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賢者から直伝された知恵の話

先週の日曜日は我が家で四姉妹の昼食会を開いた

『わたしがピンクのロングドレスを着た理由』昨日、わたしはピンクのロングドレスを着た。主人もジャケットの下は極彩色のシャツ。長女もピンク、次女はトパーズ色のドレス一家全員が鮮やかにドレスアップした理由は…

ameblo.jp

わたし達、血のつながりはないのだけれど
4人同時に集まるのは御葬式以来だ

長女メアリーが持参したシャンパンを開けて
姉妹でお喋りが始まった

メアリーがいう
あのね...今週、こんなことがあったのよ!

彼女はシングルで仕事でとても成功している
月曜日にオフィスに行ってお昼時間も過ぎた14時ごろ....とてもお腹が空いてきた
会社側のカフェでちゃっちゃとご飯を食べちゃおう!そう思い一人でテーブルに座り
コーヒーを飲みながらボーーっとしてたら...

すみません お嬢さん
相席いいでしょうか?

目の前に杖をついたよろよろした垢抜けないオッサンが立っている
確かに店内満席
でも...忙しい月曜日だから敢えて一人でボーーっとしたかったのに...
とてもじゃないけれど見知らぬオッサンと会話する気分じゃない
けれど、足が痛い人に席を譲らない程には冷たいオンナじゃないと思い直し
ニッコリ笑ってどうぞと座るように相手を促した

お仕事ですか?

そんな会話が自然と始まり
メアリーがオッサンに彼の仕事を聞くと
彼は(政府関連のアドバイス業)と宣った!
メアリーは心の中で大爆笑
政府関係者ならこんなとこに居ないわ!
嘘も大概にせいや!

ホラ吹きオッサンのお相手をするのも後でネタになる(笑)と思い直し
ニッコリ笑顔で会話を続けることにした

どんなアドバイスをなさっているんですか?

彼のバックグラウンドは哲学者であり、
イギリスでは特に家族絡みや子供関連の法案のアドバイス業が多いとのこと

シングルで子供のいないメアリー

彼女が意地悪っぽく(じゃあ子供を育てる上で一番大事なことってなんですか?)と彼に質問した

彼の答えは...,

子供を育てるというのはとてもシンプルに考えるといい

親が居なくなった時に、
その子が一人で生きていく力をつけてあげることがゴール

親は永遠に子供の側にいて守ってやることはできないから
子供に独立心を養ってあげることが一番大事

そうオッサンは言ったそう

彼と思った以上に話しが弾み...
それでもあっという間の30分で時間が来て

わたし、仕事に戻らなくっちゃっとメアリーが席を立った

オッサンはポケットからゴゾゴゾ名刺を出して

お嬢さん 
話し相手が必要だったらまたお昼をご一緒しましょう

そう言った

その名刺もなんか胡散臭く....

本当にアドバイザーとか書いてるけどきっと経歴詐称だろう...笑っちゃうわ
そう思いながらメアリーは席を立った

それでもオフィスに戻る道すがら.....
彼女のかなり昔に亡くなった両親のことを思い出していた

自分が楽しくシングルライフを謳歌していて
何不自由なく暮らしている
それが出来るのは
自分が強い人間だからだ
自分がタフだから
常にそう思って生きてきた

でもその自分を強くしたのはやはり両親の力だったのかもしれない....

誰よりも強く誰よりも独立心が強く

そう育ててくれたのはやはり両親だったのだ

そしてそれは紛れもなく彼らの大きな愛だった

自分一人の力で大きくなった気になってたけれど確実に両親の哲学が自分を自分にしたんだ!

そう思ったら鼻の奥がツーンとなって
ニューボンドストリートのど真ん中で
いきなり号泣したくなったそう

オフィスに戻り
彼のくれた名刺をぽんと自分のアシスタントのデスクに放り投げ
変なオッサンに話しかけられちゃった
政府アドバイザーですって
あははは
嘘つきが...

そう笑って仕事に戻った

するとアシスタントがひゃあ〜と悲鳴をあげた

メアリー
ちょっとこれ見てください!

彼女のスクリーンには
さっきまで一緒だった冴えないオッサンが王族とタキシード着て写ってる一枚が!

大物政治家、首相と一緒のものがいっぱい出てきた

彼は本物の政府関連のシンポジウムにはスピーカーとして引っ張り凧の本物の賢者たるアドバイザーだったのだ!

その彼がいう

親が居なくなった時に
子供が独り立ちできる
これが究極のゴール

子育てはシンプルに考える

非常に納得出来るわよね
アタシも頑張りますわ

オホホ



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英語がすき

始めまして 喜花(キカ)です 南ロンドンで鍼灸、漢方、カウンセリング専門のクリニックを経営しています。愛する東洋哲学、東洋的な身体、精神との付き合い方、イギリスで長く生活するコツなどを綴ってます