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「野党ならぬ野人」

2020/6/12

東京では一昨日あたりから雨の日が多くなってきて世間はもはや梅雨。
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絶好の苔シーズン到来ということで、どういうわけか自分のカメラロールに沢山保存されている苔が生えている場所や物の写真を本日の投稿としたい。
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日本に"転がる石に苔は生さない"ということわざがあるが、英語にも似たことわざがあり、それぞれで意味の捉え方が正反対に違うことから、
日本人と欧米人の考え方の違いをよく表しているとして折りに触れて紹介される。
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日本では苔を尊い物として捉え、
「フラフラと落ち着かないで過ごしていると、いつまで経っても苔が生えず、人間に深みが出ない」という意味合いで使われる。
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対して欧米(主に米国)では苔を異物と捉え、
「長く一か所に留まっていると、フレッシュな状態を保てず苔が生えてしまう」といった文脈で使われる。
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こうした印象による違いが日米両国の国民性や事情の違いを表現するのに適しているため、
"転がる石に苔は生さない"ということわざが時折取り沙汰されるわけである。
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自分は、このことわざに関しては完全に米国人寄りの考え方を採用している。
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採用しているというか性格的に採用せざるを得ないと言った感じなのだが、自分は基本的に飽きっぽく、なおかつ我慢を知らない。
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それゆえ、特に日本においては人生の大きな割合を占めてしまうのが困るのだが、仕事や職場選びの点で非常に不利だ。
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社会人になって10年ほどになるが、既に転職は4回。雇用形態や職種にもよるが、10年で4回は間違いなく多い側に入るはずだ。
また、一時は通常の仕事ではなく芸事などで身を立てられんもんかと試行錯誤した時期もある。
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現在は幸いなことに、ハッキリ言って人によっては天国とも言える労働環境で働いているのだが、まだ転職から2年経っていないのにも関わらず、
結構もう飽きたなあ、という感じがしている。
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それで最近は、週5日8時間以上働くという、いわば日本の正社員雇用の常識であるが、それ自体が自分にはフィットしていないのではないか、と思っている。
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これは常識を疑わない保守的な人からすれば、そんな発想自体が怠惰で、甘えで、お前バカか?その年でまだまともな社会人になれないのか、といったところだと思う。
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だが自分は、その「週5日8時間も働きたくないでござる」という考えに囚われ始めたら、もう止まらないのでござった。
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それで、まあ近いうちにそんな働き方を実現してみせると心根で決意しつつ、
たまたま母親と電話で話す機会があったため、上記の考えを披露した。
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うちの母親は考え方の寛容な人、というか従来の日本的雇用習慣で美味しい思いをしていないため保守的に考える必然性がない人なので、自分の上記の考えについて、むしろ肯定しながら話を聞いてくれた。
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母は、「しかしなんであんたは決まりごとに反発ばかりするのだろうね」というので自分は、
「まあ、既存権力への反発を信条としている辺り、野党なんだね俺は」と回答。
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したところ母は、
「多くの人を動員して組織で反発するなら野党だけど、一人でやってるだけだから"野人"だね」と言った。
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自分は埒外の人間だったのか。なかなか上手いことを言う。

このロクでもなくやはりロクでもない世界の目を瞑ってはいけない部分を目を見開いて見た結果を記してゆきます。