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サッカー・シンガポール代表監督、吉田達磨氏が語る「成長するためには徹底的に想像し、経験せよ」

はじめに

みなさん、こんにちわ。
鎌倉インターナショナルFCのヨモケンこと、四方健太郎です。

今回は初めての試みで、鎌倉インターナショナルFMというラジオ番組っぽく名前を付けてみました。初回ということで私の自己紹介からしたいと思います。

現在、鎌倉インターナショナルFCというサッカーチームのオーナーをしています。その傍らシンガポールに住みながら、国際人を作るためのグローバル人材育成をおこなっていて、アジアの新興国を舞台に日本企業のビジネスパーソンに向けて、人材育成のプログラムを提供している会社を経営しています。

実は、2010年の南アフリカワールドカップの時に1年間かけてバックパッカーをやっていて、ワールドカップに参加する32か国全てに訪れる「世界一蹴の旅」というのをやっていました。そこで培った世界中のネットワークなどを使って、世界各国からゲストをお呼びしてみなさんにメッセージを届けられればと思います。

この番組では、鎌倉インターナショナルFCの情報はもちろん、国際色豊かなゲストを世界中からお招きして、グローバル社会・ビジネス・スポーツについて語り合い、リスナーの皆さんに新たな世界観をお届けしたいと思っています。

鎌倉インターナショナルFCは「鎌倉インテル」と呼ばれているのですが、イタリアにはインテルナツィオナーレ・ミラノという、「インテル」と呼ばれているクラブがあり、それと同じように鎌倉インテルと呼ばれています。

どんなクラブなのか?というと、2018年に選手一人からスタートしたクラブなんですけど、今はなんと関係者・選手・スタッフ含めると150人くらいの体制になっています。プロサッカークラブを作ろうというゲームがありますが、まさにリアルサカつくを地でやっている状態です。クラブは今年神奈川県2部というところで戦っていて、J1から数えると8部リーグに所属していることになります。

J3の下にはアマチュア最高峰のJFLがあってこれが4部ということになり、この先は地域や都道府県に分かれていきます。神奈川県の場合は関東リーグに属していて、関東1部・2部が5部・6部になり、そこから都道府県別に分かれていきます。神奈川県は1部・2部・3部まであり、上から数えると7,8,9部まで分かれていることになります。鎌倉インテルは9部からスタートして、丸2年経った現在は神奈川県2部、全国でいうと8部で戦っていています。

今年はコロナウイルスの影響で神奈川県リーグを始めることが出来ていなくて、今の予定だと9月から12月のおよそ4ヶ月でリーグをおこなう予定です。
28チームのうち、上位2チームに入ると神奈川県1部に昇格して、J7に昇格することが出来ます。

そんな鎌倉インターナショナルFCですが、インターナショナルというくらいですから今後Jリーグに入っていくことはもちろん、世界に飛び出していくクラブにしたいと思っています。

クラブのキャッチコピーは「徹頭徹尾国際化を意識したサッカークラブ」で、僕の経験や自分の仲間達をフルに活かし、全てをこのクラブに捧げたいと思っています。この鎌倉インターナショナルFCから世界中に人材を輩出して、世界中のファンを虜にするというクラブのビジョンを持ってスタートしています。

さて、記念すべき、第一回のゲストには、僕が住んでいるシンガポールでサッカー代表監督としてご活躍中の吉田達磨さんをお迎えして、番組をお届けしたいと思います。

メインパーソナリティ:
四方 健太郎(よもけんたろう)/ヨモケン
【鎌倉インターナショナルFCオーナー】

1979年生まれ。立教大学経済学部を卒業後、アクセンチュア株式会社の東京事務所にて、主に通信・ハイテク産業の業務改革・ITシステム構築に従事。2006年より中国(大連・上海)に業務拠点を移し、中華圏の日系企業に対するコンサルティング業務にあたる。独立後、1年かけてサッカーワールドカップ2010年大会に出場する32カ国を巡る『世界一蹴の旅』を遂行し、同名著書を上梓。(あわせて、経済界社より『世界はジャパンをどう見たか?』を上梓。)現在は、日本の大手企業のビジネスパーソン向けに、東南アジアなど新興国でグローバル人材育成/海外研修事業などを行う株式会社スパイスアップ・ジャパンなど国内外のグループ企業数社を経営。2018年に神奈川県鎌倉市をベースとする「徹頭徹尾国際化を意識したサッカークラブ」、鎌倉インターナショナルFCを立ち上げる。シンガポール在住。

