義母の呪い
私が主人と結婚してから4年と少し。
義母が義祖父母の愚痴や悪口を言わなかった日はない。
たまに出かけたり実家に帰ったりで1日義母に会わない日もあるが、そんな日も主人や義弟に愚痴を言っているらしい。
籍を入れる数ヶ月前から一緒に住んでいるが、住み出したその日からずっとだ。
本当に1日も欠かさず義祖父母の愚痴と悪口、文句を言っている。
そんな義母にも孫ができた。
しかも待望の女の子だ。
自分には息子しか居ないからか目に入れても痛くないようだ。
しかし、今まで散々言ってきた愚痴や悪口。
自分がされて嫌だと思ったことを毎日毎日、私は聞かされていた訳だが…
義母が同じことを私にする日が来るとは思ってもいなかった。
勝手に食材を買ってくるのか嫌だと言っていたのに、娘の離乳食用に使えない食材を買ってきたり
良かれと思ってしてやったのに…
少しでもしないでくれ、辞めてくれというと怒ってそんな事を言い出す。
義祖母も食材を貰ってきたり買ってきたり良くする。
しかし、自分では作ることも無く、貰ってきたものは古かったり、買ってきてやったぞと言わんばかりにただテーブルに置きっぱなしなのだが、義母とはまた少し違う物言いをする。
良く言うのは、余ったら食うてええぞと、買ってきてやったぞだ。
自分が持ってきたものだからいい物だぞとも言う。
まぁ、どちらも恩着せがましい似たようなものなのだが。
義祖父母はもう、高齢なこともあって耳が遠く声も大きい。
1歳の娘を育てる環境に、大きな声や音はとても厄介だ。
寝かしつけに時間がかかったり、やっと寝ても声で起きてしまったり。
義祖父母の声はとてもストレスがたまる。
何度か義母や義父に相談したこともあるのだが、義母は生活音そのものがうるさい。
音が大きくて困っていると相談ついでに、遠回しではあるが義母にも注意してして欲しい旨を伝えている。
直接的に言うとすぐに怒るからだ。
普段から気をつけて欲しいのに、義弟が帰ってきていると尚更話し声が大きくて困る。
夜の9時10時に手を叩いて大声で笑う声や、食器を荒っぽく洗う音。我慢するのも大変だ。
1度だけ本当にやめて欲しいと怒ったのは、部屋で寝かしつけをしている時に部屋の外から大声で話しかけられた事だ。
怒ると言っても、たしなめる程度で怒鳴ったりはしないが。
義祖母よりも距離が近い義母だ。
本当に理解が追いつかなかった。
どうして自分で嫌だとあれほど悪口や文句を言っていたのに…
毎日話す内容は義祖父母のことばかりなのに…
ずっと考えていたが、どうして義母がそんな事を私にするのか分からなかった。
私を自分と同じ目に合わせるため??
そんな風に思うことさえあったが、義母の性格からしてそれはどうなのだろうかと思う。
義母は世間知らずでおせっかいで無神経だ。
元々、とても気前がよくてお人好しなんだろうが、それは言い方や相手のことをきちんと考えていないと上手く機能しない。
最近気付いたことがある。
きっと義母は知らず知らず自分に呪いをかけているのだ。
言霊とは良く聞くが、毎日嫌だったことや文句、悪口を言っている義母だ。
文句や愚痴が頭に焼き付いているのだ。
義祖父母への恨み事を毎日言っているうちに、その言葉通りの事が自分の行動に出ているのではないだろうか。
例えば、「嫌い」と言う言葉を毎日口にするとしよう。
そうすると自分も他人も嫌いになるのだ。
好きでも嫌いでもない人を、嫌いだと言い続ければその人の事を何も知らなくても嫌いになったりするものだ。
例えば、人に「お前には価値がない」と毎日言われ続ければ、そんな風に思ったこともないのに、自分には価値がないと錯覚してしまう。
きっと一種のマインドコントロールのようなもので、自分で自分に呪いをかけているのかもしれない。
同じことを毎日言うことで、知らず知らず言った言葉と同じ行動に出ているのだ。
だとすると、私も危ない。
毎日聞かされている。
早く抜け出さなくてはならない。
私の実母は妬みや嫉み、僻みや羨みと言った事に無縁の人だったから、義母が毎日言う愚痴や文句や悪口を聞く機会が乏しかった。
どうやってそれらを回避すればいいのか、今の私にはスキルが無さすぎる。
同居していて、主人よりも長い時間を共にする義母だ。
手っ取り早い解決策は距離をとることだろうが、今の現状厳しいだろう。
はてさてこの先、私はどう変わって行くべきなのだろうか…
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