vol.1 『アカ ヨシロウとファッション』
はじめに
夫はいつも「着たい服」を着ている。
洋服に対するこだわりは尋常ではなく、一緒に買い物に出かければ夫の方が洋服選びにかける時間が長い。自分が納得できる丈、柄、素材、価格でない限り購入に踏み切らないが、自分が納得できたときの決断は実に潔い。自分のものに対して相当こだわりの強い夫のことを「おしゃれ」だと考えているのだが、一般的に「おしゃれな男性」なのかどうかは分からない。夫が服を着こなすとき、おしゃれに見せるテクニックも「女子ウケする」もない。「僕が着たいから着てる」そんな夫とお洋服の特集。夫が大好きなお洋服とこだわりの話。
目次
・はじめに
・アカ ヨシロウとファッション
・アカ ヨシロウに一問一答(ファッション編)
・アカ ヨシロウとその妻、お洋服対決!
・編集後記
アカ ヨシロウとファッション
アカ ヨシロウ
1988年千葉県生まれ。フリーライター。前職は食品卸売会社にて輸入肉の仕入れとシステム担当を歴任。趣味は登山と映画鑑賞。好きな言葉は「日々是勉強」「為せば成る」「ケ・セラ・セラ」。
月刊アカ ヨシロウ、記念すべき第1回の特集は『アカ ヨシロウとファッション』だ。
大学の研究室で出会った当初から、彼は周りの学生とは違ったファッションセンスの持ち主だった。社会人となっても彼のファッションセンスがブレることはない。スーツで過ごすことになっても、必ず自分の体格に合ったスーツを着こなし、目を引くデザインのネクタイを好み、自分のこだわりを貫いた。
今回の特集では、彼のお気に入りのコーディネートを2つ紹介する。1つ目はアメリカ国旗が目を引くニットと革ジャン、オーダーメイドの靴のコーディネートだ。
アメリカ国旗が目を引くニットはデニム&サプライ(2016年にブランド終了、ポロに集約)で購入。店内に入ったときから目をつけていた1着。このコーディネートについてコメントしてもらった。
「このアメリカのニットいいでしょ。結構一目惚れに近いアイテムだなぁ。こう写真で見ると、腕とか細いなぁ。ジャケットも結構気に入っていて、ラインが細くて好き」
「学生の頃に買ったGO HEMPのジーンズ。大きなポケットが面白くてお気に入り。恥ずかしい話だけど結構ボロボロで、よく見るとツギハギしてなんとか履いているんだよ笑。その時々のファッションによるけど、ヒッピースタイルが好きだからタイトよりダボめのジーンズが多いかな」
「井上篤さんの靴。この人の靴、遊んでて好きなんだよな~。写真じゃ分かりづらいかもだけど、つま先は赤色で側面が緑色に染めてあって、履けば履くほど馴染んできてお気に入り。好きすぎて靴底が減ってきたから、修理をお願いしないとなー。」
2つ目のコーディネートは、賑やかな柄が目を引くウィンドブレーカーとトレッキングシューズのコーディネートだ。
エスニック&アジアンファッションの『チチカカ』で購入したウィンドブレーカー。鮮やかだが決してド派手になりすぎない絶妙な柄だ。
「先月チチカカでセールで見つけたアイテム。家の近くの散歩とか、気軽に使えるパーカーが欲しかったからちょうどよかったんだよなー。これならシーズン長く使えるから便利だと思う。僕のトレードマークにしようかな~」
「この登山靴は10年以上の古い付き合いなんだよなぁ。登山靴だから頑丈ではあるんだけど、壊れなくて流石にビビってる。全面革の登山靴でデザインが珍しいから気に入っているなぁ。靴紐は脱ぎ着がメンドイから雑に縛っているけど、本気で歩く時はキチンと締めるよ」
今回紹介したコーディネートの他にも、こだわりのコーディネートは存在する。鮮やかな若草色のロングTシャツにガラス玉のネックレスを合わせたヒッピー風のファッション。夏には派手な柄シャツを着こなし、1つ目のコーディネートで着用した革ジャンで寒さが凌げないときは『スパイダーマン:ホームカミング』でマイケル・キートンが着用していたような革ジャンを着て出かける。どの季節にも、彼なりのこだわりが滲み出ているのだ。
アカ ヨシロウに一問一答(ファッション編)
アカ ヨシロウの一問一答。
ファッションへのこだわり、その原点が見えてくる回答となった。
ーブランドに興味はある?
