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「ファッションを学ぶ大学生/22歳」〜やりたいことに出会えた奇跡に感謝する〜【EPISODE.15】

▶︎プロフィール

ゆうとさん(22)

都内の高校を卒業後、1年間の浪人を経て4年制大学に進学。
ファッションを本格的に学ぶため、昨年から夜間の専門学校に入学。昼間は大学、夜間は専門学校のダブルスクールで、夢に向かって奮闘中。

▶︎専門学校で学んでいること

ーまずは、ゆうとさんが専門学校で学んでいることを教えてください!

ゆうとさん:アパレルの現場でやるようなことを勉強しています。例えば、服のパターン(設計図)の描き方や、服のイメージを表現するためのデザイン画の描き方などです。

デザイン画は、デザインをより明確に表現することが求められるため、質感の表現方法など本格的な勉強をしています。

また、自分の引いたパターンを使って布を裁断し、実際に作ることもしています。

▶︎服作りに興味を持ったきっかけ

ーそもそも、ゆうとさんはなぜファッションに興味を持つようになったのでしょうか?

ゆうとさん:専門学校に入る前、大学1年の冬ごろから、独学で服のリメイクを始めました。

最初は、自分の着たいと思う服が見つからなくなってきて、「だったら作っちゃえばいいんじゃない!?」と軽い気持ちで始めたのですが、やってみるとどんどんのめり込んでいって。

「これだ!」っていう感覚が強くあり、すぐにミシンを買って見よう見まねで始めました。続けているうちにだんだんと、「もっとこういうのを作りたい!」というアイデアがどんどん出てきて、ソーイングの本を買ったりしてより本格的に勉強するようになりました。

ー「着たい服がないから作ろう!」という考え方、とてもすてきですね!

ゆうとさん:小さい頃から、ものを作るのが好きだったんです。図工だったりレゴだったり。

高校生のときは靴がすごく好きで、ナイキに入って自分のスニーカーを作れたらいいなあと思っていました。自分が作ったものが世の中に広まったらいいなあ、という夢はその頃から持っていました。

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▶︎服をつくる理由

ー実際に作った服は基本的には自分で着ているのでしょうか?

ゆうとさん:初めは自分が着るために作っていましたが、最近は「誰かに着てもらいたい」と思うようになり、売ったりするようになりました。

実際に売れるのはなかなか難しいので、絶賛試行錯誤中です!

ー「誰かのために作りたい」と思ったのはどうしてなんでしょうか?

ゆうとさん:大学に入る前に1年の浪人を経験しているのですが、辛い勉強の心の支えになったのが洋服だったんです。予備校の近くに古着屋があって、たまたまクラスに服が好きな人がいたので、勉強を頑張った後に一緒に古着屋に行って服を見るのが楽しみでした。

浪人生って普通、予備校にスウェットとかで来るのが普通じゃないですか。でも僕は、朝ちゃんと時間をかけておしゃれをする、その時間がストレス発散になっていたんです。そうやってバランスを取れていなかったら、きっとしんどくて潰れていたと思います。

服は毎日着るものだけど、着る服が変わるだけでめちゃくちゃ気分が変わると思うんです。お金を貯めてほしかった服を買ったときの喜びとか、それを着たときのうれしさとか。服は人の気持ちに影響を与えると思っています。

自分が作ったブランドの服が好きで、買うのを楽しみにしてくれたり、買って喜んでくれたり、デートの勝負服に選んで気持ちを高めてくれたりする人がいる。そんなふうに、誰かの日常に自分の服があることってすごくうれしいことだなと思うんです。それが僕の気持ちを動かしています。

ー浪人時代の経験にルーツがあったんですね…!熱い想いを伝えてくださりありがとうございます!将来的には「自分のブランドを持ちたい」という夢があるんですね。

ゆうとさん:実は、僕の夢はさらにおっきくて…。パリコレデザイナーになること、それが夢なんです。そのためにもちろん、まずは自分のブランドを持ちたいです。

ただブランドを持つだけなら、SNSを使って販売したりすることで達成できるのですが、どんな人に自分のブランドを知ってもらいたいのかどんなイメージを持ってもらいたいのか、そういったことをしっかり考えて、いちばん良い道を模索しているところです。

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▶︎葛藤や不安

ー大学と専門学校のダブルスクールはハードなイメージがありますが、大変ではないですか?