鎌倉インターナショナルFC:https://kamakura-inter.com/
スパイスアップ・ジャパン:https://spiceup.jp/
今回のゲスト:
吉田 達磨(よしだ たつま)さん
【シンガポール代表監督】

2003年から10年間以上に渡って、柏レイソルの育成年代の指導者として活躍。日本代表・酒井宏樹ら若手選手を発掘・育成するなど手腕には定評がある。2015年より同クラブのトップチームの監督に就任。以降、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府の監督を歴任し、2019年5月よりシンガポール代表監督。選手としても柏レイソル、京都サンガ、モンテディオ山形でプレーし、キャリアの最後にはシンガポール(ジュロンFC)でもプレー経験がある。


海外挑戦、シンガポール代表監督就任への経緯は?

(ヨモケン)
初回のゲストとしてお呼びしたのは、サッカーシンガポール代表監督の(吉田達磨監督)です。よろしくお願いします。

(吉田達磨監督)
よろしくお願いします。

(ヨモケン)
ありがとうございます。初回のゲストとして達磨さんにお越し頂いて嬉しいです。達磨さんの主に日本でのご経歴、自己紹介を簡単にお願いします。

(吉田達磨監督)
今シンガポール代表監督をやっているんですけど、日本での監督としての経歴は柏、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府で監督をしていました。
各クラブを経て、シンガポール代表監督のオファーを受けて今ここにいるという形です。

(ヨモケン)
達磨さんとは、台湾にいる共通の仲間を通じてお互いの存在を知っていた仲ではありました。シンガポールのサッカースタジアムでたまたま声をかけて頂いて、試合後そのまま食事に行きましたね。

(吉田達磨監督)
そうですね。突然でしたけど。

(ヨモケン)
どんな経緯、想いがあってシンガポールに来たんですか?

(吉田達磨監督)
シンガポールは現役の最後でプレーしていた国でした。2019年シーズンのスタート時は監督業を中断している期間で、そこから半年後くらいにどこか誘ってくれるクラブがあれば監督をしようと思っていました。
その時、自分のなかで納得のいくスタートを切りたいと思っていたところ、日本サッカー協会を通じて僕のところにシンガポール代表監督の話がきました。

(ヨモケン)
シンガポールサッカー協会から日本サッカー協会に「良い監督はいないか?」という話しがあったんですね。
代表の監督をやるということは名誉の部分はあると思うのですが、言葉などの慣れない環境はありますよね。
例えば、ヨーロッパの監督ならやりたい人が多いかもしれないですけど、シンガポールだとFIFAランキング百何十位というなかで、なぜやりたいと思ったんですか?

(吉田達磨監督)
Jリーグで一定の経験があって、若手を育てる、シンガポールの将来につながるという部分で、自分が合致したと思います。ただ、最初はやりたいと思わなかったですね。

(ヨモケン)
どちらかというとJ1で監督をしたいという想いがあったんですか?

(吉田達磨監督)
かなりありがたい話しではあったんですけど、今回はないかなと思っていました。
ただ、Jリーグの監督を中心に何人かに相談するなかで「代表監督の経験はなかなか出来るものじゃない」という話しをされて、自分でもそう思うようになってきました。
代表監督をやるっていう機会はなかなか得られないですしね。

(ヨモケン)
そうですよね。数も限られていますし、発展途上国からは声がかかりやすいかもしれないですよね。シンガポールは(人口一人当たりあたり)GDPでいうと日本よりも上ですし。
代表監督のポストというのは、探しててもなかなかないチャンスですよね?

