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【家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。】

実は気になっていた作品の1つで
Netflixリリースを発見したのでワクワク、
期待通り。すっごくよかった。好き

登場する全キャラクター名言が溢れ出てくる。

まだ幼い頃に親を亡くす経験から
人が悲しむ姿が見られなくなっちゃったちえも、
踏ん張って頑張ってきたお父さんからも、
一度離婚を経験したじゅんさんも、佐野夫妻も…

やっぱり生身の人間が生きてきた時間の中には
紛れもなく美しい(澄んだ)瞬間があるなと。

【優しい言葉って、時々人を傷つける気がするんです】

この意味が、深く深く感じて。

言葉は例えば、
自分が伝えたかった方向に投げても
横から風が吹いてしまうとうまく渡せなかったり、
受け取る方もグローブを着けてなかったら
実は痛かったりする。

言いたいことがあるなら言ってよ、って
そうもいかない時もあれば
でもやっぱり人間はテレパシーが使えないから
どうにかこうにか思いを伝えようとする。

人間と人間は不思議なもので、
ちえの言葉を借りていうなら
〝どうにかなるんです〟なんだきっと。

近ければ近い人ほど
その人の事を知らないんだなって思ったのと、
添い遂げる事も別れることも
形式ではないし定義もないなと思いました。

エンディングのチャットモンチーの歌もとってもマッチしていたし
全体のまとまりが良い、
且つ、奥ゆかしい上品な作品でした。

漱石の言葉を借りて何回も気持ちを伝えているのに
じゅんさんはなんで気付かないのかなってむしゃくしゃしてたけど、
一歩引いて映画全体を見たときに
それを無茶に引っ張り出すような露骨さだったりいやらしさが無くて、
自然体で文学的なステキな作品でした。

こんなクリアな作品を目にしていいのかと、
何故か不安になる、そんな深夜です。

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