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私的スタンダード #朝食編

朝ごはんに何を食べているのか人に聞くのが好き。

朝食は、誰かと暮らしていても、ひとりで食べる人が半数以上を占めるらしい。自分で何を食べるか決めて、自分で用意している人が多いからこそ、〝その人ならでは〟の価値観が出やすい。

私の話。

実家で暮らしていたときは、食パンにジャムやチーズを乗せて食べることが多かった。食パンは、しっかり咀嚼する必要がある。おいしいパンならいいのだけれど、安価で、買ってから日数が経っているものだと、噛めば噛むほどいまいちな味が口の中に広がる。おいしくなくて飲み込むのをためらう。しかし、飲み込むまでの時間が長くなるほど、チープな味が口の中にとどまって拷問のようだ。トッピングをおいしいものにしてごまかしていたけれど、あるときから、身体が受けつけなくなってしまった。

だけど、朝食はぜったいに食べたい。食べないと脳をフル回転させようとしても動きは鈍い。

一時期、朝のすき家にはまっていたこともある。
白米に味噌汁、オクラと温泉卵の小鉢、納豆が300円台で食べられる。焼き魚を付けても400円台だ。しかも、おいしい。特に、卵かけごはん用の醤油がおいしい。昼・夜とは毛色の違うメニューで、一日に2回すき家になっていいのもポイントが高かった。
だけど、すき家まで行かないといけないのもそうだし、卵かけごはんや納豆は食べるまでに時間がかかるのがわりとネックで、足は自然と遠のいた。

社会人になってからは、今まで以上に朝が苦手になる。起きるのがとにかく辛い。出発の10分前に起きて、寝ぐせはついたまま着替えだけして出発することも増えた。行きの車の中でパンを食べていたけれど、朝の会社員の胃袋は、固形物を受けつけない。でも、何か流し込まなければとたどりついたのが、スープだ。

フリーズドライのスープは種類が豊富で、さまざまな味を楽しめる。お湯を注げばいいだけと手間もいらない。ただ、やけどしない温度に冷めるまで待たなければいけない。お湯を沸かす時間も必要だ。朝の忙しい時間に、その待ち時間がもったいないと感じる。咀嚼が必要なくて、待ち時間もない食べ物があれば、と探して次にたどりついたのがヨーグルトだ。

ヨーグルトにはちみつを入れて、何とか胃袋におさめる。身体が拒否している感じはせず、いい感じ。でも、それだけだと、やはり昼まではもたない。硬くないもので、作るのも食べるのも片づけるのも時間がかからず、腹持ちがいいものを探したところ、バナナを見つけた。初めてバナナを思いついたとき、我ながら天才かと思った。何も使わず皮を剥けて、一口ずつ口に入れられるフォルム、飲み込みやすい硬さで栄養バランスもいい。

朝食に何を食べるかは長らく試行錯誤を重ねてきたけど、ヨーグルトとバナナのセットが5年以上私のスタンダードになって定着している。

朝食のスタンダードは、人によって違う。みな試行錯誤していて、そこに行きつくまでの話を聞くのも面白い。

最近は朝活や筋トレをしていて、生活習慣も変わってきた。
新しいスタンダードに更新してもいいのかもしれない。
みなの朝食を参考にしつつ、『私的スタンダード』を進化させていきたい。

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