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フリーランスライターが燃え殻さんのラジオから学んだこと


愛聴している「伊集院光とらじおと」の11/29のゲストが小説家の燃え殻さんだった。彼は現在48歳で、小説を書き始めたのは43歳。私も30過ぎてのライター転身だったので、「比較的遅いスタート」な人に興味がある。聴いていたら「自分には文章を書く筋力が足りないので、毎朝1200字何でもいいから書くことを自分に課している」と話していて、思わず家事の手を止めて脳内でメモった。


自分に足りないのはあらゆる筋力なのだった

燃え殻さんいわく

・毎朝目覚めたら、とりあえず何か文章を書く
・正月でも休まず書く。そんな生活をもう5年間続けている
・ちゃんとした文章を書こうと思ってはダメ。とりあえず書いていると、後でエッセイに使えそうな文章がそこに1、2行ある
・その1、2行をつなげてつなげて、連載として納品することもある


私は自分で自分に足りないものはこうした筋力だと思っていて。いきなり人のせいにするけれど、母が自称めんどくさがりで、習い事も塾も「送り迎えが大変だし、私が大変なことは子どもにもやらせられないから」と何事も強いられなかったこともあって、昔から「何かをコンスタントに続ける」ということを積み重ねてこなかったという自覚がある。ちなみに母は家のことはむしろきっちりで、いつも料理も掃除も完璧だったので、めんどくさがりというと語弊はあるけれど。でも自称だから、あくまで。

そんなこんなで私もやりたくない習い事も部活もバイトも仕事もさっさとトンズラする人生是フィーリング人間だったので、書店で並んでいる習慣化やら手帳術などを見ても「はいはい日常に侵食する自己啓発」と思って一切興味を示してこなかった。でも燃え殻さんのあのふわーっとしているキャラでふわーっと話されると、妙に心打たれてしまった。そこに説教くささが1ミリもなく、本人があくまで自分ごとで話していたのが大きかったのかもしれない。40代、「まだそんなことやって消耗してんの?」的な煽りで見事に煽られる年ごろではないのでね。


人のせいにしたものの、仕事してお金をもらうのは自分なのだった

この話が心に染みた最大の理由は、私がもう一週間に1文字も書いていないからで(メールの打ち返しや校正チェックはしていた)、ついに半年前に納品したはずの原稿について「書かずに寝かせっぱなしですけど大丈夫ですか?」と編集者から優しく催促されたという恐ろしい夢で目が覚める始末。小説家でもないのに「書けない」「もうダメだ」を繰り返してしまうのは不思議な感じかもしれないけれど、人様の目に触れる文章を書くには多少なりともというかだいぶ頭をひねる必要があって。特に仕事で書く文章ではリズムを気にしていて、「なるべく句点を入れない」「文章を細かく区切る」「接続詞は繰り返し使わない」などを意識していると、途中で詰まってくることも多い。

書く気になれないから掃除しちゃえ、LINEしちゃえ(Twitterはあんまりやらない)、散歩しちゃえと現実逃避してしまっていた。それに加えて、「仕事だからちゃんと書かなくてはならない」という思い込みがますます筆を遠ざけてしまった。筆使ってないけれど。

いやいやながらも通勤することは実はとても大事なのかもしれない


これって全ての仕事に通じるところがあって、「仕事がいやでもとりあえず通勤する」というのは実はとても大事なことなのかもしれない。親友ちゃんは「辞めると朝起きる理由がなくなるので」という理由で仕事を続けているらしい。週5勤務是筋力なのではないかと、好きで自由業を選んでおきながら憧れを抱いてしまうのであった。通勤じゃなくても、会社のシステムにログインするとか、何らかの強制力…

で、思い立ってPCを開いて一気に書き始めたところ、あっという間に1300字。やればできるな。長くなってきたので続きは後編「とりあえず気が乗らなくてもやる、というのは田中みな実師匠からも学んでいた」に続く。


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