あるね〜。
ー好きなブランドは?
GO HEMP、ポール・スミス、デニム&サプライ(2016年にブランド終了、ポロに集約)
ー古着とブランドなら?
ブランド。
ーその理由は?
実績からだね。これまで洋服を探してきたけど、結局古着で買ってないから。
ー好きな色は?
緑。
ー苦手な色は?
黒。
ーついつい選んでしまう色は?
青。
ー好きな素材は?
ヘンプ。
ーリュックサックとトートバッグなら?
リュックサック。
ー革靴とスニーカーなら?
・・・登山靴!
ーシャツとTシャツなら?
最近シャツ。
ーTシャツはもう着ないの?
老けてきたから(着ない)。襟付きじゃないと、様にならないというか・・・。ちょっとゆるすぎる。ヒッピーに見られすぎちゃう。
ータートルネックとVネックなら?
Vネック。
ーキャップとハットなら?
被んないけど、しいて言うならハットかな。
ースキニージーンズとワイドパンツなら?
ワイドパンツ。
ーお洋服を自分でつくってみたい?
みたい。
ーつくってみるとしたら何をつくりたい?
Yシャツ。
ー旅行先に必ず持っていくアイテムってある?
ハイキングシューズ。
ー映画に登場してくるファッションで好きなものは?
スター・ロードみたいなやつ※。
※映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に登場する主人公ピーター・クイルの通称。
ーこれは似合わないな・・・ってファッションは?
RADWIMPSみたいなやつ(参照元:WEAR「野田洋次郎」風コーディネート)。
ーおしゃれするときのこだわりは?
妥協しない。妥協しないし・・・サイズ感は妥協したくない。少しでもサイズが違かったら買わない。
アカヨシロウとその妻、お洋服対決!
記念すべき第1回の対決企画は「〇〇に行くときの格好」での3本勝負。
お洋服対決ということで、ファッションコーデアプリWEARを活用し、お題に沿ったデート先でのコーディネートをピックアップしていく。
当初はお題に沿ったコーディネートをピックアップしていく企画だったが、妻のチョイスは徐々に「ヨシロウさんに着てほしい」という願望に・・・。
<お題>
・金沢21世紀美術館デート:冬
・六本木クラブデート:春
・海外旅行inポートランド:夏
<金沢21世紀美術館デート:冬>
妻チョイス①
出典元:https://wear.jp/syun0809/13970639/
かほ「彼のファッション、”美術館”感ない?!というか、とてつもなく偏見ですが・・・彼のTHE・文系男子、THE・サブカル男子な雰囲気が好き。おしゃれパーマにメガネ、チェスターコート、カーディガン、靴下チラ見せで可愛い革靴履いて・・・サブカルおしゃれ男子ホイホイですな!」
ヨシ「あっはっはっはっは。いいね。なるほど美術館デートかー、カワイイですな~。細身の男の子が大きめのアウターを着る感じ。これがいわゆる『萌え袖』ってやつなんかな? うーん勉強になるなぁ。僕もやってみようかな~~。」
妻チョイス②
出典元:https://wear.jp/mrflyycampbell/12003322/
かほ「このお兄さんがかっこいいだけかもしれないけど、色と色を合わせる感じがとても好き。ロン毛パーマでヒゲモジャなヨシロウさんがこのコーデを着ると、美術品より目立ってしまう可能性があるものの、まあ、ヨシロウさんはやっぱり、派手でなんぼだと思う」
ヨシ「イイ人見つけてきたね~。うーんコッチもカワイイ。そうだよね、このお兄さんみたいに着こなすってのはステキだね。僕が着ると肌の色が明るくなっちゃうから、結構可愛くなっちゃうと思うけど、確かにこれぐらい派手にしたほうが僕には似合いそうだね。」
ヨシチョイス①
出典元:https://wear.jp/tako3991/11897044/
