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電車に乗れない…『したくない』を追い求めたらホテル暮らしにいきついた。

実は……私はパニック障害です。

軽くなったけど、今でもたま〜に混雑した電車やエレベーター、歯医者で治療中にも症状が出ます。
15年前。電車に乗れないほどひどい時があったんです。

もう満員電車には乗りたくない……。会社の近くに住みたい……。

ふと思ったのがホテル暮らしをしたいの始まりだったかもしれません。


恐怖の通勤電車

26歳で転職。念願の職につきウキウキしながら横浜で一人暮らしを始めました。

パニックのきっかけは〈横浜→新橋〉の朝の東海道線。

朝の通勤時間帯、2・3分おきにくる電車なのに、人の息で電車の窓ガラスが曇るほどの乗車率。足の踏み場もなくて爪先立ちになることも!
12歳から電車通学をしてきたけど、さすがに未曾有の混雑でした。

駅員さんに押し込まれた車内に乗り込むと、155cmの私の周りはサラリーマンの背広で間で目の前が覆い尽くされる。物理的に圧迫され呼吸ができません。周りが見えず、気晴らしになる携帯もいじれないってしんどいんです。


横浜をでた電車が次に泊まる川崎駅までの時間は10分。扉が空いて人が動く時が新鮮な空気を唯一吸えるタイミング。

うまくいけばの話。

途中、並行して走る路線(京浜東北・山手)で非常信号を受けると、途中で停車してしまい動かない。いつ次の駅にたどり着くかわからない車内。押しつぶされた私は苦しいまま。

「いつになったら解放されるの?」

ある日は、出発したと思いきや急停車。「急病人が出たためお待ちください」とアナウンスが流れる。目の前にホームが見えるのに、扉は開かない。

「こっちが病人になるわ。」

1ヶ月に1度くらいならいいんです。
私には毎日の出来事に感じるくらい、頻繁に起きていました。

閉ざされた空間、ホームは見えているのにおろしてもらえない苦しさが、自分で自由にコントロールできない恐怖に変わっていたのです。

きっと転職による環境変化。ちょうどそのこと一級建築士の資格試験に挑戦中で勉強で寝不足。いろんな要因が重なったんでしょうね。

電車に乗る前から過呼吸の症状が発生するようになりました。

日に日に電車に乗れなくなっていった私は、電車がすいているであろう6時頃の電車で出勤したり、時間はかかるけど空いている路線に変えたり、電車に乗る時にはペットボトルと飴を準備して「大丈夫」と自分に言い聞かせていました。

照明設計の仕事をしていて、夜暗くなってから商業施設や現場でライトアップ実験。終電で帰って、翌朝は6時の電車に乗る・・・
切実に感じました。

あああああああ〜〜〜〜
会社の近くに住みたい!!
電車に乗りたくないー!!

その後も転職や引越しをしましたが、自分の体調を自覚してからは、遠回りでも空いている電車でいく路線、もしくは下りで出勤できる場所を選んでいました。

横浜で家を購入した時には、そこから自転車で通えるみなとみらいで職場を決めました。仕事内容も好きだってし同僚も大好き。これはこれで楽しかったなぁ。自分の症状を忘れるくらい。(歯医者だけが悩み)


ただ、しらないうちに家の場所に囚われた行動範囲になってしまっていたんですよね。家を手放して東京に暮らし始めたら、あらゆる遊び場が近くてこれまたカルチャーショックだったわけです。

「ホテル暮らし」がわたしのアンテナに引っかかった

東京に引っ越したわたしはまた1時間かけて通勤を始めました。でも症状との付き合い方・通勤の仕方をクリアしてそつなく暮らしていました。そんな私に、突然「ホテル暮らしをしている人が世の中にはいるんだよー」という情報が舞い込みました。

2018年の秋だったと記憶しています。

その時わたしピンっと来ちゃったんですよ!

ホテルに暮らす

仕事場の近くに住める

電車にのらなくていい!

あらゆる情報がピターッとつながった瞬間です。

普通だったら「へえぇ、そんな人もいるんだねぇ」で終わるところだけど、わたしはすぐに近所のホテルの宿泊費を計算しました。もうわたしは大丈夫と思い込んでいたけど、潜在意識のどこかでは電車への嫌悪感が残っていたんでしょうね。ホテル暮らしというスタイルを知ってから、どうやったらそれができるのかを模索するようになっていました。

当時のわたしはホテルといえば名前の知れたホテルしか知らず、あまりに高額に打ちのめされました。ただ、この費用をどうやって捻出しようか前向きに考えられたんです。そうすると必然的にホテル情報やサービスの話題に敏感になっていました。

なんでホテル暮らししようと思ったの?と聞かれると「ホテルインテリアが好きだから自分の目で見て体験して回りたい」と答えています。

これは本音!

ただ、4日前に突然ハッとしました。
よくよく考えてみたら本当のきっかけは、苦しかった時のあの気持ちを手放したい、満員電車に乗りたくない!家事したくない!ネガティブから生まれたホテル暮らしという選択だったんじゃないかなってね。

「したい!」から始まったわけではないホテル暮らし

キラキラしていない理由で期待外れかもしれないけど、そんな理由でホテル暮らしをはじめてもいいんだよ。


私と同じように悩んでいる方は少なからずいると思うんです。
しかもこの症状になるきっかけは自分が思うよりもあふれています。疲れが溜まっていた。もともと少し体調が良くなかった。ストレス過多。

ホテルといえど豪華絢爛なホテルに住むのではなく、洗練されたカプセルホテルやビジネスホテル30日プラン、ホテルのサブスク、長期滞在型ホテルサービスを探していると、都内賃貸マンションより固定費が安くなる可能性もあります。
オリンピックの影響でホテルの数は増え、コロナの影響でホテル費用も値下がりしています。

ホテル暮らしって

贅沢じゃないよ!
わがままじゃないよ!

電車に乗らないことで精神状態が落ち着くのであれば、それはきっとあなたにとって最良のライフスタイル。

リモートワークもできる時代だから、わざわざホテル暮らしをしなくてもいいけどさ、『どうにもならなかったらホテル暮らしすればいいじゃん♪』と選択肢があると気持ちが楽じゃないかな?

同じような環境で悩んでいる方の参考になると嬉しいです^ ^

アドレスホッパーのリアルをお届けします。みてくれた誰かの参考になるよう、生き方の選択肢の1つになるようお届けします。