夢の詩

願望
音楽と子守歌のちがい
眠気
連続

 一秒ごとに覚めて夢になっていく ふと見た窓の向こうは常に青い夕暮れ、金属のような夕日、それに裁断されていくものたちのことをぼくは見ることができないが
 囲まれているのに、地平線をみているような気分だ
 ただ、──海が怖い 人が怖い 愛が怖い さざなみと遠くの教室から聞こえる合唱練習の声が怖い 覚えていないかわりに感じることができる 曇り空の眩しさも、先生の向こうにあった画用紙の棚も、白い画用紙の厚みや質感も、なにもかも「だれも知らない」
 ぼくにもできるということの虚しさ 例えること、同じだということ、世界になりたいのかなあ、それとも記憶になりたいのかなあ、
 ぼくは
 ぼくの見る
 弾ける幻覚
 噛み砕かれたことば
 チョコレート
 どこにもいかないで
 無痛のガラス
 なにもかもが恐ろしいのは、ぼくがなによりも恐ろしいから

 隣の布団にきみがいて、これから眠ろうとしていることに気づく
 パロディーであることを許すもの
 ぼくはまだ、ロマンティックがどういうことかわからない

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