(吉田達磨監督)
もちろんです。特にシンガポールは教育も経済もビジネスも発達していて、英語圏でもありますし、とても安全です。
自分が選手をしていたときにも住んでいたので、(今回も自分が)生活している姿を想像することができました。

(ヨモケン)
自分の過去の経験や選手としてのルーツ、条件などのトータル面で自分の中で納得できるものがあって、最後は行こうと決断になったのでしょうか?

(吉田達磨監督)
そうですね。シンガポール協会の副会長がわざわざ日本に来てくれて、成田空港で2時間くらいラブコールを受けました。
それを受けてポジティブに考えるようになって、そこから決めるまでは早かったですね。


胸に付けるシンガポール国旗の重みは?

(ヨモケン)
今日は達磨さんからも、鎌倉インテルについてのご質問があるということでしたが。

(吉田達磨監督)
鎌倉インテルについては、実際は一体どういうクラブなのか?と思っている人が多いと思います。僕は鎌倉インテルの活動に少しだけ参加したことがあるので、何となくはわかるんですけど、クラブとしてどこに向かっていくのか、強くなってカテゴリーをどんどん上げていくのか、世界に選手を輩出させていくのか、鎌倉にインテルありみたいなとこに向かっていくのか、そのあたりのことを聞きたいです。

(ヨモケン)
インテルはどういうクラブなのか?ってことですよね。
選手、スタッフ、サポーターであっても、このクラブを通じて自分の世界観広がってくれたり、世界との接点ができればいいなと思っています。もちろんサッカーをやる以上、勝ちにいきますから、そういう意味で、Jリーグに上がろう、J1に行こう、その先のアジアチャンピオンズリーグやFIFAクラブワールドカップなども目指します。
ただ、当然勝ち負けの世界なので負けることもあるかもしれません。
そのなかで、僕たちは人を育てていこうとか、人と人が出会ってビジネスが生まれていくとか、サッカーを通じて仲間や新しい付加価値が生まれて世界に飛び出していく、こんなことができたらいいなと思っています。
Jリーグは、アジア戦略とかグローバル展開と言ってはいるものの、なかなか出来ていないことがまだまだあるのが現実で、僕はそこに対してもったいないな、惜しいなと思っているところがあります。
ゼロからクラブを作るのは大変ですけど、こんなことを2年前から始めています。

(吉田達磨監督)
素人目線ではあるのですが、これだけ大きなクラブを立ち上げるとなると、何を揃えていけばいいのか、なかなか想像がつかないですよね。

(ヨモケン)
いえいえ。達磨さんに素人目線と言われてしまうと、僕のほうが素人ですってなりますよ。(笑)
サッカーのことを熱く語ることはあるんですけど、実は僕自身は体育会系のサッカーの中で育ってきたというわけではないんですよね。
普通なら、学校のサッカー部卒とかをベースにしたり、会社のサッカー部の母体があったりとか、そういう形からスタートすると思います。
僕の場合、これをやりたいというビジョンがあって、それを文字ベースにしてから出来たのが鎌倉インテルで、そのビジョンに共鳴した選手やスタッフ、子供達が集まっています。
色んな正解があると思うんですけど、僕はビジョンが大事だと思ってこのクラブを作りました。
会社を作るときも、何かをやりたい、社会に貢献したい、何かの課題を解決したいからできるものだと思います。
鎌倉インテルは、そういう意味で、ひょっとしたら新しい形のクラブなのかなと思います。

(吉田達磨監督)
そうですよね。たくさんの人がサッカーを続けたいし、サッカーを通じて何かをしたい、これはサッカーを続けてきた人ならそう思いますよね。

(ヨモケン)
今日は達磨さんにゲストとしてお越し頂いたので、今度は達磨さんに色々話しを聞いていきたいと思います。
実際にシンガポールに来てみて、シンガポールのサッカーは日本とどんな違いがありますか?

