デザイン班から見た模擬裁判の魅力

 こんにちは!模擬裁判note第4回は、デザイン担当者の冨田がお届けします。今月から4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが開催されますね。
前回大会の日本代表の姿に心を動かされ、すっかりサッカーの虜になりました。決勝トーナメントに進出した日本代表は、優勝候補の強豪ベルギー代表相手に2点を先行します。その後、同点とされて後半アディショナルタイム。日本のコーナーキックのチャンスで、キッカーの本田選手が蹴ったボールは相手ゴールキーパークルトワ選手の手の中へ。素早いパスから、デブルイネ選手がボールを持ち上がる間に、ベルギー代表の選手が猛然と駆け上がり、決勝ゴールを決めました。時が止まったかのような14秒間の後、歓喜と落胆が交錯するピッチにサッカーの怖さと魅力が詰まっているように感じました。全力を出し尽くした選手たちの姿に、当時選手の名前も分からなかったのですが、心に響くものがありました。
 その後の4年間、日本代表はさらに進化したような感じがします。鎌田選手や久保選手など新しく代表に加わった選手が中心となって、再びワールドカップの舞台に戻ってきました。時に批判にさらされながらもブレずに、徹底的に戦い続ける姿も印象的でした。


 11月20日に開幕するワールドカップに重なるように、11月18日〜20日に行われる駒場祭にて模擬裁判が開廷します。そんな模擬裁判について、デザインの担当者から見た魅力をお伝えしたいと思います。

① とっつきにくいテーマを分かりやすく

 今回の模擬裁判のテーマは「安全保障と個人の人権」です。舞台は自衛隊、在日米軍基地をめぐる訴訟となっています。テーマを聞くと、「ニュースなどでよく聞くけれど、実際のところよく分からないし、とっつきにくい」という印象を持たれる方も多いと思います。
 
 そこで、「裁判劇」という手法をとることによって、難しいテーマを分かりやすく、柔らかい形で学び、楽しむことができるようになっています。
また、自分で学習しようと思うとどこから手をつけて良いか分からないテーマでもあると思います。今回の模擬裁判では、脚本を書くにあたり文献を読み込むのはもちろん、学生たちが、基地関係訴訟の当事者の方からお話を聞くなど取材を重ねております。そうして得た学びを凝縮したものを、裁判劇の形式で味わっていただけます。

② 進化した模擬裁判

 模擬裁判は、川人ゼミの有志で運営される企画で、昨年度も行われているものです。個人的に感じたのは、今年の模擬裁判を一言で表すならさらに「進化した」模擬裁判と言えるのではないか、ということです。コンテンツがさらに充実したことでさまざまな楽しみ方ができるようになっていると思います。従来の裁判劇に加えて、ムービーとレポート映像もご覧いただけます。
 ムービーは証人たちがどのような生活を踏まえて、法廷に立っているのかを描くことで、現場への想像力を掻き立てる作品になっております。
レポート映像は裁判劇では扱われなかった基地労働者の労働問題について、学生が考えたことを動画で発信します。
 こうしたコンテンツの充実により深くテーマを理解し、裁判劇を楽しむことができるようになっております。

③ 徹底的に、多角的に

 今回のテーマは、センシティブなテーマでもあると思います。司法の場には持ち込めない問題の存在に対する問題意識を持っているからこそ、今回の模擬裁判では既存の訴訟より踏み込んだ論点も扱おうとしています。そのために、脚本や演出にあたり「徹底的」な取材を行っていること、そして視野を狭めることなく「多角的に」描き出そうとしている点が印象的でした。


普段語られにくいテーマゆえに、今回の模擬裁判が絶好の機会になるのではないでしょうか。せっかくの機会ですので、デザイン班の仕事の紹介も少しさせていただきたいと思います。

<デザイン班のお仕事>

 デザイン班の仕事は、主にポスター、ビラ、パンフレットの作成です。ポスターのコンセプトを紹介すると、「日常レベルの飛行機の写真と、非日常の法廷を対比するようなイメージ」で制作しました。
 デザインは1年生が中心となって行っております。全員デザインの経験はなかったのですが、総務局長兼デザイナー(兼エンジニア etc)による講習会を受けてから1週間ほどで以下のような素晴らしいデザインを完成させてくれました。
ビラやポスターは、駒場祭の1週間ほど前から、パンフレットは当日配布しますので、ぜひご覧ください!さて、W杯で全力で戦う日本代表が見せてくれた熱のこもった試合は、私にとってよく分からなかったサッカーの魅力を伝え、多くの人の心を動かしました。
 模擬裁判においても、制作者、演者の思いのこもった演技、作品が、難しく感じがちなテーマの本質を伝え、知見を広げてくれると確信しています。
 模擬裁判に携わる全ての人の熱意が詰まった120分間、必ず後悔させません。
 以下の日程で、“法廷“にて皆様にお会いできるのを一同心より楽しみにしております。


*上演スケジュールと会場

11/19(土)
第1回公演 開場 10:30/開廷 11:00/閉廷 13:00
13:00-14:00 映像作品上映
第2回公演 開場15:00/開廷 15:30/閉廷 17:30
11/20(日)
第3回公演 開場12:15/開廷 12:45/閉廷 14:45
会場:東京大学駒場キャンパス KOMCEE21 EAST 地下1階 K011
今年度駒場祭はハイブリッド開催を予定しております。本企画も対面・オンライン併用での企画実行を予定しております。オンラインでのリアルタイム/アーカイブのご観劇・映像作品のご視聴は、駒場祭HPもしくは模擬裁判2022のHPにて可能となります。
(参考:2022年の駒場祭概要 https://www.komabasai.net/73/visitor/hostingstyle)visitor.komabasai.net
第73回駒場祭公式ウェブサイト
第73回駒場祭の公式ウェブサイトです。2022年11月18日 (金) 〜 20日 (日) に開催されます。

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