落下1万メートル。
飛行機の窓際に座って外をのぞくと、雲がまばらに広がっていて、陸地と海が見えた。
機内では機長のアナウンスで「ただいま当機は上空1万メートルを飛行中でございます」と言っている。
古代の人間がいまの私たちを見たら、びっくり仰天するだろうな。なんだあの物体は〜!
物理の知識がないから、もしもこの飛行機から飛び降りたときに、何秒後に地面に叩きつけられるかが求められない。簡単に求められるとは思うんだけど、物理がわからないから、わからない。
上空1万メートルから飛び降りたら、どんな気持ちだろう。
聞くところによると、スカイダイビングをすると、落下中は落下してる感がなくて、まるで身体の下に空気のボードがあるかのような感覚になるそうだ。
それにしたって、落下は落下なのだからきっと怖いと思う。上空1万メートルから叩きつけられたとき、この身体はどうなってしまうんだろう。
落下といえば、宇宙空間では物体は常に自由落下しているらしい。自由落下と言いたいだけ。代表例は月。月は常に地球に向かって落下している。でも地球にはぶつからない。
月が落ちてきたら。ムジュラだ。
落下の末に人間が叩きつけられるのが陸地じゃなくて、海だとしたらどうなるんだろう。
超スピードで水面に落ちるとき、水面は地面と同じような硬さになる、みたいな話も聞いたことがあるけれど、一体どうなるんだろう。
ボッチャーーーンと叩きつけられるのだろうか。それとも、超スピードで水面に飛び込んで、ドッボーーーンと海深く沈んでいくんだろうか。
上空1万メートルから落下することは、おそらくこの人生では体験しないと思うんだけど、少しだけ気になる。
こう考えてから、私はインフルエンザになる。
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