(吉田達磨監督)
サッカーの社会的な位置付けは決して高くはないですね。お金も稼げないし、人もそこまで見に来ないです。
僕がプレーしていた約20年前のほうがサッカーは盛り上がっていて、経済の発展とともに反比例してスポーツに対する意識は低くなった印象があります。
なので、日本と比べることは基本的には出来ないし、あまりしていません。
ただ、代表チームに関していうと、マレー系の選手が多くて、身体的な能力が整っている選手がそこそこいます。
ただ、その分代表チームのなかには、勉強をあまりやっていない、サッカーだけをやり続けてしまったという選手が多いです。

(ヨモケン)
シンガポールは民族でいうと、マレー系、中華系、インド系がいて多民族国家と言われていますよね。選手はマレー系が多いんですよね?

(吉田達磨監督)
はい。どうしても中華系やインド系は一定の年齢から勉強やビジネスをやっていくなかで、マレー系はそこから残ってしまいます。
ただ、彼らもしっかりと教育は受けていて、戦術的な理解やこっちの提案に対して論理的に考える力は日本の選手と差はない印象があります。
代表監督は限られた期間なので、伝え方やコーチング、組み立て方というのはよりシンプルになりました。

(ヨモケン)
一度、僕は出張の時に、空港で達磨さん達の代表チームとすれ違う機会がありましたね。
その時に印象的だったのが、代表チームの日本人スタッフのウェアの胸のところにもシンガポール国旗が付いていて、自分の国ではない(シンガポールの)ナショナルフラッグが付いていたことです。
試合の時とかは、シンガポールの国家を聞く時はどんな気持ちなんですか?クラブチームの時とは全く違うものなんですか?

(吉田達磨監督)
クラブの時とは全く違いますね。やっぱりエンブレムはズシッとしているし、これが自分の国だったらものすごく重たいんだろうなと思いますよね。
やっぱり代表選手はすごいなと思いますね。

(ヨモケン)
重責とかメディアからのプレッシャーとかもあるんですか?

(吉田達磨監督)
メディアのプレッシャーはシンガポールではそこまではありません。
ただ、(多くはない)メディアの登場回数にしては結構プレッシャーがありますし、勝てよと煽られることはあります。

(ヨモケン)
今、コロナで中断になっていますけど、ワールドカップ予選に出てて、達磨さんとしての代表チームの目標はどこに置かれているんですか?

(吉田達磨監督)
全5グループのワールドカップ予選では、自分達よりも一つ二つ上の力を持っているイエメンやパレスチナと実際に戦ったのですが、かなり力の差はありました。そこで両国から勝ち点を得られたのですが、何より印象的なゲームが出来ました。
ただ、ウズベキスタンとサウジアラビアは実際に戦ってみて、強いなと感じました。サウジアラビアは、日本と同じくらい力はありますし、ウズベキスタンも然りです。ただ、ウズベキスタンはホームであれば、やれるなという手応えはありました。

(ヨモケン)
なるほど。予定では残り3試合残っているので、まだどうなるかわからないですね。
試合をやれるのか?というとこもそうですし、選手のコンディションも含めて色んな大混乱がありそうですね。

(吉田達磨監督)
一番厳しいグループではありますが、半分の試合を終えて3位につけているのは(ポット5に属する、あまり強くない代表チームの中では)僕らだけです。そういうなかでは、健闘していると見られていると思います。

(ヨモケン)
すごく期待しています。
同じアジアで、西野監督がタイを盛り上げて強くしていますけど、シンガポールでも勝ち始めれば盛り上がって、街歩けなくなるかもしれないですね。
そういうシナリオも期待したいですよね。


成長するためには徹底的に想像し、経験せよ

(吉田達磨監督)
鎌倉インテルは社会人サッカーチームで、選手はそれぞれ仕事もバラバラで、育ちや目標も違うなかで、どうやってクラブに対してのロイヤルティを得ているんですか?