ヨシ「さっそくフザケちゃってごめん。いや、違うんだよ。このお兄ちゃんのキメ方を見てたら「僕もやってみたいなー」って思ってしまってね笑。冬に引っ張られちゃったけど、後のテーマ(六本木クラブデート)に近くなってしまったかもしれない。まぁ美術館デートで本気だしたらこれぐらいやっちゃってもいいんじゃないかな。なんてね。どうでしょう~。」
かほ「振り切って派手になってしまった・・・!美術館に展示されている作品を大きく超えてくるヨシさんのセンスはやっぱり面白いね!!!でもこのファッションの横に並ぶには、わたしも相当オシャレしないと浮いちゃうね」
ヨシチョイス②
出典元:https://wear.jp/naaandemocollecter/13928771/
ヨシ「美術館にしてはヒッピーすぎるかな。まぁアート系って考えればテーマにはあってるんじゃないかと。実はもっと順当にアートなコッチもあったんだけど、これだとキレイすぎるかなーとパスしました。」
かほ「ヒッピーだなあ!!!いや、まあ、好きだけど。わたしの中で抱くいわゆる”美術館デート像”を大幅に裏切ってくる感じは好きですよ。でもなんか間接的にヨシさんの好きなアートの系統がわかってくる気がするよ。ヨシさんは古典芸術より現代アートが好きな感じ」
<六本木クラブデート:春>
妻チョイス①
出典元:https://wear.jp/apst52/13867098/
かほ「わたしはクラブになんぞ行ったことがない!から、クラブファッションはよくわからない!だけど陽キャがいっぱいいるんだろうな〜と勝手に思い込んでいるので、彼ぐらいはっちゃけたトップスを着て欲しいと思った。割とヨシロウさんのファッション派手だから、これ着ても違和感ないと思うのよね」
ヨシ「おー、なるほどね~。いやぁクラブのイメージが違くて面白いね。確かに柄物は好きだけど、ヒョウ柄は持ってないね。1個ぐらいあっても面白いと思うから、こんど探して試着してみようか~。」
妻チョイス②
出典元:https://wear.jp/161016102/5969797/
かほ「うん!やっぱりヨシロウさんには派手なトップスが似合うと思うの。ただ、彼らの着ているブルゾン型の上着はそ〜んなに似合わない気もするけど、クラブに行くなら派手派手がいいなと勝手に思ってる。目立ってなんぼみたいな」
ヨシ「うん。いいね! このテラテラ感とか、カラフルなところはとてもステキなアウターだと思う。試着してみたいね、どこで売ってんだろう。にしてもカホさんのクラブのイメージって「軽い」なんだな~。やぁテーマを決めて出し合うって面白いね。僕のはもうちょっとシックに行くよ。いいかなーー?」
ヨシチョイス①
出典元:https://wear.jp/ch1style/8063172/
ヨシ「どうだい~?まぁね。春だしね。スマートにスッキリ抑えました。六本木にしては昼間感が強いのが減点ですかね。やー、テーマを設定したのが僕だけど、なかなか見つからないねー笑。このオジサン太ってるけどオチャメ感あってカワイイ。」
かほ「このおじ様が可愛い。春夏のヨシさんのファッションに似ているよね。ものすごく派手なジーンズにエロTシャツ(エロい絵柄のTシャツ)その上からジャケットって格好よくしてたよね。かっちり感と抜けてる感が好きなのかな」
ヨシチョイス②
出典元:https://wear.jp/akiroshi0211/12466248/
ヨシ「このコーディネート結構まとまってて好き。この上下を着こなす時に、帽子・髪型・サングラス・靴・ポージングまで含めて満点に近いんじゃないかと思ってる。うーん。オシャレさんだ。」
かほ「ストライプ&ストライプのやりきった感!!!確かにポージングも個性的で素敵なお兄さんだね。派手だけど嫌な感じのないスッキリした印象が不思議でならない・・・」
<海外旅行inポートランド:夏>
妻チョイス①
出典元:https://wear.jp/pasotizing/9581235/
かほ「派手シャツ大好き!!!彼はどうやら女性ものの古着を着用しているみたい。ヨシロウさんの代名詞は「変な柄シャツ」だと勝手に思っているので、彼を超える派手シャツ着て出歩いてほしいな、旅行先でも」
