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白魚


手のひらに収まる、ほっそりと透き通った容姿が美しい。
春の宵、隅田川にて白魚漁が盛んに行われたのは、今は昔。


それでも時代の波に乗って、
きらきらと泳ぎ着いたのは何だろう。

洗面所で跳ねる水飛沫のスパンコール。
日々増殖するコンタクトレンズの抜け殻。
何かを殺すための透明なハンドジェル。
夕暮れを飲み込んだ水面のペットボトル。
ちぐはぐな篝を灯す高層マンションの窓々と、
上り下りで色違いの尾を引くカーランプ。


日常をうねる、そんな白魚の群れ。

白魚(しらうお)


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