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焼肉7人前レポート。

昨日、妻といっしょに焼肉を食べにいった。日用品や食料品を調達するための買い物をしたあとに、ランチがてら焼肉を食べよう、ということで11時30分にオープンする札幌市内の焼肉チェーン店にいった。

ミッションは「元を取る」こと。

この焼肉屋さんにはランチメニューとして食べ放題があり、その金額は3,980円。

ランチとしては少し高い。でも、焼肉はそんなに高頻度でいくものでもないから、たまの出費としては許容できる範囲の金額。

オプションはいらない


3,980円の食べ放題。元を取りたい。

元を取るためには、単品注文の肉やサイドメニュー、白米の合計金額が3,980円を上回ればいい。このお店に行く直前に、単品のカルビのお肉1人前の金額を確認すると649円だった。

となると、単純計算で、
3,980円÷649円=6.13人前。

多く見積もれば1人あたり7人前を注文すると、元は取れる、という計算になる。この「元を取る」という概念に対して思うことはあるのだけど、根っこが単純な夫婦であるから「よっしゃ、ひとり7人前がノルマだ!」ということで、お店に乗り込み「カルビでぇ!」といってカルビを注文する。

牛さん


焼肉の食べ放題なのだから、カルビ以外のお肉も注文したほうがいい。バラエティ。多様性。たとえばホルモン、せせり、ぼんじり、豚トロ。ほかには野菜。サイドメニューとしてのスイーツも充実している。

多様性を重んじるアメリカのよう。が、私たち夫婦は「カルビ」こそが至高と信じて疑わない凡人であるから、ほかのメニューには目もくれない。閉鎖的な江戸の日本。

それから、たとえばインスタでよくみるような、またはトゥイッターでよくみるような高級焼肉店には、いったこともない。

カルビを焼き、カルビを食べながら「う、うますぎる!」と笑顔になり「これで満足してるなら、高級店の肉はどんなに美味いだろうか」と話す。「口に入れた瞬間にトロけるって言うしねぇ」と言いながら、とにかく649円のカルビを食べる。

初手でカルビを6人前頼んだ。

妻と半分こすればひとりあたり3人前ということになる。

牛が焼かれている


もちろんというべきか、白米も注文した。サイズは当然、感謝の「小」だ。ここでわんぱくを発動して「中」「大」「特盛」を頼んでしまうと、お腹のキャパが白米でいっぱいになっちゃう。

この日のテーマは「元を取る」であるから、白米にばかり比重を割くわけにもいかない。


……でも、白米と肉というコンビはどうしてこんなに美味しいんだろう。最強コンビだ。口に入れた瞬間の調和はとてつもない。

その調和は例えるならば、ジダンとサッカー、ウルトラマンと3分、東京タワーに赤色、Vaundyとパーマ、美空ひばりとマイク、デキる男とプリウスのようなそういう調和。もうそれ以外に考えられない、という調和の良さを白米と肉には感じる。

ピント


最初の注文肉をすべて食べ終える。心なしか、妻よりも私のほうが食べている量が多い気がする。網の上に要領よく肉を並べる妻。トングで私の皿にどんどん肉を置いていく。

焦げちゃダメだから、という名目でどんどん私の皿に肉を置いていく。おかしいな。

つまれる


私はお互いがどれだけ食べているかを気にすることもないから、次々と肉を食べる。やがて、最初の一口目ほどの感動というか、おいしさを感じなくなった。おなかが満たされてきたのだ。当然。

こうなってくるとキツイ。箸を動かす手と口が止まる。でも「元を取る」という目標を掲げているわけだから、注文を続ける必要がある。追加してもう6人前頼んだ。妻と半分こすれば、これでひとりあたり合計6人前を食べることになる。

いけるか? 
箸は止まっている。限界はすぐそこ。

動かない箸


いくしかない。食べるしかない。限界突破。もしも私が力士なら「おい、全然ちゃんこしてねぇじゃねーか!」と罵られるような量なんだろうけど、限界を突破していくしかない。

「7人前頼めば元を取れるよ!」と笑顔になっていた妻は、いつの間にかお肉を食べることをやめて、プリンを食べている。おいしそうだ。「ひとくちちょうだい」という元気もない。元を取るプロジェクトの全責任は家の主である私にかかっている。

ひたすらカルビ


途中、もうこれは限界だ、と思って諦めようとした。さすがに7人前はきつい。今食べている6人前だって、少食の妻の分を私がカバーしているわけであるから、たぶん7人前をとうの昔に超えている。

たとえるならば、チーム全体の営業成績が未達で、全然数字をやっていない若手の数字をフォローするために人一倍働いてしまうような先輩社員のようだ。部下の育成という観点でいうと、このフォローのやり方はよろしくない。結局できる人がやれば全部解決という空気をチームに生んでしまうから。


妻はプリンを食べながらいう。

「お茶飲めば?」

おちゃ

そうか。

お茶を飲めばいいのか。これで流し込めばいいのか。なんだか牛には悪い気がする。でもノルマを達成するためには水分の力を借りるしかない。ごめん、牛。よし。

目の前に座る妻は「ほら、がんばれがんばれ」と言っている。

「いや、呪術の宿儺じゃねーか」と言って、苦しみながら食べる。

宿儺つよすぎ


さすがに、
1人7人前を注文することは無理だった。

最後は妻も少し食べて、テーブルの上に並んだすべてのカルビが胃袋の中におさまる。ノルマは未達だけど、白米代とか飲み物代を合わせれば、十分に元は取れたと考えてもいいかもしれない。妻もお腹がいっぱいのようだ。

妻はグロッキーな私を見て、おもむろにカバンから何かを取り出した。

「パンシロン飲んでおけば大丈夫だから」

準備がいいなぁ、と思った。

<あとがき>
「これだけ食べれば3日間は何も食べなくていいなぁ!」と言いました。人間の体ってすごいもので、これだけ食べてもその日の夜にはお腹が空くんですよね。さすがにこの日は食べ過ぎたので、夜は軽食で済ませました。ジンギスカンは嫌いなので、ごく一般的な焼肉です。今日も最後までありがとうございました。

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