ヨシ「あっ!被った!!!!笑 このオジサン込みでカワイイ柄シャツ。シャツもアウターも上半身は基本的にタイトなのが好き。他の人探さなきゃだー。」
妻チョイス②
出典元:https://wear.jp/jaykos/7494668/
かほ「実際にヨシロウさんがこの格好でポートランドを出歩いたら、ちょっと奇異の目で見られるかもしれないけど・・・タンクトップ1枚で着こなせちゃう筋肉ムキムキの人ってかっこいいよね。いつかヨシロウさんもムキムキになると願いを込めて!!!」
ヨシ「この人もイイよね~。実にいい写真だなぁ。パンツのレモン色とトラックの黄色が合ってるんだよな~。かほさんの言うとおり、このオジサンが痩せてたら見え方は変わってくるからな~。このコーディネートはムキムキが必須だね。」
ヨシチョイス①
出典元:https://wear.jp/muufasa/7830554/
ヨシ「かほさんの1枚目が被っちゃったから急いで探したよ。どうだい!いいでしょ! やっぱりね。夏でしょ?ポートランドでしょ? ならこれぐらいオシャレしてもいいんじゃないかな!うーむ。さすがにハシャギ過ぎかなぁ~~笑」
かほ「すげー!!!個性大爆発なお兄さんが選ばれた!!!新婚旅行でポートランド行ったけど、こんなド派手なお兄さん見てないよ笑。でもヨシさんなら許されるのか・・・?」
ヨシチョイス②
出典元:https://wear.jp/only2learn/7800926/
ヨシ「柄物も好きなんだけど、夏はベースをシンプルにして小物をヒカらすのが好きだなぁ。このお兄さんは足元がハシャイでるのがいいね。オッサンになってきたから最近は襟付きシャツを着てるけど、もともとは丸首のTシャツばっかだったんだよね。海外だったらこれぐらいロン毛&ヒゲでも普通だと思うからいいなぁ~」
かほ「THE・ポートランドな感じがする〜。今のヨシさんはこのぐらいシンプルな服を着ちゃうと『派手さが足りない!』ってガラス玉のネックレスとか鼻笛を胸にかけちゃうけど、確かにロン毛&ヒゲに変身したらグッとシンプルな服も映えるかもね。派手なの大好きって言ったけど、このぐらいシンプルなの着こなせるようになったら素敵だなあ」
番外編:妻チョイス(禁じ手)
美術館デート
出典元:https://wear.jp/tadanobuasano/11046051/
クラブデート
出典元:https://wear.jp/tadanobuasano/11493787/
海外旅行
出典元:https://wear.jp/tadanobuasano/9854144/
かほ「浅野忠信さんのコーディネートは問答無用でかっこいいと思うのよね!彼のファッションセンス、ヨシロウさんのセンスにとてもよく合うと感じているんだけど、どうですかね?」
ヨシ「わー。浅野忠信はカッコイイね~。確かに禁じ手だなー。・・へへへ、実を言うと、上に挙げてもらった写真全部好きなやつなんだよね!(恥ずかしいっっ!)前にWEARのアプリ教えてもらった時に、浅野忠信を漁ったんだよな~。浅野忠信は着ても脱いでもカッコイイよねー。あー、僕もこれぐらいかっこよくなりたいねー。(頑張るぞー!!!)」
編集後記
夫はいつも「着たい服」を着ている。
彼が身支度にじっくり時間をかける姿を見ていると、「ああ、彼はやっぱりおしゃれだな」と思う。わたしは、「おしゃれ」とは「自分の大好きなものを、自分のこだわりの服装を、自信をもって着こなすこと」だと考えている。わたしも「着たい服」を着て過ごしているつもりだが、彼ほどのこだわりはないし、自信満々に着こなすことはない。だから彼はやっぱり「おしゃれ」なのだと思う。
そんな夫の「おしゃれ」な姿を自慢したいがための、月刊アカ ヨシロウvol.1『アカ ヨシロウとファッション』であった。
次回は2月末に刊行予定。
photo / sentences / edit: Kaho Katayama