ゆうとさん:大変ですが、すごく楽しいです。やることがないよりも、やることがある方が絶対に楽しい。忙しいのは大変ってイメージがあるけれど、僕はこれまでも、あれこれやって忙しい生活を送ってきたタイプでした。

これがしたい、あれがしたいってことが常にある日々は、刺激的で楽しいです。大変ですが、苦に感じたことはありません。

ー親御さんや周りの人たちも積極的に応援してくれているのでしょうか?

ゆうとさん:周りの人に自分のやりたいことをガンガン発信していて、親も何も言わずに応援してくれているので、とても恵まれているなと感じます。

ですが、ダブルスクールをしたいと言ったときには、すぐにイエスはもらえませんでした。「本気なのか」「学校に行く意味はあるのか」と問われ、学校に行かずに独学のまま続けようかとすごく悩みました

でも色々考えた結果、「環境が人を育てる」という考えに行き着いたんです。夢を追いかけている人や、実際に作っている人がいる環境に身を置いた方が、間違いなくたくさんの刺激を受けられる。僕自身、環境に影響されやすい性格で、常に自分よりもちょっと上の人たちがいる場所を選んできたんですよね。

それで専門学校に行きたいという決意を固め、改めて自分の想いを伝えようと、お金のことなども調べて親にプレゼンしました。それを見て「本気なんだ」ということを親もわかってくれて、応援してくれるようになりました

ーやりたいことを追いかけるなかで、苦労した経験もあったんですね。

ゆうとさん周りに反対されて折れてしまうような覚悟じゃ、人から応援してもらうことはできないんだなと気づきました。

それに、同年代でもすごい服を作る人を見たりすると、やっぱり自分と比べてしまってショックを受けることもありますし、思うように作れなくて辛いときや、本当にこれで将来生活していけるのだろうかと不安になるときもあります。

好きなことを続けることは、楽しくてハッピーなことだけじゃないと思います。

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▶︎さいごに

ーさいごに、ゆうとさんが大事にしていること、これから進路について考える高校生に伝えたいことを教えてください。

ゆうとさん:たったの20年間くらいで、やりたいこと、熱量を注げること、その先ずっとやりたいことを見つけることは、めちゃくちゃ難しいことだと思っています。だから、やりたいことがたまたま見つかった自分は幸せだなと思うし、環境に感謝しています。

偉そうなことは言えないですが、やりたいことが見つからないことをネガティブに捉える必要はないと思います。後になって見つかることもあるし、見つからないことが普通だから。見つかることは奇跡的なことだからこそ、もし自分の中に何か突っかかるものがあったときは、絶対に大事にしてほしいと思います。

それに、今やっていることが将来にどうつながるかはわかりません。思いがけない形で点と点が結ばれて、やりたいことが見えてくるときがある。いろいろなことをやっておけば、それだけ奇跡が起こる確率も上がるはずです。

僕は浪人までして4年制大学に行ったにも関わらず服飾の道を選び、もったいないと言われることもありました。たしかに、大学で学んでいることと服飾は直接関係する内容ではありません。でも、関係ないところで出会えてしまった。本気でやりたいことが見つかっちゃった。だから、もったいないと言われても「何が?」と返すし、迷いはまったくありません

やりたいことに出会えた奇跡に感謝して、これからも頑張っていきます!

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「やりたいことに出会えることは奇跡」

ゆうとさんの言葉に、はっと気付かされることがありました。

わたしたちは、小さいときから「将来の夢は何?」「やりたいことは何?」と聞かれます。その度に、聞かれても思いつかない自分に焦って、なんとなく毎回パッと思いつくものを言ったりする。

でもそれは、本来当たり前のこと。世の中に五万とある職業のなかで、「これだ!」と思うものに出会えている人の方がきっと少ないのでしょう。

だからこそ、やりたいことに出会えたときは全力で熱中してみる。出会えるまでの期間はいろんなことをやってみる。

それでいいんだな、焦る必要はないんだなということを、ゆうとさんへのインタビューを通して気付かされました。

ゆうとさん、最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!

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