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52ヘルツのくじらたち。

みなさん、こんにちは。

ki_mo_chiです(*^^*)

また少し間が空きました。その間でもいいねなどありがとうございます。

嬉しいです。


さて、今回は、町田そのこさんの作品「52ヘルツのくじらたち」

より、心に響いた言葉をご紹介します。

あらすじは・・・


52ヘルツのクジラは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。

それでは、みなさんにも心に響くことを祈って。



「どうして、こんなところにいるんだろうね」
ちいさな独りごつ。何もかも捨ててここに来た。なのに、わたしだけ置いていかれたような、そんな焦燥感が胸の奥で燻っている。今すぐどこかへ行きたくて、でもそのどこかはここのはずなのに。
何もかも捨ててここに来た。なのに、わたしだけ置いていかれたような、そんな焦燥感が胸の奥で燻っている。今すぐどこかへ行きたくて、なのに、わたしだけ置いていかれたような、そんな焦燥感が胸の奥で
みんな、いずれは私のことなど忘れ去ってしまうだろう。もう、誰とも関わり合いたくない。そう願ってそれを叶えたのに、温もりを求めている。寂しいと思ってしまう。
何ひとつ傷つくことのない1日の始まりのはずだ。憂うことは何もない。なのに、彼がいないことを思うだけで、オセロの駒がひっくり返るように最悪な1日になる。置いていかれた絶望に、心が千切れそうになる。もう、今日という日は穏やかには過ごせない。
思い出だけで生きていけたらいいのに。たった一度の言葉を永遠のダイヤに変えて、それを抱きしめて生きているひとだっているという。わたしもそうでありたいと思う。共にあった日々で身を飾り、生きていけたらいいと心から願う。でも、ダイヤに変えられるほどわたしは高潔ではない。生々しいほど愚かで弱い人間で、そして拭えない罪を犯した。
孤独の匂い。この匂いはとても厄介だ。どれだけ丁寧に洗っても、消えない。孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心に滲みつくものなのだ。この匂いを消せたと言うひとがいたら、そのひとは豊かになったのだと思う。海にインクを垂らせば薄まって見えなくなってしまうように、心の中にある水が広く豊かに、海のようになれば、滲みついた孤独は薄まって匂わなくなる。そんなひとはとてもしあわせだと思う。だけど、いつまでも鼻腔をくすぐる匂いに倦みながら濁った水を抱えて生きている人もいる。わたしのように。
無性に悲しくなって、気づけば52ヘルツのクジラの声を聴く時間が増えていた。しかし私のような人でなしの声など、きっとだれも聞いてはくれない。いや、こんな声は誰にも届かない方がいい。
ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、もらってばかりじゃいかんのよ。親になれば、尚のこと
ひとの目を見て話す人間こそ正しいって。
人には魂の番がいるんだって。愛を注ぎ注がれるような。たったひとりの魂の番のようなひと。あんたにも絶対いるんだ。
52ヘルツのクジラとはほかの鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
今この時、世界中に52ヘルツのクジラたちに向かって。どうか、その声が誰かにとどきますように。優しく受け止めてもらえますように。わたしでいいのなら、全身で受け止めるからどうか歌声を止めないで。私は聴こうとするし、見つけるから。わたしが二度も見つけてもらえたようにきっと見つけて見せるから。わたしでいいのなら、全身で受け止めるからどうか歌声を止めないで。私は聴こうとするし、見つけるからわたしが二度も見つけてもらえたようにきっと見つけて見せるから。だからお願い。52ヘルツの声を、聴かせて。


いかがだったでしょうか?

胸が苦しくなったり、あたたかい涙を流しながら

丁寧に読み進めていきました。

でも、終わったとき心が少しだけ豊かに、やさしくなった気がします。


気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?


それではまた(*^^*)






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