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仕事の失敗論。

百戦百勝という言葉をはじめて見たのは、ジャンプで連載されていた漫画『黒子のバスケ』でのことだったっけ。

仕事上でも、もちろん百戦百勝は目指すべき方向ではあるけれど、実際にはそうもいかない。

もしもこれまでの私の記事をお読みいただいて、私のような人間を、常勝系営業マンだと思っていらっしゃる方がいるとしたら、

それはありがたいのだけれども、
明確に否定しておきたい。

百戦百勝は、どだいムリな話である。

そんな風に思ってねーよ、ボケ!

という方にはご愛嬌



唐突だが、
ポケモンのヒトカゲは、2段階進化する。

ヒトカゲ → リザード → リザードンだ。



何が言いたいかというと「私にだってヒトカゲの時代があったよ」ということが言いたい。攻撃コマンドに「たいあたり」と「ひっかく」しかないときもあったよ、という話がしたい。

百戦百敗だったときの話。

あぁ、自分はまだまだヒトカゲだなぁと思う方がいるとは言わない。私がリザードンだとも思わない。


だが、5月も下旬に入り、営業現場で疲弊する方もいるだろう、そう思ってこれを書いている。

今日は、私の仕事の失敗エピソードを2つ書く。
生命保険の仕事を始める前の会社でのエピソードである。


それはもうほろ苦く、悔しいもの。


ではいこう。


れっつら、失敗!


失敗エピソードその1

札幌市内に、とある企業がある。

社長は創業家の2代目か3代目か、HPを見る限り若い。おそらく40代。女性である。

この社長とコンタクトを取るために、あらゆる方法で調べ、特定の曜日、特定の時間、特定の場所にその社長がいることを突き止めた。

何度も電話した。

受付の女性とも仲良くなった。

やがて社長が電話口に出てきて、とうとう念願のアポイントが取れた。


やっぴー。


そのころの私は26歳で、上司の手を離れ、ようやく一人で営業活動をするようになったヒヨッコ系営業マンであった。


営業プロセスを科学することもなかったが、口八丁手八丁でロジカルに話すチープな自尊心だけはあったので、その日もアポイントに向かった。


登場した社長と名刺交換をする。

ヒアリングもそこそこに、商材の説明をする。ああでもない、こうでもない、うんたらかんたらナンマイダ、である。

その商談における明確な着地点すら決めずにしゃべるもんだから、最後の最後でどうしたらいいかわからなくなった。クロージングの「ク」の字も知らない。

要するに、ただ自己満足的に、会社紹介とサービス紹介のみをするAI系営業マンになっていたわけである。こんなのは人間のやるべきことではない。


40分ほどの商談の最後に、その女性社長に鼻で笑われた。そして言われた。

「で、あなたは何が言いたいの?」

何も言えなかった。


おれは今日、何をしにここにきたんだ?
と、たしかに途中から思っていた。


「す、すいません」


とだけ言って会社を出る。


暑い夏だった。
情けなかったので帰り道にアイスクリームを食べた。

味は感じなかった。


失敗エピソードその2

その企業は札幌の中では、どでかい企業だった。

そこの役員のアポイントを、これまた電話で取り付けた。

よ〜し、どでかいから事例をたくさん準備していくぞ〜、と思って、事例を30個くらいひっさげて向かった。

社会人失格だが、その日は二日酔いであった。
何があったか忘れたが、その前日の晩に飲み過ぎたのだ。

あさ起きて後悔した。
これでは頭が回らないし、口も回らない。

でもその企業に訪問するのは午前中だったから、行くしかない。

失格である。


商談が始まる。


自分が何を言っているかわからない。
わからなすぎて、絶対してないけどエルビス・プレスリーの話とかしたんじゃないか、と思うくらい自分で自分がわからなかった。

とにかく準備してきた事例を全部ぶちまけよう!


そう思って、事例を手当たり次第ぶつけた。

ああでもない、こうでもない、アブラカタブラ、ビビデバビデブーである。


呪文のように何かを話す私をさえぎって、役員はこう言った。

「もういい! 分かったから! 帰ってくれ!」

何も言えなかった。

会社を出るときにその役員は、一応私を見送ってくれたが、表情は苦笑いであり、私も「なんか、すんません」な顔であったと思う。

これもまた、暑い夏であった。

情けなかったので、一人でラウンドワンに行った。
なぜか一人で仕事中にボウリングをした。
1ゲームしかしなかった。


この2つの失敗は、一人で営業活動を始めて3ヶ月以内に立て続けに起きたものである。

これではいけない、と思った。

何かを変えなければ。


というわけで、本を読み漁った。
話し方を学ぶためにYoutubeで勉強した。
営業とはなんぞや、を学ぶために時間を使って研究した。

学んだことを実際の現場で試した。

実験した。

「あの言い方では喜ばなかったなぁ」とか「この順番で話せば、相手は驚いてくれたなぁ」だとか、データを自分の中に溜めていく。


二日酔いはダメだなぁ、とかね。





この記事を通して何を言いたいか。



知識は永遠に増えていく資産だ。



これは資産だ。貯金ではない。


お金は使ったら減るが、
知識は使っても減らない。


それが言いたかった。


もちろん、
絶対に失敗してはいけない仕事もある。
命を扱う仕事だとかね。


が、失敗は成功の母。


さぁ、試行錯誤して、どんどん失敗しようぜ。


〈あとがき〉
自分の脳を資産運用のための口座だと思うと失敗も怖くありません。うんこを漏らしても大丈夫です。いや、うんこはダメです。理論武装してどんどん戦いましょう。武装して、そして戦う。これが大事。負け続けても最後に勝てばそれでいいのだ! 最後までありがとうございました。

【感謝】リトさん、どうもありがとう!

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