(ヨモケン)
なるほど、プロクラブとか育成の下部組織だとある程度の共通目標などがありますよね。
先ほどもビジョンが大切だという話しをしましたが、例えば僕らクラブが大きな船だとしたら、船として、目的(地)って決まっていますよね。
ただ、そのなかで途中下車とか途中乗車をする人がいると思っていて、個人の個々の想いというのは、それぞれで尊重して自分で目指してもらえればいいかなと思っています。
その時々で、僕らが県リーグで戦う時と、ひょっとしたらJリーグに行く時とでは乗ってくれる乗客や船員の種類も変わってくるかもしれないし、関わり方は色々あると思っています。
かっこよく言うと多様性なのですが、そんな人達が1個のビジョンでまとまっているというのが答えになるのかなと思ってはいます。
結果的に今、クラブを取り巻く人達が150人くらいになっていて、練習一人から始まったクラブが3年目の今では1軍から3軍まであり、小学生のスクール生も20人くらいいます。
僕たちはまだプロクラブとして稼げていないのですが、スタッフはボランティアで関わってくれている人がたくさんいます。
みんなの想いとか熱意に惹きつけられて、人が集まっているなという印象があって、決してお金とかではないんですよね。

(吉田達磨監督)
クラブが大きくなっている時に、ステージが変わって乗客が変わっていくというなかで、それでも最初に関わっている人達が関わり続けるものができれば、ファミリーだったりシンボルになったりするのかなと思いますね。

(ヨモケン)
僕が人材育成の仕事をしていることも影響してるとは思うんですけど、(選手や関わってくれるみんなには)自分達のステップアップの踏み台にしてもらいたいと思っています。
ずっと一緒にいれればもちろんいいんですけど、一時的にいないとか、一時的しかいないとか、そういう人達もいるなかで、僕らが関わってくれた彼ら、彼女らになにかギブすることが出来たら、その人達はいつまでも感謝する気持ちでいてくれていると思っています。
そうするといつでも戻ってこれたり、来てくれたりするし、そういう風になるとクラブとしての価値も高まって、結果的に人の紹介とかで集まってくるんじゃないのかなと思います。

(吉田達磨監督)
すごい良い話しですね。

(ヨモケン)
まだまだ道半ばで、クラブが出来てからたった2年半ですから、この後どうなっちゃうんだろうという期待と不安はあります。

(吉田達磨監督)
僕自身、今までクラブで何かをやる時も、自分達が関わった教え子達がここですごく良いものを貰ったな、このものを次の世代に伝えていきたいなっていう文化が出来ていくイメージを持っていたので、すごく良い話しだなと思いました。

(ヨモケン)
達磨さんはご家族を日本に置いて、お一人でシンガポールに来られていますが、外国に住むって大変ではありませんか?

(吉田達磨監督)
そのハードルはこの国に関していえば低く、日本に限りなく近いと思います。
先進国ですし、治安を気にすることは全くないですし、外に出る時家の鍵がめちゃくちゃ気になるとかもないです。

(ヨモケン)
シンガポールは一般的に使われる言葉は英語ですが、言葉の心配はなかったんですか?

(吉田達磨監督)
英語は心配してませんでしたけど、時々不便はありました。
コンドミニアムに住んでいるんですが、家のドアの隙間から手紙が入ってきて、今度はこういう工事をしますので、いつまでにこういう物が使えてみたいな長い文章を読む時は苦痛でしたね。
サッカーに関しては、歯がゆいことはありますけど、すごくシンプルです。

(ヨモケン)
通訳さんとかはいないんですか?

(吉田達磨監督)
去年はアルビレックス新潟シンガポールのコーチがサッカー内での活動中のみいたんですけど、普段の生活とかオフィスワークの時は全くいなかったです。
英語の基礎知識は多少あるので、あとは慣れていくだけでしたね。

(ヨモケン)
多くの日本人は英語ができたとしても「英語できないんです」と言いがちなんですけど、自分の関心が強ければなんとかなるんですか?

