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【癌日記42日目】手術当日の驚き/卵巣癌・子宮体癌

手術当日も翌日の気が狂うような痛みのなかでも個室にしておいてよかったと思った。手術の前日の夜に下剤を飲み、その夜は何度もトイレに行くことになるし、当日は手術の前に浣腸をして、これまた何度かトイレに行く。個室にはトイレとシャワーがついているので本当に助かった。

自分で手術室まで歩いて向かい自分で手術台に登る

テレビの医療ドラマでは、手術室にはたいていガラガラとベッドに寝かされて運ばれるけれど、私の場合は点滴を押しながら自分で手術室に入った。

入口で名前を聞かれ、何の手術を何の目的で行うのか自分で言うように促される。

前日の誤算とは裏腹に、ここでパジャマと下着を全部脱いだ。下着を買いに行ってもらわなくても大丈夫だったかもしれない。

そこからは全部が指さし確認、先生はこんな手術をします。予定時間はこのぐらい出血量はこのぐらいを予想していますというような声や看護婦さんが1つひとつ確認しながら装置を確認する声が聞こえた。

わたしの手術を担当してくれたスタッフはたまたま全員が女性だった。きびきびと誰一人慌てることなくプロフェッショナルに身をまかせている感覚だった。

背中に麻酔がはいってから記憶がない。

気が付くと手術は終わっていた

気が付くと「終わりましたよ」「しっかりとりました」「全部予定を併せてもらって最短で手術ができてよかった」という声が聞こえて、「ありがとうございます」と答えた記憶がある。

次に気が付いたのは個室に戻って酸素マスクをしていた。あっ。「私生きている」って思った。

手術前に一番大切なことを忘れていた

比較的大きな手術のため、手術で命を落とすことはゼロではないと覚悟はしていた。この1カ月でいろいろなものを整理してきたけれど、最後に夫に私になにかあったときのために、銀行や証券会社の暗証番号のメモをわたそうと思っていたのに忘れたことを後悔しながら手術室に入ったけれど、ひとまずセーフ! まだ時間があると思った。

しばらくすると夫と娘が元気に入ってきて。話しかけてくると元気が出てきた。病気になってから、子供の元気さにどれだけはげまされたかわからない。そばにいるだけで元気がでてくる。

夫と娘が面会を終えて帰ると、看護婦さんが背中に氷枕を入れてくれたり、定期的に血圧と体温を測りに来てくれたりした。

夫と娘がいたときは元気だったけれど、そこからは自分でも手足が真っ白になっていくのがわかった。

看護婦さんが何度血圧を測りにきても80を少し超えるか超えないかというぐらいでこのままどうなるんだろうと思いながら、1時間おきに目が覚めてまた眠るを繰り返した。

手術自体はプロにお任せしていることと、麻酔で記憶も痛みもないので怖いとか辛いということはなかったけれど、手術の翌日は気が狂うかと思うぐらいの痛みとカラダの辛さがあった。

この日記は以下のマガジンにまとめています。

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