【き・ごと・はな・ごと(第22回)】卯年に寄せて―蒲の穂におもう
うさぎ年である。新年の幕開けテーマはもちろん蒲。♪大きな袋を肩にかけ―大黒様が来かかると―♪と小学唱歌に歌われたように、因幡の白うさぎが大国主命に教えられ、鮫に赤裸にされた肌を包んだのが蒲である。子供のころ、♪ガアマの穂綿にくるまればあ~、たちまちもとの白うさぎい~♪と歌いながら、なんでガマなのか分からず不思議でならなかった。生まれてこの方、日常の生活圏のなかに蒲は全く見当たらず、蒲がどんなものであるかを知り、この目でシゲシゲ観察したのはごくごく最近のことである。
『古事記