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白梅

梅には、数多くの異名がある。
早春、ほかの花に先駆けて咲くことから、
「春告草(はるつげぐさ)」
そのかぐわしい香りからは、
「風散見草(かざみぐさ)」「香栄草(こうばえぐさ)」等々。

その気品のある姿は古くから愛され、清らかな香気は桜にも勝る。

通勤の道すがら、梅木が塀を超えてこちらまで覗いている家がある。
その梢には今年も、美しい花が咲き始めていた。

口元のマスクを少しずらして顔を寄せる。

よし、今日も匂いがする。

白梅(はくばい)

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