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ブラジル流ワールドカップの楽しみ方

ワールドカップが開幕しました。私たちは前回のワールドカップ時にはブラジルにいました。その時のことを思い出しながら、ブラジル流のワールドカップの楽しみ方を書いていきます。

2018年当時、あるブラジル人の友人は「今回は政情不安やブラジルサッカーのクオリティーの低下で例年と比べ盛り上がりに欠けている」と言っていました。2014年の大会はブラジルで開催されたということもあり大盛り上がりだったそうですが、今回はそれほどでもない、とのことでした。しかしそれでも私の目からしたら相当な盛り上がりでした。

大人も子どもも出場選手のトレーディングシールが流行!


こちらがシールを貼るアルバムです。

ワールドカップ開催の2、3ヶ月ほど前から各国の出場選手のシールをトレードしながら集め、アルバムを完成させていくという遊びがブラジルで大流行していました。息子の幼稚園でもこのシールのやりとりが大流行して、毎日何センチにも積み重なったシールの束を子どもたちが幼稚園に持ち寄りやり取りをしていました。三、四歳の学年ですと幼いために代わりに大人たちがやり取りをしていましたが、五、六歳の学年くらいから子どもたちだけでやり取りをしてトレードをしていました。このやり取りを見ていると私の子ども時代にビックリマンのトレードシールが大流行していたことを思い出します。
しかし、私の子ども時代と違うのは、子どもだけでなく大人も夢中になっていることでした!
職場でもやり取りが流行していたようですし、街一番の高級デパートにもシールをやり取りできる特設スペースができて大人たちが熱心にやり取りをしていました。若い世代だけではなく、年配の方たちも多く見受けられ、まさに老若男女全ての人たちが参加しているようでした。

こちらはデパート内にあったサッカーシールを交換する場所です。

こうしてブラジル国内だけでなく、各国の出場選手の名前と顔を覚えていくこともあってか、ブラジル人は世界のサッカー情報に詳しい人が多かったです。周囲の人から日本人選手の話を持ちかけられることもしばしばありましたが、その度にその知識量に驚かされていました。選手の名前だけでなく、そのプレーの特色について言及される方もいて、その話ぶりからワールドカップに出場するサッカー選手全員に大きな敬意を持っていることが感じられました。

開催日に近づくにつれ、街はみるみる黄色と緑色に!

W杯時の街の市場の様子

日本でもお店やレストランなどワールドカップの雰囲気を出しているところは多いかと思いますが、ブラジルはその比ではありませんでした。商業施設ではもちろんのこと、多く人がユニフォーム姿に身をまとったり、国旗を窓に飾ったりして街が国旗の色である黄色と緑であふれてきます。ブラジルには多くのお祭り用雑貨店があり、そこで応援用の雑貨やコスチュームを調達している人が多いようです。

ブラジル戦開催時のデパート内

ブラジル戦開催時間には街はゴーストタウンに

ブラジル戦開催時には多くの企業が休みになったり、休みにはならずともお店やオフィスにテレビが用意され即席応援会場ができ、そこで仕事の合間に観戦することが一般的とのことです。オフィス勤めしていた友人から、試合時には「会社が早くに終わった」また「オフィスにテレビが持ち込まれ、またビールも配られてゲームの観戦会になった」という話を聞いてびっくりしたことを思いだします。実際クリスマス当日くらいしか休まないようなほぼ年中無休のデパート内のスーパーでも開催時間中は臨時休業をしていました。知らずに出向くといつもは混雑しているお店が従業員も客もおらず、ゴーストタウンと化していました。息子の通うスポーツクラブも何の断りもなく休みになっていました。おそらく試合の視聴率は100パーセントに限りなく近かったのではと思います。
ブラジルで生活をするためにはサッカーのブラジル戦の開催日時の情報は必ず把握しておかねばならない、とその時勉強しました。


お祭りグッズのお店にて

人びとの気分は試合の結果次第で一変

観戦中は近所のあちらこちらから凄まじい歓声が響き渡りますし、試合後は結果次第で人々の気分や表情が大きく変わります。

2014年のワールドカップで、対ドイツ戦ではブラジルは1対7という大敗を喫してしまいました。その時友人は家族と会場まで観戦に行っていたそうですが、試合の終わりには家族全員で静かに泣いていたのだそうです。また一部の人たちは暴徒と化していて帰宅が大変だったそうです。

前回の2018年は幸いブラジルは勝つことが多く、試合後街中の人たちは満面の笑みがこぼれていたり、いつも以上に陽気になっていたりとハッピーオーラが街を覆い尽くすくらいの感じでした。皆さんのそんな表情が見られるので、ブラジルが試合に勝った後、街を歩くことが大好きでした。一番最初に載せたみんな笑顔の写真はブラジル勝利後に撮ったものです。

まとめ

ブラジル人にとってサッカーはこんなにも熱いものなのだ、とワールドカップ中は特に驚きをもって実感しました。
せっかくの4年に一度のスポーツの祭典。私もどうせなら思い切り応援して、思い切り楽しみたいと思います!

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