(吉田達磨監督)
はい。特にこっちから発信をするということであれば、準備をすることが出来ますし、頭の中でシミュレートするだろうし、多分サッカーの練習中に多少は間違えてることがあるんですよ。
でも、選手は俺が言った通りに動いてくれていますし、伝わっています。
今間違えたかな?と思うことがあっても、考えずにトレーニングをしますし、ミーティングも言いたいことを言うようにしていて、パワーポイントに工夫を入れてできるだけ喋らないような仕掛けを作っています。

(ヨモケン)
完璧な英語をできるわけじゃないし、別に英語を教わりにきたわけじゃないから、むしろ自分が持っているスペシャリティを貰いに彼らも代表監督として呼んでいるわけですね。
本来のゴールは何なのかってことですよね。

(吉田達磨監督)
自分のミッションとかやることって考えると、選手にサッカーを伝える、頑張って動いてもらうことかなと思います。

(ヨモケン)
一つすごく気になることがあるんですが、日本は失敗したらどうしようとか、これ出来ないからとか、一歩踏み出せない人が多いイメージなんですが、代表監督を海外でやるっていうことに何も抵抗はなかったですか?

(吉田達磨監督)
最初は日本でやりたいと思ってましたけど、代表に行くってなってからは言葉の心配とかはなくて、不安にはなりませんでしたね。

(ヨモケン)
むしろそれを上回る新しいものを吸収したい、ワクワクするというような気持ちがあったんですか?

(吉田達磨監督)
言葉のことを考えなかったと言ったほうがいいかもしれません。
監督を始めるとなった時、選手の力やモチベーション、能力などを図るために、初日にどれだけのものを落とせばいいのか?みたいなことは考えました。
あとは、チャレンジすると考えると、日本で良い結果を出せずにクビになっているので、それを受け入れる時間はあったんですよね。
監督という世界は、みんなが同じ材料を与えられるわけではないので、フェアじゃないと言えると思うんですよね。
だけど、そのなかで何ができなかったのかを整理する時間があったので、失敗とか上手くいかなかったらどうしようとか、しばらくは考えていなかったですね。

(ヨモケン)
最後にすごい良い話しを聞くことができました。このラジオを色んな人が聞いていると思うんですけど、サッカーの指導者だったり、ビジネスパーソン、学生、海外にチャレンジしたいという人達に向けて、一言アドバイスやメッセージを頂けると嬉しいです。

(吉田達磨監督)
経験するという以外に解決策はないと思っています。
全てのことを経験することは不可能ですが、だからこそ想像する、徹底的に想像して色んなことを描くことで経験している状態に近づけることはできると思うんですよね。
だけど、チャンスが来たり、そこにチャンスがあるのであれば、想像をはるかに超える答えはそこにあるし、そこにしかないと思います。

(ヨモケン)
考えて言葉にしたり、表現したりすることでそういうチャンスが向こうからやってきて、リスクを取って経験をすることが成長の一番のキーだということですね。

(吉田達磨監督)
そうしていくうちに失敗とか気にならなくなってくると思うんですよ。
失敗しないように動くよりも、やりたいとかこうしたいとかを出していく技術みたいなものが大切かもしれませんね。

(ヨモケン)
深い話ですね。まだまだ色々聞きたいんですが、終わりの時間になってしまいました。
今日はお越しいただき、本当にありがとうございました。

(吉田達磨監督)
こちらこそありがとうございました。楽しかったです。

(ヨモケン)
この後も代表の活動はまだ続きますし、僕もいちファンとして、サッカーファミリーの一員としてシンガポール代表と(吉田達磨監督)を応援したいと思っていますので、ぜひ頑張ってください。


エンディング


ということで、シンガポール代表監督の吉田達磨さんにお越しいただききました。

最後に、達磨さんのこもった想いから、どうやったら自分の殻を破ることができるのか、次のステージに成長するためには、というところでヒントを頂けたような気がします。

ではみなさんまた次回、お会いしましょう。



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