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NZ life|わたしがサンタさんよ

ニュージーランド生活47日目。
天気はれ。気温20度。カラッとしている。時々吹く風が気持ちいい。

立派に晴れた。清々しいほどに晴れた。クリスマスイブとクリスマスだけ、びっくりするくらい雨が降ったというのに。今日は拍子抜けする晴れ模様で、神様はほんとうに嘲笑っていたのかもしれない。

クリスマスソングを聴いても胸がきゅうってならないのは、冬じゃないからだと気づいた。これは最大の発見。

頬を切る空気の冷たさ、ポケットの中でかじかむ指先、人混みの間をすり抜けていく12月独特の寂しい気持ち。冬を構成するそれら全てが揃っているからこそ、クリスマスソングは私の心をきゅうっと締め付けるらしい。


クリスマスソングは素通りするし、雨はやまないし、近くに家族も大切な人もいないし、サンタさんも来ないし、ひとりぼっちだし、散々だ。

とても悔しい気持ちになったところで、あることを思いついた。


そうだ、私がサンタさんになればいいんだ。


というわけで、目が覚めてすぐLINEギフトを開いた。プレゼントが届いているかワクワクしながら目を覚ました12月25日の朝はたくさんあったけれど、プレゼントをどれにしようかワクワクしながら過ごす12月25日の朝は、今日が初めてだ。

あまり高価なものだと、もらう方がびっくりするかもしれない。物を限定するのも、好みが分かれるからよくないな。

悩んだ挙句、スタバのチケットを選んだ。みんな行くでしょう?スターバックス。


ほんとうはLINEの友達みんなに贈りたいところだけれど、お財布事情とその他諸々の事情により、5人だけ贈ることに決めた。


誰に贈ろう。今年とてもお世話になったひとたちは、誰だろう。今年いちねんを振り返ることにした。今年は(というか今年も)ほんとうに激動だった。

去年の今頃は引っ越しして、区役所に行って、新生活を始めている。やることが多すぎるし、決断することも多すぎて、とてもじゃないけれど「わーいクリスマスだ〜!」みたいな気持ちじゃなかった。


たくさんのことを決断した私を、いつも支えてくれたのが友達だった。

どんな時でも愚痴を聞いてくれるし、相談に乗ってくれるし、私の代わりに泣いてくれたり、私と一緒に泣いてくれたり。


「もうだめかもしれない」と心が折れそうな時は、いつだってそばにいてくれた友達。

どんな時でも味方をしてくれたし、背中を押してくれたし、くだらないことでたくさん笑ったし、乗り越えるべき壁を共に超えてきた友達。

彼ら彼女らがいなかったら、2023年の私はとっくに力尽きていたかもしれない。ニュージーランドまで来れていないかもしれないし、はたまた、心折れてすぐに帰国していたかもしれない。

ありがとうの気持ちを伝えたいなあ、と思ったら、贈るべき5人はすぐに決まった。会えない日々は続くけれど、いつまで経っても大好きな5人。


太陽みたいにぴかぴかとあたたかい存在のみんなには、12月の寒さに負けないよう、あたたかい飲み物を飲んでほしい。つめたいのを飲んではいけないよ、と念を押してスタバのチケットを贈った。


ニュージーランドと日本の時差は4時間。
みんな喜んでくれるかな。どんな顔するのかな。ああ早く反応が見たいな、楽しみだな。

ニュージーランドのサンタさんは半袖を着るというけれど、雨で肌寒い25日の朝、私はパーカーのチャックをしっかり上まで閉めて仕事に向かった。


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