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骨折療養中に積読本の解消を試みました(約七割の達成です)

こんにちは、ぱんだごろごろです。

左脚の膝の骨を骨折した私は、安静期間(3月5日から4週間)中、読書に熱中していました。

この期間は、とにかく動くな、立っていてもいけないというのが、医師の厳命でした。

三度の食事と歯磨き、洗面、シャワー、上厠じょうし(これは、江戸川乱歩の「陰獣」を読んだ時に覚えた熟語で、『お手洗いに行く』という意味です)を除けば、あとはベッドの上に座って、ひたすら読書をしていました。

家事は夫がしてくれたので、手に入った自由時間を、今まで、読み辛くて、放ったままにしていた本を読み切ることに充てたのです。


▼買ったものの読む気になれなかった
▼読む気だったのに、急に別の本を優先しなければならなくなった
▼忙しくなり、読む時間が取れなくなった

そうやって後回しにされるうちに、読むきっかけを外してしまった…、

そういう本たちのことを積読本と言います。




私が入手したものの、読了していない本は、紙の本だけでも十数冊ありますが、今回、ターゲットにしたのは、電子書籍の積読本でした。


以前にも何度か書いている通り、私は、電子書籍はコミックシーモアかソニーのリーダーストアで買っています。

コミックシーモアではすでに蔵書が550冊を越え、リーダーストアも100冊を越えています。

これだけ買っていると、やはり当り外れもあるのです。
コミックシーモアの蔵書では、全体のうち、約400冊はマンガです。
マンガの場合、一冊を読み切る時間が、小説などに比べて短いので、積読本になる可能性は低いのですが、それでも急用が入ったため、中断され、そのままになってしまった作品も、ごく少数ながらあります。

今回は、まずマンガの未読本(積読本)から片付けることにしました。
以下はそのリストです。


「西洋骨董洋菓子店」よしながふみ(白泉社)
✿過去の誘拐事件云々のあたりから、気持ちが停滞して読めなくなっていたが、今回はスッキリラストまで一気に読了。

「五つの箱の物語」今市子(朝日新聞出版)
✿購入した記憶がぼんやりとあったため、本棚検索をして、無事読了。

「花の美女姫」名香智子(小学館)
✿10代の頃に読んだオロールの話がずっと記憶に残っていた。
今回再読できて満足。



次は小説、評論、実用書類の積読本です。

リーダーストアの蔵書には、漫画は数冊しかなく、あとは小説か評論かライトノベルです。

コミックシーモアとリーダーストアの蔵書の一覧表から、未読のものを、まずピックアップしました。

そこから、途中まで読んで、放置してあった本を優先して、読み始めました。

以下は、骨折による安静期間4週間で読了した、もと積読本のリストです。
(ピックアップしたリストのうち、未読本が現時点で三割ほどあるため、今回の積読本解消運動は約七割達成という結果になりました)


①「大人の服選びの教科書」霜鳥まき子(サンマーク出版)

✿私はサクラタイプでした。
あなたは何タイプ?

②「82年生まれ 、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ(筑摩書房)


✿以前評判になった時に購入し、そのままになっていた本。
日本でもありそうなエピソードが多く、共感できた。

③「大宮様と妃殿下のお手紙」榊原喜佐子(草思社)

✿大宮様とは、大正天皇の皇后、貞明皇后のこと。
妃殿下はその三男の妻、高松宮妃喜久子様。
(高松宮殿下の長兄は昭和天皇、次兄は秩父宮殿下、弟は三笠宮殿下、すべて故人)
姑と嫁の関係にあるお二人の、きめ細やかな心情の交流を、その手紙のやり取りから読みといた作品。
作者は喜久子様の妹で、徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の孫。

④「警視庁文書捜査官」麻見和史(kADOKAWA)

✿ヒロインの魅力度、謎解きの面白さから言うと、うーむ、あまり好みではないかな…。

⑤「三屋清左衛門残日録」藤沢周平(文藝春秋)

✿ここ最近読んだ時代小説の中ではピカイチ。
最高に素晴らしかった。
いつまでも読んでいたい。
もと殿様の側用人、隠居とは言え、頭脳明晰、腕も立つ清左衛門の活躍を描く、短編集。

⑥「紅蓮館の殺人」阿津川辰海(講談社)

✿面白かった。先に「蒼海館の殺人」を読んだため、後回しになっていた作品。

⑦「プラチナ・ゴールド警視庁刑事部SS捜査班」矢月秀作(角川文庫)

