自分に負荷をかけ続けてはいけない
こんなへなちょこの私でも、たまにスポーツジムに行くことがある。
そこでは、筋肉の中に体が隠れてしまいそうなくらいの人たちが、バーベルやダンベルを持ち上げたり、ランニングマシンで汗を流したり、そのほかいろんなマシンを使ったりしている。
ものすごく重い鉄のかたまりを持ち上げている人たちは、きっとそれによって、筋肉を鍛えて大きく、太くしているのだろう。聞くところによると、筋肉に負荷をかけることによって、筋肉の細胞が破壊され、それが再生されるときに、以前よりも強い筋肉細胞になるのだそうだ。
つまり、筋肉を大きく、太くしようと思えば、負荷をかけて細胞レベルで一旦破壊する必要がある。
でもよく見ていると、毎日のようにジムにきている人たちは、バーベルやダンベルを置いて、じっと座っていることも多い。1分重いものを持ち上げた後は3分くらいはじっとしている。
また、パーソナルトレーナーといっしょにトレーニングをしている人もいる。おそらく、その人にあったメニューを作ってもらって、それに沿って鍛えているのだろう。
パーソナルトレーナーについてもらっている人に聞くと、たとえば、腕や足など特定の同じ筋肉を毎日鍛えるのではなくて、腕を鍛えた次の日は足を鍛える、というのがいいと言っていた。毎日同じ筋肉に負荷をかけ続けるのは、逆効果だそうだ。
つまり、その日その日のトレーニングの中でも、かならずレストをいれているし、毎日同じ筋肉に負荷をかけないようなメニューを組んで、回復の時間を取っている。
留学生でもそうだけれど、勉強や仕事、日常生活でも、自分に負荷をかけて精神的な強さを得ようとしている人がいる。
そんな人を見ていると、中には、一日中まったくレストを入れずに精神的な負荷をかけたり、精神の回復の時間を取らない人がいる。そして、長い時間がたつと、どこか調子を崩してしまう。
筋肉と同じで、もしかすると精神も負荷をかければ強くなるのかもしれない。精神に細胞のような部分があって、それが一旦破壊され、回復するときに以前よりも強くなるのかもしれない。
でも、なにも考えずに、一日中負荷をかけ続けたり、長期間回復の時間を持たなかったりすると、筋肉と同じように、それは逆効果になるだろう。
だから、もし負荷をかけて精神を鍛えたいのであれば、そこにもパーソナルトレーナーのような存在が必要なのかもしれない。
もしそうであるならば、現地で留学生達をサポートしている私たちは、いろんな意味で、彼ら彼女らのパーソナルトレーナーになることも必要なのかもしれない。
ジムで筋肉を鍛えている人たちを見て、そんなことを考えた。
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