそれでも死にたがりだ。 子供の頃は何とか大人の言うことを聞き、それでやれば出来るのかと言えば、中の下とか下の中とか下の下とか。聞き分けの良い子供は大抵不幸だ。少しとか大変とか、加減はそれぞれだが、聞き分けを住み着かせた宿主は後でえらい目に合う、と思うけれどもそんなものは人それぞれなので、えらい目の加減も知るものか。 何とか普通になろうと目立たずやろうと、群衆に紛れたく思い、間違った選択をしてきてしまったようで、しわ寄せが大きなしわとなり

          たまに死にたがり、書き散らす

          まるさんかく

          まるが2つと さんかく2つ 君の顔はそれでいっぱい それでたくさん書き表して 怒って笑って眠そうで どんな時もかわいくて かわいいかわいい言うものだから きっと名前と思ってる ミドルネームは「かわいい」だ

          まるさんかく

          とある旅

          私は星の一つであるかのような振りをする。しかし常に漂い大気にあるわけで、生き物に干渉せずにおきたいけれど、ついちょっかいを出してしまって、幸福や不幸にも関与した。生まれながらの幸福、不幸になった故の幸福、その対岸も然り。 今日はつい海岸線の裾をヒラリとめくってしまい、そのために生き物が死んでしまった。罪滅ぼしとしてめくった場所に、救急進化パックを投与しておいたけれど、果たして吉と出るか凶と出るか、なるようにしかならない。 以前山の小川に投与したら、イワナが巨

          とある旅