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「書くことが好き」ならライターじゃなくてもいいんじゃない?

「私、書くのはそんなに好きじゃないんです…」

ライターとして独立して8年。9年目に入るのかな?上の子の年齢とほぼ一緒の職歴だ。いろいろあって企業勤めを辞めて、いきなりフリーライターになった。経済誌や情報誌、女性誌からも仕事がもらえて、なかなか順調。そんな私にときどき飛び込んでくる相談が「ライターになりたいんだけど、どうしたらいい?」というもの。

キャリアチェンジを考えてる同世代や、新卒まもない子のときもある。話を聞いてみるときっかけはさまざま。でも共通しているのは「私、書くことが好きなんです」という思いだ。

そうか…そうなんだ…でも、私、書くのはそんなに好きじゃないの。

…なんて直球で言えるわけもなく、私はミルクティーとともにその言葉を飲み込んで、にっこり微笑む。

好きなことだけ書くなら、それは日記かブログで

「書くことが好き」の意味するもの。そのほとんどが自分の見たもの、感じたものを率直に、ときには修飾を交えながら形にしていく作業が好きということなんじゃないだろうか。まっさらな便箋が埋まる感覚でしょうか。手書きじゃないだろうけど。私も本業ライターになる前は、好きなことについて一日中なんでも書き続けたことがあった。裁判傍聴にハマって、何時間もメモを取り、清書して友人にメールを送りつけたこともある(これはいつか改めて書く)

自分がいいと思ったものを文字にして、人に読んで喜んでもらえるのは気持ちいい。でも、それが仕事として成立するのはライターではなく名のある人のエッセイくらいではないだろうか。その人自身がものすごく特異な体験をしていればまた別かもしれないけれど、大多数は私と同じで平々凡々な人間ですよね。

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ライターの仕事は「聞くこと」

ライターの仕事の真髄。それは「聞くこと」にあるのではないかと思う。いろんな製品、サービスが世に出てくる。誰がどんな気持ちで作ったのか。どんな人に届けたいと思ったのか。子育てに悩むママがいる。どんなことが辛くてなにに喜びを感じるのか。

ライターがやるのは、物や事象、人の感情について丹念に聞いて、それを形作っていく作業。話したくなさそうな話題のとき、相手が目を伏せた。プロジェクトが佳境を迎えた下りで相手がグッと身を乗り出した。そんな空気も感じながら聞く。相手がまだ言語化しきれていない思いを汲み取って、言い換えてみる。ライターの仕事とは、聞くことが8割で、残りの2割はそれを埋めていくだけなのだ。

聞き終わったら、読み手のことを考える。最近はみんな忙しくて、スマホでちゃちゃっとニュースをチェックするくらい。だから、ページはせいぜい2ページだね。「次のページへ」ボタンを押す手間をかけさせちゃうのも本当に申し訳ない。できれば1000字くらいで書きたいけど、なんだかんだ1800字。でもこれでも短めにしました。だって、読んでほしいから。この人の話、すごく面白いので。

聞くこと、形にすること、読んでもらうことが好き。まだまだ知りたいことがたくさんある。だから私はこの仕事を続けている。書くことはそんなに好きじゃない。だからnoteは修行です。 

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