✿二人のヒロインがいずれも魅力的。
面白かった。

⑧「雷神」道尾秀介(新潮社)

✿良かった。どんでん返しもあり、よくまとまったミステリ小説。

⑨「継続捜査ゼミ」今野敏(講談社)

✿もと敏腕刑事が大学教員となり、女子大のゼミで過去の未解決事件を取り扱うというストーリー。

⑩「霧の城」岩井三四二(実業之日本社)

✿武田家の猛将と信長の叔母。
愛し合う二人の悲劇的な最期に泣いた。
しかし、読後感は清々しい。

⑪「盲目的な恋と友情」辻村深月(新潮社)

✿美しいものとグロテスクなものとを、二重構造で描く。
どんでん返しも楽しめるミステリ小説。

⑫「金沢 洋食屋ななかまど物語」上田聡子(PHP研究所)

✿お世話になった、先輩noterさんの商業出版作品。改めて一冊通しでじっくり読みました。

⑬「飛水」髙樹のぶ子(講談社)

✿堂々たる恋愛小説。
悲恋ののち、彼岸と此岸の距離がなくなる終わり方が不思議な味わいを醸し出す。

⑭「殿様と鼠小僧ー松浦(まつら)静山『甲子夜話(かっしやわ)』の世界」氏家幹人(講談社学術文庫)

✿殿様には殿様の屈托がある。
幕閣での出世を願い、叶えられずに隠居した、平戸藩のお殿様の書いた随想録をもとに、筆者が考察する江戸の時代。
長い間、大名の上屋敷、中屋敷、下屋敷がどう違うのか、わからなかったが、この本を読んだおかげで具体的にわかるようになった。

⑮「ジュエリーの世界史」山口遼(新潮社)

✿ジュエリーの歴史の章で止まったままになっていた。今回、力技で読み通した。
最終章は良いジュエラー(宝石店)の見分け方を説いた、楽しい読み物になっている。




⑯「作家と楽しむ古典ー土左日記、堤中納言物語、枕草子、方丈記、徒然草」 堀江敏幸、中島京子、酒井順子、高橋源一郎、内田樹(河出書房新社)

✿各作品の現代語訳を手掛けた作家たちによる解説と質疑応答集。


⑰「「歴史認識」とは何かー対立の構図を超えて」大沼保昭、江川紹子(中央公論新社)

✿公平で、納得できる、良い内容の本だった。

⑱「闇の盾ー政界、警察、芸能界の守り神と呼ばれた男」寺尾文孝(講談社)

✿もうめちゃくちゃ面白かった。
裏社会、バブル、地上げ、失踪、・・・。

⑲「彼らは世界にはなればなれに立っている」太田愛(角川文庫)

✿すごく良かった。SFファンタジーミステリ小説。

⑳「爽年」石田衣良(集英社)

✿ボーイズクラブを経営するリョウのシリーズ。
面白くて夢中になり、あっと言う間に読了。
余韻が素晴らしい。

㉑「北の海」井上靖(新潮社)

✿著者の自伝的シリーズ、最終作。
舞台が沼津のため、親近感がある。
沼津中学を卒業後、静岡高校の入試に失敗した主人公は、柔道部の関係から、四高(現、金沢大学)を目指すことになる。

㉒「梅園哲学入門」三枝博音(第一書房刊、科学図書館)

✿ついついさぼって、後回しにしていた本。
前半は講演録と論文集。Q&Aの対話形式のものもあって、わかりやすい。

以下は本書の後半に収められていたもの。
漢文で書かれたものは、三枝博士による書き下し文に改められている。


「條理餘譚」矢野毅卿(三浦梅園晩年の高弟)
✿『玄語』の手引き書と言われている、未完の書。

「先府君孿山先生行状」三浦黄鶴(三浦梅園の長男)
✿梅園の一生とその功績を述べている。

「高伯起に復するの書」三浦梅園
✿『玄語』の内容に関する説明も含む手紙。

「再び多賀墨卿に答ふ」三浦梅園
✿『玄語』の入門書として名高い「多賀墨卿君にこたふる書」に続く、二通目の手紙。

「三たび多賀墨卿に答ふ」三浦梅園
✿三通目の手紙。

以上です。

✿タイトル画像は猫野サラさんからお借りしました。
ありがとうございました。

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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