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き・ごと・はな・ごと

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日本女性新聞に1997年4月~2001年3月まで月次連載した『き・ごと・はな・ごと』を随時掲載。全48回。 いにしえからの伝統ごとには、不思議なならいや言い伝えがあり、そこには…
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【き・ごと・はな・ごと(目録)】

日本女性新聞に1997年4月~2001年3月まで月次連載した『き・ごと・はな・ごと』を随時掲載中。…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第6回)】夏の風物詩、ホオズキ市のルーツ探訪

鬼灯の口付きを姉が指南哉 一茶 ホオズキの赤く熟した実を揉みほぐし、実汁と種を出して、息…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第8回)】はかない鷺草の命によせて

鷺草は、その花かたちを見れば名の由来がなんであるか一目瞭然、羽を広げた白鷺を思わせる白く…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第9回)】カイロ紀行―曼陀羅花木録(1)

10月の末から11月の半ばまでエジプトの首都カイロに滞在していた。帰国したばかりで体内時…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第13回)】つらつらと…椿の~枝でちんとんしゃん

祠が先か椿が先か。薮椿が咲くところにはたいてい神社や祠がある。逆に、お宮があれば、ほとん…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第14回)】東北の春に遊ぶゼンマイ採り

「ほれ、あったあった」 「えっ、これがゼンマイ?」 目をやると白いズングリとした塊がうず…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第15回)】フランス紀行―曼陀羅花木録(1)

初夏のフランスは午後9時でも真昼のようだ。10時近くになってようやく太陽が沈む。  その為に、明るいうちは目一杯歩きまわり、日付が変わってからでないと寝所に入らないクセが付いてしまった。時差ボケとオーバーワークのツケで、いまだ体内時計が狂ったままだ。 旅はパリから始まった。 訪れた初日、驚きを込めてこの目を捕らえたのは、マロニエの花だ。空港で拾ったタクシーが走りだしてほどなく、道路の両側に延々と連なる並木に、まるで聖火ランナーの掲げるトーチのような姿をした円錐形の花が飾ら

【き・ごと・はな・ごと(第16回)】フランス紀行―曼陀羅花木録(2)

香水の町として知られるグラースでのことだ。中心部から数キロ離れた花畑にでかけて戻る途中、…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第17回)】フランス紀行―曼陀羅花木録(3)

5月はバラのシーズンである。あちこちでバラ祭なるものが開催されるらしい。海外から業者や育…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第18回)】フランス紀行―曼陀羅花木録(4)

香水の町、グラースは「バラ博覧会」に沸いていた。このシーズンの恒例のイベントだというバラ…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第19回)】紅天狗狂奏曲―赤いキノコにゃ毒がある?

「そのキノコに出会ったとき、思わずキャーって叫んじゃった。だって、ディズニーの白雪姫の絵…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第20回)】秋を知らせる紅い花―彼岸花に寄せて

背中で母の声がする。「ああ、そこにほら、彼岸花!。あの紅い花、彼岸花っていうのよ。お彼岸…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第21回)】母たちの想いを伝える―乳母イチョウ

銀杏は古木になると木の幹や枝にコブのような突起を付ける。気根と呼ぶのだそうだが、それが成…

菅野節子
1年前
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【き・ごと・はな・ごと(第22回)】卯年に寄せて―蒲の穂におもう

うさぎ年である。新年の幕開けテーマはもちろん蒲。♪大きな袋を肩にかけ―大黒様が来かかると―♪と小学唱歌に歌われたように、因幡の白うさぎが大国主命に教えられ、鮫に赤裸にされた肌を包んだのが蒲である。子供のころ、♪ガアマの穂綿にくるまればあ~、たちまちもとの白うさぎい~♪と歌いながら、なんでガマなのか分からず不思議でならなかった。生まれてこの方、日常の生活圏のなかに蒲は全く見当たらず、蒲がどんなものであるかを知り、この目でシゲシゲ観察したのはごくごく最近のことである。 『古事記